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知りたくないの

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:Howard Barnes and Don Robertson
日本語詞:なかにし礼、唄:菅原洋一

あなたの過去など 知りたくないの
済んでしまったことは
仕方ないじゃないの
あの人のことは 忘れてほしい
たとえこの私が 聞いても言わないで

あなたの愛が 真実(まこと)なら
ただそれだけで うれしいの
ああ 愛しているから
知りたくないの
早く昔の恋を 忘れてほしいの

I really don't want to know

How many arms have held you
And hated to let you go
How many, how many I wonder
But I really don't want to know

How many lips have kissed you
And set your soul aglow
How many, how many I wonder
But I really don't want to know

So always make me wonder
Always make me guess
And even if I ask you
Darling, don't confess

Just let it remain your secret
But darling, I love you so
No wonder, no wonder, I wonder
Though I really don't want to know
Though I really don't want to know

《蛇足》 1953年に発表されたカントリーワルツ。

 翌年、エディ・アーノルドの歌で大ヒットし、以後、エルヴィス・プレスリー 、ペリー・コモほか、多くの歌手がカバーしました。
 日本人には、おもにFEN(米軍将兵向けの極東放送)を通じて知られ、『たそがれのワルツ』という日本語タイトルでレコードも発売されました。

 英語の歌詞は、歌手がそれぞれにアレンジして歌っているため、いくつものヴァリエーションがありますが、上記はペリー・コモ版に拠っています。

 昭和40年(1965)、『知りたくないの』というタイトルで日本語版のレコードが発売されました。日本語詞はなかにし礼、歌ったのは菅原洋一で、ともに新進の作詞家、歌手でした。

 レコード化に当たっては、こんな話が伝わっています。
 歌詞を受け取った菅原洋一は、「あなたの過去など」の「過去」がどうしてもいやで、「歌いにくいから」と、何度もなかにしに変更を迫ったそうです。実際、それまでの歌謡曲には、そうした抽象的で固い言葉を使った歌はありませんでした。

 しかし、なかにしは「ここがこの歌詞の命だ」と突っぱね通し、結局、菅原が折れて、元の歌詞のままで吹き込みました。結果は大ヒットとなり、2人はこの1曲で、それぞれ作詞家、歌手として不動の地位を築いたのでした。

(二木紘三)

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コメント

冷や酒片手に、この曲聞きながら書いております。

少年の将来の夢に、パイロットだの医者だの教師になりたいとかありますが、私の夢は、
生涯に初恋の女性に逢うことが夢でした。

幸運にも24歳の時、共通の友人の取り持ちで夢が叶えられました。その彼女が「いい歌がある」と教えてくれたのが、「知りたくないの」でした。レコードを買い求め、繰り返し聞きました。
彼女は、正直で、お互い幼馴染の気安さからか、彼女の人生の不幸とか恋愛歴とか、隠さず話してくれました。
若気の傲慢から彼女とは私のほうから離れてしまいました。恋には、相手のことを知りすぎるのは好くないことのように思えます。
私は、細君の過去など知りません。知りたくもありません。聞いて欲しい様子ですが・・・。

投稿: 時代オクレ | 2008年6月27日 (金) 02時44分

 テレビ出演中の菅原洋一から直接聞いた言葉で、中西礼の作詞であるこの詩の、「カコナド」というところが、どうしても歌えなくて(表現しにくくて)、苦労したと、あの小さな泣きそう目で語っていたのが印象的です。
 私個人も菅原ファンです・・・「知りたくないの」、いい歌です。 happy01

投稿: Hikoさん | 2008年7月31日 (木) 16時16分

私が20代の頃、タンゴ歌手藤沢嵐子さんが私の田舎に公演に来ましたがそのとき前歌を歌ったのが若き日の菅原洋一さんでした。まだ無名で学生服を着ていましたが、タンゴを歌う声は素晴しく、私には主演の藤沢嵐子さんよりはりかに魅力的に思えました。
まだスマートで若々しく素敵な菅原洋一さんでした^^

投稿: おキヨ | 2009年2月 1日 (日) 02時00分

昨年の10月9日、なかにし礼氏の講演を聴く機会がありました。二木先生が《蛇足》で、ご紹介されておられる通りの内容でした。 私にとって、なかにし礼氏の苦学された環境で培われた語彙の数や、情況の論理に沿って的確に表現される言語は、魅力的です。       “うた物語”では、石原裕次郎さんの“うた”も採り上げて頂いていますが、なかにし礼氏は新婚旅行で「裕ちゃん」と初めて出会われたようです。      “うた物語”ファンの方からの、秘話を楽しみにしています。

投稿: 夏橙 | 2010年5月10日 (月) 19時42分

 2008年投稿の時代オクレさんに触発されて

あなたの過去など知りたくないの
大人の女ですね。とても良い判断です。ゆきずりの恋なら問題はなし。しかし二人一緒に暮らすとなったら 話はちがってくるでしょうね。人間は封印してあるものほど知りたくなるものです。浦島太郎だってあれほど止められた玉手箱を開けてしまったんですから。私の近所でも夫の着信履歴を妻がこっそり見てしまって 大喧嘩になった話をよく聞きます。ですから、夫の昔の恋を根掘り葉掘り 聞くんではないでしょうか。

 あなたのことなどどうでもいいの
結婚して20年もたつと(期間に個人差があります)子育てなど一段落するとこうなります。ここでやきもちでも焼けば夫婦関係は多少リフレッシュするかもしれないが、まず無理でしょう。

 あなたの顔などみたくはないの
ある新聞のアンケートによると「定年後だれと旅行にいきたいですか」の質問に男の約80%は 妻と行きたいと答え、妻はほとんど女友達と行きたいと答え、夫と行きたいは 約30%だった。裏切り者は明智光秀だけじゃなかった という暗澹たる気持ちとともに「同床異夢」の四字が目の前にちらつきました。

 あなたの墓など行きたくないの
勝海舟の奥さんが死んだ時、絶対 夫と同じ墓にいれないでほしいと言ったとか、なにかの本で読んだことがあります。そこまでいかなくても二人ともマイペースでやってきたら 足しげくの墓参りなど期待できない。先手を打って「千の風になっているから来なくていいよ」というのもいいですね。


投稿: 秋山 小兵衛 | 2012年10月25日 (木) 01時06分

秋山小兵衛様へ

秋山様が引用されている勝海舟の話は勝部真長「勝海舟」で、私も読んだことがあります。勝海舟にはたくさんの妾がいて、しかも同じ屋敷にくらしていましたから、さすが賢夫人といわれた民子も葬られるときは自分の息子の小鹿の傍がよいと言ったそうですが、勝家の跡をついだ精の一存でこの遺言は聞きいられず、勝海舟のとなりに葬られたそうです(↓)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E6%B5%B7%E8%88%9F
原曲の「知りたくないの」に戻りますが、この曲も二木先生も書いておられるようにペリーコモをはじめたくさんの男性歌手によって歌われていますが、菅原洋一のように女になって歌っていませんね!テネシーワルツもそうですが、原曲は男性歌手の曲だったのが女性歌手のパティページによって歌われるときは女性用に歌詞が変えられています。男が女になって歌ったり、女が男になって歌うというのは日本独特の気がしますが、歌舞伎あるいは宝塚の伝統なのでしょうか?

投稿: KeiichiKoda | 2012年10月25日 (木) 08時40分

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