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小さな喫茶店

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:E・ノイバッハ、作曲:F・レイモンド、日本語詞:青木 爽

それは去年のことだった
星のきれいな宵だった
二人で歩いた思い出の小径だよ
なつかしいあの
過ぎた日のことが浮かぶよ
この道を歩くとき
なにかしら悩ましくなる
春先の宵だったが

(*)小さな喫茶店に
    入ったときも二人は
    お茶とお菓子を前にして
    ひとこともしゃべらぬ
    そばでラジオが甘い歌を
    やさしく歌ってたが
    二人はただ黙って
    向き合っていたっけね

     (間奏)

  (* 繰り返す)

In Einer Kleinen Konditorei

In einer kleinen Konditorei,
Da saßen wir zwei,
Bei Kuchen und Tee.

Wir sprachen beide kein einzig Wort,
Doch wußten sofort,
Daß wir uns versteh'n.

Und das elektrische Klavier
Das klimpert leise,
Eine Weise von "dir und mir im Glück".

In einer kleinen Konditorei,
Da saßen wir zwei,
Bei Kuchen und Tee.

《蛇足》 コンチネンタルタンゴの名曲の1つ。この曲のロングヒットの影響か、"Die kleine Konditorei"という名の喫茶店・洋菓子店が、ドイツやオーストリアには何軒もあるようです(写真)

 作曲者のフレッド・レイモンド(本名はRaimund Friedrich Vesely)は1900年4月20日、ウィーン生まれ。のちにベルリン移住。独学で作曲を学び、銀行員などをしながら、数多くのオペレッタや軽音楽を発表しました。
 この曲が日本に紹介されたのは、昭和9年
(1934)のことです。
 原詞の意味は次のとおり。

 「小さな喫茶店で、ぼくら二人はお菓子とお茶をそばにして座っていた。ぼくらはひとこともしゃべらなかったが、理解しあっていることがすぐにわかった。電気ピアノが『二人は幸せ』という歌をかすかに奏でている。小さな喫茶店で、ぼくら二人はお菓子とお茶をそばにして座っていた」で、日本語詞の繰り返しの部分に、ほぼそのまま生かされています。

 戦前から昭和40年代あたりまで、喫茶店は若い男女のデート場所の定番でした。喫茶店で語り合うか、『或る雨の午後』のようにひたすら街を歩く、といった素朴なデートが一般的だったのです。
 その後、高度成長が進んで人々が豊かになってくると、デート場所は、テーマパークかカラオケボックス、ファッショナブルな再開発地域、グルメ本やデートマニュアル本に載っているレストランというように、変わってきました。

 最近は、たまに盛り場の喫茶店に入ってみると、商談中らしいビジネスマンとか、オバサンたちのグループ、定年退職者らしいオジサンといった客が多く、デート中らしい若い男女はあまり見受けなくなりました。デート場所だけでなく、デートのかたちも変わってきたのでしょう。

(二木紘三)

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コメント

タンゴでは 青空
が 思い出されます。
 アルフレッドハウゼ ?

投稿: 二宮 博 | 2007年9月10日 (月) 21時06分

当年85才、老化防止にPC.でインターネット等を楽しんでいます。古い歌や唄が好きで聞きたいと思って検索しました。

投稿: 山本 潔 | 2007年9月12日 (水) 09時55分

私の大好きなこの歌、二木先生のお蔭で始めてドイツ語の歌だった
ことを知りました。今は亡き主人と過ごした55年前、結婚前の
喫茶店での姿は、まだこの雰囲気を残していた時代だったかも
知れません。一杯のコーヒーが50円でした。

こんなに懐かしメロディーを聴くことが出来ること、本当に感謝
しております。パソコンの隣りで、主人の写真も一緒に聴いて
いることでしょう。有難うございます。

投稿: れいこ | 2008年3月17日 (月) 08時52分

戦後作曲家に転じた中野忠晴(1970年没)のヒット曲ですが、近年ではボニー・ジャックスが、鮮やかなハーモニーで
この名曲をカバーしていますね。

投稿: 若輩 | 2008年5月30日 (金) 22時11分

この曲が日本に入ってきたのが昭和9年とは驚きですが、今でも明るく爽やかに歌える曲ですね。
小生も喫茶店が大好きで、学生時代からもう50年近く通っています。以前はデートの場所として最適だったでしょうが、今はずいぶん雰囲気が変わってしまったようです。
それでも往時を偲ばせる店が2~3軒あるので、家に居ずらくなると(古女房とは大昔、よくデートしていたのに)独りで“憩い”を求めて出かけます。解説にある「定年退職者らしいオジサン」という風情ですね。
当サイトには「喫茶店の片隅で」「学生街の喫茶店」といった懐かしい歌もあり、それらと合わせてこの曲を楽しんでいます。

投稿: 矢嶋武弘 | 2008年5月31日 (土) 15時00分

明るくて爽やかな曲ですねぇ。
喫茶店が事のほか好きな方っていらっしゃいますよね。
うちの家族…母と夫がそうです。
母と来たら…矢嶋さんのコメントに書いてある
”学生街の喫茶店”が大好きな歌の一つです。
米子の女学校に通っていたハイカラ女学生だった
所為でしょうか?
何か喫茶店に思い出があるのでしょうねぇ。

投稿: sunday | 2008年6月30日 (月) 05時44分

1980年、転勤した札幌の街にKonditoreiの看板の
菓子店「千秋庵」がありました。いやあ小さな喫茶店のKonditoreiではないかと、珈琲飲んで話を聞きました。社長さんがオーストリアの名誉領事をやっているとかで、ドイツ語の看板伊達ならず、と思ったこと、今も思い出します。
大東京よりもインターナショナルではないか、と感じたことも併せて。

投稿: 大坂一義 | 2008年8月11日 (月) 19時57分

はじめまして。

小さな喫茶店はNHKのラジオドイツ語講座で聴いてから気に入っております。働くようになってから忙しくて受講できておりませんが、いつか全部ドイツ語で歌ってみたいものです。

投稿: 海野 防人 | 2009年1月13日 (火) 21時52分

若いころから何回か聞いたことがあります。歌詞やメロディが心に残っておりました。このサイトを知りこの歌を見つけ何度も繰り返し聴いております。前半はかなり難しいですが、後半の歯切れのよいタンゴのリズムが好きです。

投稿: 吉松英治 | 2009年12月14日 (月) 18時04分

ハーモニカをやっています。今、ハーモニカ界の巨匠佐藤秀廊氏がアレンジされたこの曲を練習しています。11月の発表会で独奏する予定です。軽快なメロディーで昔から好きだった曲ですが、タンゴのリズムをベースで叩くのに苦労しています。

投稿: solong | 2012年6月27日 (水) 21時24分

cakecafe家の前の公園の向かいに、Cafeが、オーブンしました。若いオーナー女性のご主人はオランダ人。ご主人手作りのオランダのケーキが日替わり。BGMは、何故か、カーペンターズでした。主人と二人で、公園を借景に cafe幸せなティータイムshineいつか、ひとりになる日が来る。思い出せる音楽が有ると、幸せがよみがえるのでしょうね。notes

投稿: taka-shiz | 2014年9月 3日 (水) 23時08分

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