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鯉のぼり

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


文部省唱歌

1 甍(いらか)の波と 雲の波
  重なる波の 中空(なかぞら)
  橘(たちばな)かおる 朝風に
  高く泳ぐや 鯉のぼり

2 開ける広き 其(そ)の口に
  舟をも呑(の)まん 様(さま)見えて
  ゆたかに振う 尾鰭(おひれ)には
  物に動ぜぬ 姿あり

3 百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
  忽(たちま)ち龍に なりぬべき
  わが身に似よや 男子(おのこご)
  空に躍(おど)るや 鯉のぼり

《蛇足》 この歌は大正2年(1913)に、音楽の教科書『尋常小学唱歌(五)』に掲載されました。

 明治から大正にかけて作られた文部省唱歌は、作者を明示しない方針で教科書が編纂されたため、作詞者・作曲者不明の作品がほとんどです。わかっているのは、のちの調査で判明したものだけです。
 この歌も、作詞者はわかりませんが、作曲者は、『浜千鳥』『靴が鳴る』など優れた童謡・唱歌で知られる弘田龍太郎だとされています。

 地上には、家々の瓦葺きの屋根が波のように続いており、空には雲が波打っている。その間の空を朝風に吹かれて鯉のぼりが泳いでいる――というみごとな叙景歌ですが、ことばがむずかしいためか、近年はあまり歌われなくなりました。
 鯉のぼりの歌といえば、「屋根より高い鯉のぼり……」を思い浮かべる人のほうが多いようです。

(二木紘三)

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コメント

町内の老人クラブで週一回皆で童謡・唱歌を歌っています。その元になるのが二木先生のこのページです。
同じ曲を歌っていますが、大分新鮮味が欠けてきましたので、戦前、戦後の流行歌の一部を採り上げようと考えています。
以前のように、絵がついていれば尚嬉しいですが。
ありがとうございます。

投稿: 池田 勝美 | 2008年3月30日 (日) 16時47分

ふーむ、鯉のぼりの歌・・30代の男性です。記憶に残っている小学生低学年のときを思い出す懐かしい歌がこれ、ずっと気になっていたのです。大抵の人は、"屋根より高い・・・"を思い出すのが腹立たしくやや幼稚くさく思えたもの。だが、こうして好きなほうの鯉のぼりが釈然と出ているのを発見して最高にうれしいー・・

投稿: トンブクツー | 2008年8月 4日 (月) 00時36分

鯉幟の歌に二通りありました。もう一つは屋根より高い鯉幟の歌です。歌ってみてやはり、甍の波・・・の方が歌詞もメロディーも好きです。日本列島どこに行ってもまだまだ鯉幟がその頃になると天高くはためいています。日本の原風景でしょうか。この歌と一緒に風景を残したいです。波路。

投稿: 波路 | 2008年8月 4日 (月) 21時02分

ときどきお邪魔しています。
いつも感謝しながら聴かせて頂いています。
これからもよろしくお願いします。
先生もお体にお気を付けください。

投稿: 稲塚タカ | 2009年5月 5日 (火) 20時57分

古希を過ぎてオカリナをはじめました。
季節柄、この曲を吹いてみましたが、これがなかなかの難物。
メロディパートはなんとかなったが他の2パートはお手上げ。付点8分+16分で1拍の連続でリズムの取り方が難しい。
sswでpcに歌わせようとしたが、機械も手こずっているみたい。小節におたまじゃくしがキチンと入らず、飛び出してる。
困ったもんです。
 譜面だけでは難しくこのページでメロディを
憶えてやっています。助かります。

投稿: 野夫 | 2009年5月26日 (火) 02時10分

「屋根より高い・・・」よりも、こちらのほうがずっと好きです。
父は歌が上手でした。この歌の「我が身に似よや男子と」のところが、はっきりと耳に残っています。

投稿: 川口雄二 | 2014年5月22日 (木) 08時15分

鯉のぼりが躍るのを見ると、つい、♬ヘトイロハーロイロトロイー♬と口ずさみます。戦時中の小学校でこの歌はドレミファソラシドでなく、(初めて)ハニホヘトイロハの音名で教わりました。先生の思いつきか、文部省の方針だったのかどうか、後に、軍事教育に関係があった(潜水艦乗組員が敵艦のスクリュー音を聴きわける)という話を聞いたことがありますが、果たしてどうでしょう。ともあれ、続けていれば多少音感が成長したのかも知れませんが、「鯉のぼり」だけだったためか、音痴のままです。

投稿: dorule | 2017年5月 4日 (木) 13時40分

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