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庭の千草

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


アイルランド民謡、日本語詞:里見 義

1 庭の千草も 虫の音も
  枯れて淋しく なりにけり
  ああ 白菊 ああ 白菊
  ひとりおくれて 咲きにけり

2 露にたわむや 菊の花
  霜におごるや 菊の花
  ああ あわれあわれ ああ 白菊
  人の操(みさお)も かくてこそ

'Tis the Last Rose of Summer

'Tis the last rose of summer,
Left blooming all alone,
All her lovely companions
Are faded and gone.
No flower of her kindred,
No rose bud is nigh,
To reflect back her blushes,
Or give sigh for sigh.

I'll not leave thee, thou lone one,
To pine on the stem;
Since the lovely are sleeping,
Go sleep thou with them;
'Thus kindly I scatter
Thy leaves o'er the bed
Where thy mates of the garden
Lie scentless and dead.

So soon may I follow
When friendships decay,
And from love's shining circle
The gems drop away!
When true hearts lie withered
And fond ones are flown
Oh! who would inhabit
This bleak world alone?

《蛇足》  明治期には、小中学生の音楽教材とするために、ドイツやイギリス、アメリカなどの歌が数多く移入されましたが、これはアイルランドの民謡を取り入れたものです。

 原曲は"'Tis the last rose of summer"ですが、タイトルとしては頭の'Tis
(=It is)を省いて“The last rose of summer”と呼ばれるのが普通です。
 明治17年
(1884)3月29日発行の『小学唱歌集(三)』に『菊』という題で掲載されました。『庭の千草』というタイトルになった経緯はわかりません。

 原曲の歌詞はアイルランドの詩人トーマス・ムーア(1779-1852)が1805年、アイルランドのキルケニー郡ジェンキンズタウン公園を訪れた際に作ったものと伝えられています。
 ムーアは、 "The Groves of Blarney" の旋律に合わせて詩を書き、1807年発行のムーアの詩集『アイリッシュ・メロディーズ』に掲載されました。ピアノ伴奏付きの楽譜を出版
(1813)した際にサー・ジョン・スティーヴンソン(1761-1833)が旋律に手を加えて歌曲風に編曲しました。

 この曲は、アイルランドやイギリスではほとんど忘れられていましたが、1999年にソプラノ歌手シャーロット・M・チャーチが吹き込んだCDにより、再び陽の目を見ることとなりました。

(二木紘三)

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コメント

いつも すみません
 おしん で 歌われました
アイルランドの 歌と
 は しってましたが

スコットランドと ともに ケルト人の国ですね。

有難うございます。

投稿: 二宮 博 | 2008年2月25日 (月) 23時28分

少し前にラムゼイパイプバンドの演奏を聞きましたが、北欧のかたがたではなかったかと思いまして。。。この曲があの楽器で演奏されたら非常に良いのではないかと思いました。

投稿: sunday | 2008年3月14日 (金) 07時48分

 いつもこのサイトで安らぎをいただいています。
本当に有り難うございます。
 この曲には、子供の頃からずっと疑問に思っていたことがあります。
タイトルが「千草」であることでがわからなくって、「白菊」がヒロインのように思えるのですが。
福井県 岡崎朋子

投稿: 岡崎朋子 | 2009年2月21日 (土) 09時18分

岡崎朋子様
私もそう思います。どうしてタイトルを「庭の白菊」としなかったんでしょうね。

投稿: tekona | 2009年2月22日 (日) 00時39分

岡崎様 tekona様
私も「庭の千草」が堪らなく好きな一人です。
だいぶ前に、何処かで読んだのですが思い出せません。
「明治初期の日本では、バラの花は殆ど馴染みが無く、知られていませんでした。よって訳者里見 義氏は敢えて親しみのある「菊」の花を用いた」と書いてありました。
本来なら「薔薇」とするべきところを白菊に。
勝手な解釈ですが~その辺りを暈す為に「千草」を用いたのではないでしょうか? すみません偉そうに。
しかしこの曲は好きで「シャーロット・M・チャーチ」他数枚のCDを購入しました。CDは持っていませんが歌手としては「サザーランド」の歌が自分では好きです。

投稿: さぶ | 2009年5月10日 (日) 18時55分

二木様
いつも楽しくお邪魔させていただいて居ります。ありがとう御座います。

岡崎様 tekona様
追伸
「サザーランド」は「Joan Sutherland 」です。
10数年前NHKで観て聴いた「佐藤しのぶ」さんの「庭の千草」~も良かったです。

投稿: さぶ | 2009年5月10日 (日) 19時51分

前略「庭の千草」を何度も聞きました。本日音声が出なくなりました。①青い文字の「Flash Player」をクリックしました。②黄色の『今すぐインストール」をクリックしました。③『こちらをクリック」返事「アクセスの許可が無い可能性があります。」と出ました。再起動も試みましたが音声は復活しませんでした。あとどのようにすれば、音声が復活するかご教示ください。敬具

投稿: 岡﨑和夫 | 2009年8月26日 (水) 17時14分

岡﨑和夫様
次の手順でFlash Playerをインストールしてみてください。
(1)スピーカーアイコンの横の「Flash Player」へのリンクをクリック。
(2)開いたページで黄色い「今すぐインストール」をクリック。
(3)ブラウズ画面に最上部に「このWebサイトは、'Adobe Systems Incorporated'・・・・・・・ここをクリックしてください」というメッセージ出るので、その帯をクリック。
(4)すると、その帯と重なるように「このコンピューター上のすべてのユーザーにこのアドオンをインストールする」というメッセージが出るので、それをクリック。

あとはメッセージに従ってインストールしてください。

それでもなお「アクセスの許可が無い可能性があります」というメッセージが出る場合は、お使いのパソコンに管理者としてログオンしていない可能性があります。一度ログオフしてから、管理者としてログオンしてください。ここの記述はわかりにくいと思いますが、もう1度連絡くださればメールで説明します。その際、お使いのパソコンのOSをお知らせください。(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2009年8月26日 (水) 18時18分

ありがとうございました。無事に音声が復活しました。

投稿: 岡﨑和夫 | 2009年8月26日 (水) 22時22分

MP3の語彙を知っていても、いったい何か、使ったこともなく良く存じておりません。細部を変更され最もふさわしく見事に演奏され…心がうずきます。歌詞のない素晴らしい場合だと思います。

高校生の時、クラス合唱でうたったような気がします。指揮をした友人はヴァイオリンを修め法曹界に出た秀才でした。事故で亡くなり、才能を惜しみつつ、悲しくてなりませんでした。

千の草はさまざまな雑草の意と思います。それよりも白菊が素晴らしい、人の操もかくてこそ、と作詞した里美は自分の唱歌を作ったのですね。庭の千草は主題でなくて、出だしの文句にすぎない。メロディーの素晴らしさに比べ、日本語詩は教育用に作られたのが明らかだと思われます。

なぜならモーアの原詩は名残ゆくバラの朽ち果てる悲しい宿命がいわばテーマですから。アイルの物語とメロディーは和して美しい二重奏だと思えてなりません。元歌をアイルの歌手が繊細に歌い上げると、いっそう心にしみてきます。

友人が逝った時の気持ちに等しい。土壌で朽ち果てる夏のバラへの詠嘆…、その教会のオルガン風な演奏を有難うございます。

投稿: TangoMinato | 2012年1月 9日 (月) 10時48分

いつ覚えたのか…「庭の千草」は小学生の時から知っていて、よく歌ったような気がします。

河野一郎著 岩波ジュニア新書「英語の詩」が本棚にあり、原詩と日本語訳が一聯だけ載っていましたので写しました。

《夏の名残りのバラ》

ただ一輪,花開いた

夏の名残りのバラよ

美しい仲間たちはすでにみな

色あせ消え去った

その恥じろう頬の赤らみに応え

嘆きの吐息を分かつ

身寄りの花もなく

バラの蕾一つとしていまはない

投稿: 眠り草 | 2012年9月 5日 (水) 08時20分

「庭の千草」は、「ちいさい秋みつけた」や「虫の声」などとともに、今頃の季節になると私達日本人が必ず思い出す歌で、もうすっかり日本の歌になっていると思います。

「庭の千草」でもう一つ忘れられないのは、イギリスのリッチモンド付近を舞台にしたフロトー作曲のオペラ「マルタ」ですが、このオペラの中で、王女マルタと農夫ライオネルとの間に生まれた恋の行方を象徴するようにこの曲が使われていて、何故かこの時期になると自分がライオネルになった気分で必ず思い出してしまいます。
 あぁ、あの歌声!マルタ!君は何処に。

投稿: たしろ | 2012年9月 5日 (水) 18時27分

歌詞の「ひとりおくれて」は「遅れて」ではなく、本来は「後れて」と書くべきもの。「後る」とは、愛する者に先立たれて、死に後れることを意味しています。年の最後まで咲いているということから、「遅れて」と理解してしまうのも無理もないのですが、日本の古典文学を一通り知っていた明治時代の人ならば、「後れて」であることは、いちいち説明しなくとも誰もが知っていたことなのです。「霜におごる」は「霜に傲る」と書き、凶暴なものにも負けずに毅然としていることを意味する言葉です。愛する伴侶を失った白菊は、悲しみの涙、つまり露にうなだれます。しかし人生の苦難である霜には毅然として立ち向かい、決して負けることはありません。そして愛してくれた伴侶に対する操を守り通すのです。つまりこの歌は本当は、愛する伴侶を失った人を励ます歌なのです。もちろん、表向きは、初冬まで健気に咲き残る白菊を歌ったものであることは間違いありません。明治17年に小学唱歌となっていますから、小学生には表の意味しか理解できないことは当然のことです。しかし年配者は、この歌に込められた本当の意味を是非理解していただきたいのです。作詞者の深い意図は、原詩の「夏の最後の薔薇」と比べればすぐにわかるところ。バラの花に寄せて、人生を歌っていることは明かです。

投稿: あべいずみ | 2013年12月 5日 (木) 19時51分

今、この歌を覚えようと毎日練習しています。

youtubeでこの歌を歌われている方を見ますと
関屋敏子さまの歌声がとても好きです。

とても、独特の節回しがあり素晴らしいです。

歌詞の内容を知りたくてこちらのHPへ訪れました。
投稿の方がご存じでしたので勉強になりました。

素敵な歌を掲載されてくださってありがとうございました。

投稿: 阿部裕子 | 2014年3月30日 (日) 09時40分

 私が小学生の時、メロディーを聞いて、この歌の題は何か、という問題が出されました。私は、どうしても思い出せず、出だしを知っていたので「庭の千草」と回答しました。その結果は×。正解は「菊」でした。確かに、教科書にはそのようになっていました。悔しかったです。
 ところが、いつの間にかこの歌の題が「菊」から「庭の千草」に名前が変わって、おいおいそれはないだろう、という思いです。

投稿: みかん | 2014年3月30日 (日) 21時07分

こちらに集う諸兄姉ゆかしき言葉を伺うと、好い加減に流れ流された我が70年近くが朽ちつつ残る薔薇に思えなくもありません。この旋律を指揮し、若くして冥界へ発った友はトーマス・モーア詩を深く知っていたんだ、と今になって理解できました。彼の三十路半ばの人生が`流され古希‘より充足していたような気がフットする。

棘たつ美しい薔薇はしばしばキリスト教的修辞として、人(の生)に用いられる。薔薇が日本唱歌作詞だと、菊に姿を変える。異なる文化へのメタフォーなのか…。蛇足なれども、モーア後半期、バラ属の日本特産種ハマナスが中央欧州に植栽普及しつつあったようです。現代、チリメン状葉のバラ植込みやバラ果実茶はおおむねハマナス由来ですね。

この「庭の千草」頁は新しいシンセサイザー的デザインでなく、従来通りですが、視聴できます。ほか全ての旧仕様メロディーも音が復活したと思われます。鮮やか手品のようで、有難く存じます。

投稿: minatoya | 2014年3月31日 (月) 08時55分

みかんさん、
私は「庭の千草」として習いました。


http://bunbun.boo.jp/
おけらmidi なーの へ行って見てください。
曲名は違っても歌詞は同じですね。
異名同曲も沢山あります。

投稿: なち | 2014年4月 1日 (火) 13時42分

「庭の千草」のメロディは本当に心に沁みる大好きなメロディの一つです。けれども、歌詞についてはいつも物足りなさを感じていました。「ひとりおくれて咲きにけり」ただおくれて咲いた花の情景とその健気さを歌っているだけ。本当に素敵なメロディであるのに、歌詞がいまひとつ。誰かもっとこのメロディにふさわしい詩をつくってくれないものか、といつも思っていました。
けれども、あべいずみ様の投稿を読んで、そんな深い意味があることを初めて知りました。「後れて」の意味や、「霜におごれる」の意味など、そんな意味が隠されていることを知りませんでした。この歌には、そんな深い思いが込められているとは! 「別の歌詞を」などと不謹慎なことを思ったことを悔い改めます。これからは作詞者の心を思いながら、心を込めて歌いたいと思います。あべいずみ様、本当にありがとうございました。

投稿: 上原 | 2015年10月14日 (水) 21時59分

ピアノを弾く者です
不覚にも帯状疱疹がでてしまい 右半身びりびりぞわぞわ 虫が這ってるようないやな感覚に 困っていました
メンデルスゾーンの無言歌集のなかの一曲 エレジー を リピートで繰り返し聴いているうちに ふと 庭の千草 の 歌詞をあてたら・・・と 思いつき・・・

ピアノを弾きながら歌いながら
やっていったら
なんとぴったし
曲の展開も 収束も
ひとつひとつのフレーズも
驚くほどぴったりあうのです

ああ
だれかにうたってほしい

原曲の素朴なかんじとは
まったくちがい
ドラマチックな ドイツ歌曲になりましたが

これはこれ すばらしく
うたってもうたっても 感動にふるえてしまいます

帯状疱疹のびりびりぞわぞわが
素晴らしい演奏をきいたりして
ぞぞぞぞぞ・・・っとするかんじに
似てなくもなく
いつのまにか
うたいながら感動してるぞぞぞぞっていう高揚感と
一緒になってしまい
不快なものでなく
むしろ 初恋のときめき あこがれ 期待感
みたいな感覚に なりかわってしまいました

笑ってしまいますが

不快どころか 
なかなか いいものです笑

投稿: 浅田怜子 | 2016年3月16日 (水) 11時50分

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