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からたち日記

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:西沢 爽、作曲:遠藤 実、唄:島倉千代子

1 こころで好きと叫んでも
  口ではいえず ただあの人と
  小さな傘をかたむけた
  ああ あの日は雨 雨の
  小径に白い仄(ほの)かな
  からたち からたち からたちの花

   (セリフ)
   「幸せになろうね、
   あの人はいいました。
   私は小さくうなずいただけで、
   胸がいっぱいでした」

2 くちづけすらの想い出も
  のこしてくれず 去りゆく影よ
  単衣(ひとえ)の袖をかみしめた
  ああ あの夜は霧 霧の
  小径に泣いて散る散る
  からたち からたち からたちの花

   (セリフ)
   「このまま別れてしまってもいいの?
   でも、あの人はさみしそうに目をふせて、
   それから思い切るように、
   霧の中へ消えて行きました。
   さよなら初恋、
   からたちの花が散る夜でした」

3 からたちの実が実っても
  別れた人はもう帰らない
  乙女の胸の奥ふかく
  ああ 過ぎゆく風 風の
  小径にいまは遥かな
  からたち からたち からたちの花

   (セリフ)
   「いつか秋になり、からたちには、
   黄色の実がたくさん実りました。
   今日もまた、私はひとり、
   この道を歩くのです。
   きっと、あの人が帰ってきそうな、
   そんな気がして……」

《蛇足》 昭和33年(1958)のヒット曲。

 失恋の歌ですが、遠藤実のメロディは、ただ寂しいのでなく、温かみのあるのがいいですね。2番のセリフ部分ではメロディが寂しくなりますが、その終わりから元のほんわかしたトーンに戻ります。これが恋の行方にかすかな希望を感じさせる効果を生んでいます。

 からたちはミカン科の落葉低木で、生け垣によく使われます。枝に大きいトゲがあり、晩春に白い五弁花をつけます。中国原産であることから、「唐橘(からたちばな)」と呼ばれ、これが短縮されてからたちとなりました。
 漢字では「枳殻」または「枸橘」と書きます。ですから、京都・東本願寺の飛地境内地にある渉成園の別名・枳殻邸は「からたち屋敷」という意味になります。この歌とは全然関係ありませんが。

(二木紘三)

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コメント

 高校時代はラジオ作りに明け暮れしていました。当時は部品をパ-ツ屋さんで買ってきて、好きなように組み立てるのが流行っていて、学校帰りに、回り道になるのを苦にもせず、毎日のように通ったものです。
 5球ス-パ-と言うのが主流で、人に頼まれて何台作ったものか・・・・・
 当時は真空管式で、出来たばかりのラジオを心弾ませ、スイッチを入れると、真空管に灯が点りゆっくり暖まると、そこから聞こえて来る歌は、当時大流行していたからたち日記だったのを覚えています。なつかしい・・・・・

投稿: Hikoさん | 2008年7月29日 (火) 17時19分

Hikoさん 2008年7月の投稿ですね。お元気ですか。ラジオ作りが流行っていて友達との話もラジオのことばかり。この曲と共に懐かしいです。当時秋葉原は何も無く神田駅から須田町にかけて通りの両側が電気屋さん歩道にも部品を並べた露店がびっしり繋がっていました。この露店が強制的に移されたのが今の秋葉原の電気街の始まりですね。友人達と良く部品を探しに行きました。品川から神田まで自転車で途中東通工(ソニー)がありました。品川には島倉千代子さんが住んでました。小学校は一つ下です。歌の上手な姉上と街の公園のお祭りなどで唄ってくれていたのを良く憶えています。また、父上の区議会立候補でけなげに応援していました。とにかく真面目に丁寧に一生懸命歌を唄う人ですね。このデビュー曲もゆっくりと人気が出てきたように思い出があります。

投稿: 釈 浄慶 | 2010年5月28日 (金) 16時06分

 ラジオ作りですか。私の中学校時代、先生がこれに精通しておられて、見よう見まねで「12F]とか「6ZP1」という真空管をおぼえました。自分では「4球スーパー」ぐらいまでしか作れなかったと思います。
 その後、ゲルマニュウームやトランジスターの鉱石ラジオになっていきましたから。でも経費がかかることで挫折しました。
 その頃の歌がこれですね。最近、近くのコーラスグループでこの歌も話題になったようです。

投稿: 今でも青春 | 2014年7月 6日 (日) 09時28分

「すら」のつかない想い出はどんな想い出かなあと考えたことがあります。

投稿: 颱風人 | 2014年9月10日 (水) 22時56分

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