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卒業写真

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:荒井由実、唄:荒井由実/山本潤子

1 悲しいことがあると 開く皮の表紙
  卒業写真のあの人は やさしい目をしてる
  町で見かけたとき 何も言えなかった
  卒業写真の面影が そのままだったから
  人ごみに流されて 変わってゆく私を
  あなたはときどき 遠くで叱って

2 話しかけるように 揺れる柳の下を
  通った道さえ今はもう 電車から見るだけ
  あの頃の生き方を あなたは忘れないで
  あなたは私の青春そのもの
  人ごみに流されて 変わってゆく私を
  あなたはときどき 遠くで叱って
  あなたは私の 青春そのもの

《蛇足》 昭和50年(1975)のヒット曲。何年もの間卒業歌の定番でした。現在も、小中学校や高校の卒業式などで歌われれることがあります。

 作詞・作曲者の荒井(現在は松任谷)由実が独特の発声で歌ったほか、「ハイファイセット」の山本潤子が澄んだ声で歌いました。

 山本(旧姓:新居)潤子は、『竹田の子守唄』や『翼をください』をヒットさせたフォークグループ「赤い鳥」の創立メンバーのひとり。「赤い鳥」の解散後、メンバーのうち、後藤悦治郎と平山泰代は結婚して夫婦デュオ「紙ふうせん」を結成し、『冬が来る前に』などをヒットさせました。
 また、残りの新居潤子、山本俊彦、大川茂は「ハイファイセット」を創りました。新居潤子が山本俊彦と結婚して山本潤子になったわけです。

 自分は変わっても、あの人だけは青春の姿をとどめたままでいてほしい、と願ったことのある人は少なくないでしょう。
 しかし、自分が変わるなら、あの人も変わります。経年変化から免れられる者はだれもいません。時は冷厳かつ淡々と流れ続け、とどまることがありません。 

(二木紘三)

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コメント

荒井由美さんの曲の中で最もいい歌詞ですね。「卒業写真のあの人は やさしい目をしてる」。皆で一緒に撮った卒業写真で、なぜか私の隣に立った「あの人」は、この歌詞のように優しい目をしています。30数年前の写真なのに、いつまでもその時は止まったままです。遠く離れていますが元気に過ごしていますか。二木さんの解説で知ったハイファイセットと山本潤子さんの2枚のCDは、止まったままの時間を溶かすように心にしみてきます。

投稿: 静御前堂 | 2008年2月10日 (日) 10時39分

作り手に対して、思い入れはありません。
いい曲をつくる人だなぁ、という印象はありますけど。

松田聖子の歌として知られている、
「赤いスイートピー」
「渚のバルコニー」
「小麦色のマーメイド」
「Rok'n Rouge」
「時間の国のアリス」
これらの作品も松任谷由実の手によるものです。

投稿: takama | 2009年10月 1日 (木) 05時01分

この曲、中国語で中国人が歌っていますが、皆さまご存知ですか。NHK第二ラジオ「まいにち中国語」の8月号で毎週流れていました。

中国語歌詞・歌はamin。NHK紅白にも出たことがあるんですって。日本の現代の名曲の一つと捉えているんですね。中国の若者達にも受ける歌なんでしょうね。

投稿: 吟二 | 2009年10月 2日 (金) 00時04分

私は昭和41年生まれ。48歳主婦です。80歳の父にこのブログを教えてもらいました。素晴らしいブログですね。音楽もいいですが、蛇足という文章も二木先生の博学を示しています。そして何よりも皆さんのコメントが素晴らしい。私の知らないことばかりです。皆さんお勉強されてるんですね。比較的新しいユーミンの「卒業写真」私にとっては何度聞いても涙が出る曲です。特に東京で暮らしているので、「人ごみに流されて・・」という部分は自分を戒めます。アップ、ありがとうございます。

投稿: ぽん | 2015年3月27日 (金) 10時30分

 年度末の3月下旬のこの季節、駅や電車では卒業式の帰りと思われる学生さんや花束を抱えた人達を多く見かけます。そして桜の花が綻び始めました。別れと旅立ちの儀式として卒業式は人の心に強く残り、卒業をテーマにした曲も多く書かれています。4月に新学期が始まるのは世界的にも稀ですが、我が国の卒業の風景に桜の花は欠かせません。
 『卒業写真』は、学生時代の回顧という形で描かれています。学生時代というと楽しい思い出を語る人が多い筈です。では思い出は何故美しいのでしょうか。川端康成は忘れるにまかせるということが、結局最も美しく思い出すということだということを書いています。良く思い出してみると学生時代にも、つらい思い出が沢山あった筈です。でも人間の脳には、忘却という過程の中で嫌な思い出は忘れさせ、いい思い出を記憶として残す作用があるようです。

投稿: Yoshi | 2015年3月27日 (金) 13時53分

Yoshi様
川端康成の言うとおりに忘れるにまかせるようにします。おっしゃるとおりですね。
二木先生様
生意気を言うようなのですが、2番の「柳の下を~」のところの音を上げていただけるとありがたいです。私も音楽のことは何も知らないのでどう書けばいいかわからないのですが、「柳の」のところが2番だけ上がったような気がします。わがままを言って申し訳ありません。

投稿: ぽん | 2015年3月27日 (金) 14時16分

「柳の下で〜」は荒井由実と山本潤子とではメロディが違うんです。 ぽん様が仰っているのは荒井由実のバージョンですね。二木先生が演奏なさってるのは山本潤子バージョンです。
 ぽん様はお若いので由実バージョンを聴いて覚えられたのでしょうね。山本バージョンも一度お聴きになって下さい。いいですよー。

投稿: かせい | 2015年3月27日 (金) 15時07分

かせい様

ありがとうございます。
山本潤子さんという方も歌ってらっしゃるんですね。知りませんでした。失礼しました。
「ハイファイセット」は知ってはいます。
山本潤子さん、探してみますね。

投稿: ぽん | 2015年3月27日 (金) 15時21分

 山本潤子という名前は最近知りました。そして歌声も。「ハイファイセット」というグループは聞いた事がありますが、きれいな声なのですね。知りませんでした。歌声がすばらしいのに、なぜだろうかと考えてみました。おそらく、多分仕事が大変忙しい時があったのでそのころ流行ったのでは、と思います。
 でも、いまからでも遅くはないでしょう。

投稿: 今でも青春 | 2015年10月16日 (金) 20時34分

この歌の「私」は女性です。それで「あの人」「あなた」は男性だと思いがちですよね。
でも、「あの人」が同性、つまり女性という設定もあり、なんじゃないかという話。
頭が良くて、美人で、気立ても良くて、将来の目標をしっかり持っていて、自分が魅力的であることを鼻にかけたりしない「あの人」に 普通の凡人である「私」は高校の教室で
「ねえ、貴女みたいな人が幸せにならなかったら、ほんと勿体無いから、ぜったい幸せになってよ」
なんて、余計なお世話の言葉をかけていた。
「あの人」は優しく
「うん、うん」
と笑っていた。
「私も私なりに頑張るからさ」
なんて言ってた。
卒業してから10年、「私」は初めの職場に馴染めないまま、転職をしたばかり。そこも長く勤められるかとても不安。
そんな時、偶然「あの人」に遭った。
凛として歩いていた。
まるで、学生時代の友人(凡人達)の期待を裏切らないようにと背筋を伸ばしているようだった。
「私」達のことを忘れないでいてくれている、約束を果たそうとしてくれている、そんなふうに感じて「私」は嬉しかった。
でも、誠実さが眩しくて、「あの人」に近づいて声を掛けることは、とうとう出来なかった。

投稿: 西 画八 | 2017年7月17日 (月) 00時22分

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