絶唱
(mp3制作:二木紘三)
1 愛(いと)おしい 山鳩は 2 結ばれて 引き裂かれ |
3 山番の 山小舎に ムムムムムム…… |
《蛇足》 昭和41年(1966)公開の日活映画『絶唱』(西河克己監督)の主題歌。
原作は鳥取県出身の作家・大江憲次の同名の小説。主演は舟木一夫と和泉雅子で、主題歌ともどもヒットしました。粗筋は次のとおり。
山陰一の山林地主園田家の1人息子・順吉(舟木一夫)は、山番の娘・小雪(和泉雅子)と愛しあうようになる。順吉の父・惣兵衛は、順吉を町の実業家の令嬢と結婚させるため、小雪を他国へ追いやってしまう。
順吉はそのあとを追い、宍道湖(しんじこ)のほとりに部屋を借りて所帯をもつ。順吉が勘当されたため、2人は肉体労働で生活費を稼がなければならなかったが、幸せだった。
だが、それも束の間、順吉に赤紙(召集令状)が来たため、2人は別れなければならなくなった。順吉の壮行会の日、2人は毎日決めた時間にそれぞれが木挽き唄を歌おうと約束した。惣兵衛は、順吉の仲間の1人に因果を含めて、「自分が無事帰還したときには、小雪と別れるつもりだ」という手紙が来たと、小雪に嘘を伝えさせた。その悲しみと毎日の過酷な労働のために、小雪は病魔に侵されて倒れてしまう。
小雪の両親は、雇い主に遠慮して、娘に会わないでいた。しかし、惣兵衛が急死したため、急いで小雪のもとに駆けつけたが、そのときはすでに遅く、小雪は「あの人の足音が聞える……ああ、山へ帰りたい……」とつぶやいて死んでしまった。順吉が復員してきたのは、ちょうどその日だった。順吉は慟哭し、葬る前にせめて山に帰って結婚式をしてやりたいと、小雪を抱いて帰った。
村人たちは、2人を嫁入り唄で迎え、式が終わると、順吉は小雪を抱いたまま、木挽き唄を歌うのだった……。
この映画は、実は、昭和33年(1958)に作られた同名の日活作品のリメイクです。オリジナル版(滝沢英輔監督)では、小林旭と浅丘ルリ子が主演を務めました。
薄幸の女性が似合う浅丘ルリ子はともかく、アクションスターのイメージが強い小林旭が、この哀切きわまりない悲恋映画で主演したと聞くと、違和感を感じる人がいるかもしれません。
しかし、この映画に出たとき、彼はまだ19歳の初々しい青年で、マイトガイというまったく異なるキャラクターに大変身するのは、翌年以降のことです。
また、昭和50年(1975)には、2回目と同じ西河克己監督により、再度映画化されました。このときの主演は、三浦友和と山口百恵でした。
(二木紘三)
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訪問者の感想等

コメント
私はこの映画のモデルになった地方に住んでいました。
近辺ではモデルは"近藤家”ではないかと噂がありました。
舟木さんの時には本当に上辺のロマンスにライトが当てられていましたが。。。リバイバルでみた小林さんの映画では小林さんが学校の教師であったりする生活にも細かく踏み込んだ映像であったと記憶しています。
投稿 sunday | 2008年5月12日 (月) 16時48分
絶唱、この曲を耳にする度、私は締め付けられるような切なさで胸がいっぱいになります。中学生の時に見た映画もしっかりと記憶に残っていますが、この曲が流行った年に5歳の妹が交通事故で他界したのです。玄関で妹の亡骸を抱いたまま、泣き崩れていた母の姿がよみがえり、今なお目頭が熱くなってきます。久しぶりにこの曲を聴き、薄幸の小雪と妹がだぶり、そして、今ではすっかり年老いた母に思いを寄せ、ひとり涙を流しております。
投稿 よしみ | 2008年5月14日 (水) 18時12分
私は小林旭と舟木一夫両方を観ましたが、違和感は有りませんでした。この映画は粗筋にあるように復員してくる順吉の
軍靴の靴音がだんだん大きくなる所が魅力的でした。それに
合わせて小雪の命が消えて行きました。
投稿 M.U | 2008年5月21日 (水) 07時03分
このページをある方のブログで知りました。
検索の仕方が上手でないので、恐る恐る
こちらへたどりついたかんじです。
私は、長い闘病生活と、愛するものに次々急死され、うつ病になり、現在に至っています。
歌が流行っていたのは知っていましたが、映画を観られる生活ではありませんでした。
曲さえ忘れていたのです。
ここで、物語の概要を読んでタイトルと、誰が歌っていたのか思い出しました。
聞いていくうち涙が流れてきました。
そして、愛するもの娘・姉・母と、の毎日の思い出がこみ上げてきて、曲とともに、涙いっぱいになりながら、出ない声で(声帯ポリープがあるので)歌って見ました。
わたしの悲しみの中に慰めを感じさせる曲に、映画の情景が重なり、また胸いっぱいになっています。
投稿 nikonikobow | 2008年5月23日 (金) 14時57分
20歳過ぎ、愛する人と見ました。
二人とも涙、涙、涙・・・・だったことをはっきり記憶しています。
もちろん、今でもこのメロディを聞くと当時を思い出します。
涙の中で二人は現実の幸せを神様に感謝しました。
そして、二人は1年後結婚しました。
今では、お互いに不服ばっかり言いながら毎日一緒に生きています。
貧しい生活だけどあれからずっーと幸せです。
投稿 toshi | 2008年6月 3日 (火) 21時47分
この映画を横浜でその当時付き合っていた女性と見ました。混んでいて立ち見でしたが手を握っていたか思い出せません。その後その人とは別れましたが絶唱を聞くと懐かしく思いだします。男はいつまでも昔を引きずるようですね!未練たらしく。それにしても和泉さんもずいぶん変わりましたね。昔の女性には会わないほうがいいのかもね!
投稿 nagao | 2008年6月 5日 (木) 20時23分