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小さなスナック

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:牧ミエコ、作曲:今井 久、唄:パープル・シャドウズ

1 僕が初めて きみを見たのは
  白いとびらの 小さなスナック
  一人ぼっちの うしろ姿の
  きみのうなじが やけに細くて
  いじらしかったよ

2 僕がその次 きみを見たのも
  バラにうもれた いつものスナック
  ギターつまびく きみの指さき
  ちょっぴりふるえて つぶやくようで
  かわいかったよ

3 僕が初めて きみと話した
  赤いレンガの 小さなスナック
  見つめる僕に ただうつむいて
  なにもこたえず はずかしそうで
  抱きしめたかったよ

4 今日も一人で 待っているんだ
  きみに会えない さびしいスナック
  キャンドルライトに 面影ゆれる
  どこへ行ったの かわいいきみよ
  忘れられない

  どこへ行ったの かわいいきみよ
  忘れられない

《蛇足》 昭和43年(1968)のヒット曲。

 パープル・シャドウズは、いわゆるグループサウンズの1つで、『小さなスナック』はデビュー作。発表当初は反応がほとんどありませんでしたが、都内のスナックを100軒回るキャンペーンによって、人気に火がつき、ついにはオリコン2位に入る大ヒットとなりました。

 大ヒットを受けて、同年、松竹が斉藤耕一監督で映画化。尾崎奈々・藤岡弘主演で、パープル・シャドウズのメンバーも出演しました。歌と同じく、都会調の洗練された青春映画でした。

 しかし、ヒットはこの1曲にとどまり、グループは自然消滅しました。
 もっとも、リーダーの今井久は、ハワイアン・バンド「今井久とパープル・アイランダーズ」を率いて、現在も活動を続けています。

 スナックはスナックバーの省略形で、本来はカウンター形式で簡単な食事や飲物・酒類を提供する軽食堂ですが、わが国では酒場の1形式となっています。
 東京オリンピック開催に際して、東京都が条例により風俗営業店における深夜の酒類販売を禁止しました。この規制を避けるため、バーなど多くの酒場が、保健所の許可だけで営業できる飲食店に形だけ変更し、「スナック××」などと名乗って、実質的に従来と同じ形で営業を続けました。
 この形が全国に広まり、酒場の1形式としてのスナックが定着したわけです。

 ただ、この歌の場合は、実態はバーというタイプよりも、本来のスナックか、喫茶店に近いスナックのほうが似合うような気がします。

(二木紘三)

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コメント

田舎の中学生がスナックも知らず聞いていましたが
恋知り染めし頃のせいか、やけに心に残る曲でした。

投稿: sunday | 2008年7月 8日 (火) 15時45分

ジュークボックスからこの歌を聴きながらスナックで初めて口にしたアルコールは、バイオレットフイズでした。中勘助、和辻哲郎、大江健三郎等を薦めた悪友と、知り合って間もない若き女性との三人で、歌詞通りの「小さなスナック」で愉快な青春のひと時を過ごしました。数年後、悪友は、パルフェ・タムールなるリキュールのフランス語の意味する、知識を私に伝授し、矜持を傷つけたものでした。パルフェ・タムールは完全な愛、すみれの香からのスミレの花ことばは、小さな愛であることを知りました。彼女と「小さなスナック」へは十数回共にし、いつもバイオレットフィズを口にしました。

投稿: 夏橙 | 2014年7月15日 (火) 21時57分

高校を出て大阪に入った時、一足先にバーテンダーをしていた悪友が私を夜の梅田に誘い出しました。

そこで初めてスナックらしきものを知り、ウエイトレスの女性と話すことができました。田舎出のうぶな青年ですから、若い女性とまじかに接し胸が高鳴りました。まさに、いじらしかったよ、かわいかったよ、だきしめたかったよ、わすれられない、の気持ち、歌詞の通りです。

深夜の1時を過ぎますとネオンに輝く狭い路地には身動きできないほどのタクシーが入り込んできました。そのタクシーに手を組んだ若い女性と中年の男性が乗り込んでゆきます。「やっぱりお金なんだよな~」と私は悪友とため息を付き合ったものです。

貧乏学生でしたからそもそもスナックに入り浸るお金なぞありません。ですから、その後は一人、喫茶店でウエイトレスさんを黙って眺めるだけの楽しみになりましたが、今はもう喫茶店もなくなりましたね。最近はマクドナルドで100円コーヒー一杯を楽しむのが日課です。

投稿: yoko | 2014年7月15日 (火) 23時19分

「喫茶店に近いスナック」喫茶店がテーマの曲を探して、独身時代が次々とよみがえる。confident片想い、失恋、青春してました。happy01

投稿: taka-shiz | 2014年9月 3日 (水) 23時34分

 この歌、男性の片想いで終わった恋の話ですよね。3番で、やっと初めて話した時の“君”も何も答えていません。失恋とさえ言えないかも知れませんが、そんな淡い恋だから、“君”の愛しい面影が心に残ったまま、忘れられないのでしょう。私も学生時代はこんな恋を何度もしました。かつて恋は男性から声を掛けて始まるものでした。当然女性は受け身ですから、好みの男性から声を掛けられるまで待たなければいけません。必然的に男性は誰でもこんな経験を数多くした筈です。
 今は女性から告白することも多いようです。それには、そもそも男性が男らしくなくなったからだという説があるようです。

投稿: Yoshi | 2015年5月12日 (火) 21時35分

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