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モスクワ郊外の夕べ

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:M.マトゥソフスキー、作曲:V.ソロヴィヨフ・セドイ、日本語詞:穂高五郎

1 窓にあかりがともり 木陰はむらさき
  *夕暮れのひと時を 静かに行く道

2 河面に月の光 さざ波くずれて
  *風にのり渡りくる 歌声聞いてる

3 やさしき君のうなじ まつげがふるえる
  *うち明けることばなく この道この胸

4 短い夜の空に 白さがただよう
  *いつまでも忘れない ああモスクワ郊外
                  (*印=繰り返す)



   ПОДМОСКОВНЫЕ ВЕЧЕРА

1. Не слышны в саду даже шорохи.
    Все здесь замерло до утра.
       *Если б знали вы, как мне дороги
         Подмосковные вечера.

2. Речка движется и не движется,
    Вся из лунного серебра.
      
 *Песня слышится и не слышится
         В эти тихие вечера.

3. Что ж ты, милая, смотришь искоса,
    Низко голову наклоня?
      
 *Трудно высказать и не высказать
      
  Все, что на сердце у меня.

4. А рассвет уже все заметнее.
    Так, пожалуйста, будь добра,
      
 *Не забудь и ты эти летние
      
  Подмосковные вечера.
                                  
        (*:рефрен)

《蛇足》 1955年に作曲され、2年後の1957年、モスクワ青年フェスティバルのテーマ曲となりました。さらに、ジャズに編曲されて、世界的にヒットしました。

 作詞・作曲者がはっきりしており、制作年も新しいので、外国ポピュラーソングに入れるべきかと思いましたが、歌声喫茶ではロシア民謡として長く愛唱されてきたので、外国民謡に入れました。

 日本語詞は、上記のほかに下記の3つが知られています。

            (日本語詞:楽団カチューシャ)

1 樹々のささやきも消え 露ふかく眠る
  *君と会うひとときよ 野道の夕暮れ

2 川のさざなみゆれて 月は青く照り
  *流れくる歌声も かすかな夕暮れ

3 なぜに君はうなだれ まなざしをさける
  *うち明けるすべもなし 燃えるわが思い

4 やがて明けゆく空よ 別れゆく君よ
  *忘れまいこの宵を 野道の夕暮れ
               (*印=繰り返す)


                        (日本語詞:関 鑑子

1 庭の木々もそよがず ものみな静まる
  *宵闇を二人ゆく モスクワ郊外の道

2 小川も流れとめて 静かにまどろむ
  *月白く夕べの歌 かすかに遠く

3 夜のしじまの中 いとしさつのれど
  *語りえぬわが思い ただ君を見つめて

4 夜のとばり消えゆき 明けゆく空に
  *夢さめて忘れえぬ 今宵のこの幸
              (*印=繰り返す)


                       (日本語詞:合唱団白樺

1 ざわめきも今はなく ものみな微睡(まどろ)
  *君知るやすばらしき 夕べのひととき

2 白き月の光に 河波も静か
  *歌声は遠く流る 夕べの静寂(しじま)

3 恥じらいに目を伏せて いとしい恋人は
  *わが胸に頬よせて 明日(あす)をば夢見る

4 東ははや白みぬ よき朝の来たり
  *忘るるなこの夏の 夕べのひととき
              (*印=繰り返す)

 私は、最初に覚えたのが穂高五郎の詞だったせいか、この歌詞がいちばん好きでした。3番でいつも胸がふるえました。遠い昔に、そういうシーンがまんざらなかったわけでもありません。

 畏友・森田明君がこの歌のエスペラント訳を教えてくれたので、掲載します。表示が乱れている場合は、文字コードをUnicodeに変えてください。

   Apudmoskvaj Vesperoj
       
 (tradukita de K. Gusev)

1. Ne aŭdiĝas eĉ flustro en obskur'
    Ĉio dormas nun tie ĉi
      *Kiel ŝatas ja, se vi scius nur,
        Apudmoskvajn vesperojn mi.


2. Iom plaŭdas flu' kaj ne plaŭdas plu,
    Plenas de arĝent' la river'.
      *Kanton aŭdas mi kaj ne aŭdas plu
        En mallaŭto de la vesper'.

3. Kial, kara, vi kapon klinas pli
    Kaj rigardas nun ruze min ?
      *Ĉu esprimas mi, ne esprimas mi,
        Kio ardas en la anim' ?


4. Kaj alvenas jam la matena hor',
    Brilas ruĝa jam lunlini'...
      *Tenu en memor', tenu en la kor'
        Apudmoskvajn vesperojn ni.
                   
(* refreno)

(二木紘三)

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コメント

いつも二木先生の曲に癒されています。 ありがとうございます。 ロシア民謡とか川は流れる、などが好きです。

投稿: 白川賀博 | 2007年7月19日 (木) 01時39分

こんにちは この曲は、ダークダックスが、ソ連に歌いにでかけ、その当時はやっていた曲を持ち帰って歌ったのが、はじめでした。当時ラジオから流れる曲に耳をかたむけたものです。ロシア民謡全盛の時代でした。

投稿: テレーズ | 2007年9月23日 (日) 14時33分

「モスクワ郊外の夕べ」は「カチューシャ」とともに私がロシア語で歌える二つの歌の一つです。ロシア語を専攻したという一つの証にはなりますが。
 さて、先般ラジオを聴いていたら、五木寛之さんが「この歌を元歌として『ワシントン広場の夜は更けて(昭和34年頃に日本でも流行したと記憶しています)』が作られた」とおっしゃってました。似ているような気もしますが、テンポが違いすぎるので本当に元歌なのかなと思いますが、どうでしょうか。二木先生ならおわかりと思いますので、時間があるときに教えたいただけませんか。

投稿: 江尻 陽一 | 2007年9月25日 (火) 16時42分

中国語で「モスクワ郊外の夕べ」を習い、日本語はどうなんだろうと探しています。私の記憶では、最後が「モスクワの夜は更けて」なのですが、
友人に教えてもらったのにも、その歌詞は出てきませんでした。記憶違いか?合唱団白樺の訳詩は、古い本(1963年改訂版定価100円)「青年の歌」「青空歌集」にあると、友人が教えてくれました。
モスクワ郊外の夕べ  合唱団白樺 訳詞  セドイ作曲
①  ざわめきも今はなく ものみな微睡む
   君知るやすばらしき ゆうべのひと時
   君知るや幸多き 夕べのひと時
②  白き月の光 ※(に) 河波もしずか
   歌声は遠く流る 夕べのしじまを
   歌声は遠く流る 夕べのしじまを
③  恥じらいに眼をふせて いとしい恋人は
   わが胸に頬よせて 明日をば夢見る
   わが胸に頬よせて 明日をば夢見る
④  東ははや白みぬ より朝のきたり
   忘るるなこの夏の 夕べのひと時
   忘るるなこの夏の 夕べのひと時
※ (に)は同じ<のばら社>の歌集でも、書名「青年のうた」にはなく
  「青空歌集」にはある。
日本語詞:楽団カチューシャ、:関 鑑子 といろいろあるのですね。
お陰でまた楽しみが増えました

 

投稿: 一杉三智子 | 2007年12月29日 (土) 11時09分

 この歌には、懐かしい思い出があります。
 高校の卒業が間近に迫ったある日。担任の先生が、「卒業する各クラスが、それぞれに出し物を発表し合う催しが近くあるんだが」と切り出され、「どうだろう。うちのクラスは、全員で何か歌でも披露するということにしては」というような提案をされました。そして「さて、どんな歌がいいだろうか?」ということになり、先ずクラス委員長のN君から、当時流行していた加山雄三の『旅人よ』という案が出されました。「他には?」と先生。N君とクラスを二分する人気者だった私は、彼への対抗心もあり、今思うと気恥ずかしいことながら、高3の夏頃習ってお気に入りだった、この『モスクワ郊外の夕べ』を提案致しました。
 高3時私は、山寺(立石寺)など郷土の史跡巡りを企画・立案し参加者を募って3回ほど実行し、時に私のクラスでの人気は、N君を圧倒していた時もありました。しかしこの時は、2つの歌で「全員の挙手による採決」ということになり、結果はN君が2/3、私が1/3。よって『旅人よ』に決しました。
 発表会当日。クラス全員が壇上に上がり、N君の指揮のもと『旅人よ』を歌いました。私はN君を見つめながら、『あヽやっぱり「旅人よ」で正解だったなあ』と思いました。
 それにしても。当時は第一希望だった地元のY銀行の就職に失敗し、結果まるで郷里から首都圏の方にはじき飛ばされようとしている。日々、心中決して穏やかではなかったはずですが…。当時の多感な文学少年だったあの頃の自分の、ロマンチシズム溢れる『モスクワ郊外の夕べ』への思い入れ。今あらためて、あの頃の自分を解ってあげたいです。
 ともあれこの歌は、ほろ苦く、ちょっぴり切ない郷里での青春の、懐かしい思い出の歌となりました。

投稿: 大場光太郎 | 2008年5月16日 (金) 19時41分

日本語詞ではダークダックスの
愛を秘めた乙女の せつない眼差しに あふれくるわが想い 苦しいこの胸...が、いちばん好きです。

投稿: クマ | 2008年7月 9日 (水) 16時03分

ただ、歌うことだけが好きな私です。
「モスクワ郊外の夕べ」♪さあ歌いましょう! ??‥
こんなにも日本語訳があったのですね。
私は『合唱団白樺』の訳詞で歌っていました。それだけだと思っていたのです。
書名「みんなで歌うフォークと名歌 ー青空コーラスー」
野ばら社が1986年(S61)に発行したもので、それには一杉様の仰る※のところには(に)が入っています。


投稿: 高木ひろ子 | 2008年9月 9日 (火) 15時37分

この曲も典型的なロシア民謡の一つですね。「ロシアよ わが祖国」もよい。

投稿: 三瓶 | 2008年9月10日 (水) 19時07分

二木さま、私は藤沢で歌う会をやっていますので、いつもこのサイトから多大の恩恵を受けています。今回もビアパーティで「モスクワ郊外の夕べ」を歌いたく楽譜を集めました。社会思想社の現代教養文庫の中の一冊「うたごえ青春歌集」(矢沢寛編)の訳詞た五郎のものでしたが、私の耳に残っていたのは「ざわめきも今はなく」で始まるもので、これが懐かしく探していましたところ、二木さんのサイトへの投書で知ることができて感謝しています。これからもこのサイトのお世話になることが多いと思います。よろしくお願います。

投稿: 山田光義 | 2011年7月24日 (日) 16時50分

この歌は33年前、ソビエト連邦に交換留学していたとき初めて聴きました。そして帰国する際、ロシアの級友とお別れに歌いました。

「君も忘れるな、この夏のモスクワ郊外の夕べを」と。

今の発展したモスクワやペテルブルグでは想像がつきませんが、当時は広告やネオン一つなく、侘しいモスクワの街並みにマッチした歌でした。

投稿: antonio | 2012年1月18日 (水) 12時58分

この歌もロシアの名曲と言えるのでしょう。
そして二木先生と同じように私も胸がふるえたことを思い出し、
  3.やさしき君のうなじ ~ この道この胸
の君は今思えば誰だったのか?もしかしたら夢かロマンへの偶像だったのか?思いあぐねながらそれなりの青春の残り火に嬉しくなってきました。
この歌はソビエット映画「スパルタキャード(大競技会)の日」の主題歌だそうで、加藤登喜子(氏)は、
  ニエ スリシヌイ フ サドウ ダージェ ショラヒ~(アルファベットしか出来ませんので。)
と収録しています。

そしてその昔、トランジスターラジオでたしかこのメロディのようなデキシーミュージック風「ワシントン広場の夜は更けて」の演奏を数回リクエストしたような記憶が微かに残っていますが、別の曲だったのでしょうか? 
        

投稿: 尾谷光紀 | 2012年1月19日 (木) 10時55分

はじめまして。
私はソ連のマッチラベルを収集しています。
ただいま西荻窪の店で展示会をしていまして、モスクワフェスティバルのデザインのマッチラベルの説明に、二木さんのブログの解説を2行ほど二木紘三ブログより、として引用させていただきました。祭のテーマ曲でのちジャズに編曲され世界的にヒットした、という箇所です。事後報告になりましてすみません。展示に関してはよければこちらをご覧ください。
http://rarebooks-fukube.com/cccp/matchbox%20labels.html

投稿: ありよしきなこ | 2014年1月17日 (金) 10時52分

夕べの「ソチオリンピック」の開会式をみていました。その中で、『モスクワ郊外の夕べ」が歌われ、大変懐かしく思い出しました。約50年前高校時代に音楽部の皆で歌っていたのを、つい先日のように思い出しました。それと、ボロディンの「韃靼人の踊り」(イーゴリ公)もこんなところでと、驚きました。

投稿: エッグ | 2014年2月 8日 (土) 13時30分

この曲名を見つけ、懐かしく思っています。
モスクワ放送の日本語放送に使われていました。雑音だらけの放送でしたがまだ米ソ冷戦の時代。今聞いたらどう思うでしょう。

投稿: よねだまさお | 2016年1月27日 (水) 23時14分

我が青春の歌がシャンソンなら、ロシア民謡は思春期の伴奏歌。不公平な社会への恨み、やり場のない憂いなどを好きな歌(ロシア民謡)で癒したものです。特に、モスクワ郊外の夕べは心に残っています。高校時代に好んで聴いたように記憶しています。歌詞の美しさは恋への憧れを助長するに十分でした。あの地点に還ってぬかりない恋をしたかった等と馬鹿なことも脳裏をかすめました。完全なる恋の勝利者ではなかったことが今なお悔やまれます。
その時々の心模様が鮮やかに蘇ります。
思えば長くこの歌を忘れていました。
最後になりますが二木先生ありがとうございます~!!

投稿: りんご | 2016年1月28日 (木) 12時51分

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