星の界(よ)
(mp3制作:二木紘三)
1 月なきみ空に きらめく光 2 雲なきみ空に 横とう光 いつくしみ深き友なるイエスは 1 いつくしみ深き 友なるイエスは 2 いつくしみ深き 友なるイエスは 3 いつくしみ深き 友なるイエスは |
What a friend we have in Jesus 1. What a friend we have in Jesus, 2. Have we trials and temptations? 3. Are we weak and heavy laden, |
《蛇足》 詩はアイルランド生まれのカナダ人、ジョセフ・M・スクリーヴェン(1820~1886)によって1855年に書かれました。スクリーヴェンは大学を卒業後、1846年にカナダに渡りましたが、故国に残してきた母を慰めるためにこの詩を作ったといわれます。
結婚式前夜に婚約者を事故で失うという悲運に見舞われた彼は、その後未婚のまま、キリストへの信仰に生きる生涯を送りました。
曲は、アメリカ人のチャールズ・C・コンヴァース(1834~1918)によって、1868年に作曲されました。
ただし、スクリーヴェンの詩に合わせて作曲されたわけではありません。彼の故郷ペンシルヴェニア州のエリーという町にちなんで作曲された器楽曲で、原題も『エリー』といいました。
これをスクリーヴェンの詩に合うように編曲したのは、ウィリアム・ボルコムという音楽家です。
この曲は各国でさまざまな歌詞がつけられ、今日に至っても非常に多くの人びとに愛唱されています。
わが国では、杉谷代水(すぎたに・だいすい)が宇宙の雄大さをテーマとした『星の界(よ)』という歌詞をつけました。この詞は明治43(1910)年発行の『教科統合中学音楽(2)』に掲載されました。
むずかしい歌詞ですが、戦前に教育を受けた人びとには大変懐かしい曲のようです。
2番の「いざ棹させよや」は「流れに棹さす」という慣用句から採ったスレーズ。この慣用句は「他山の石」などとともに誤用されることで有名です。
「時の流れに乗ってさらに勢いを増す」というのが本来の意味ですが、文化庁の調査によると、現代では「時の流れに逆らう」という正反対の意味に取っている人が多数派を占めているそうです。
有名なのは、このメロディが讃美歌312番「いつくしみ深き友なるイエスは……」に使われていること。現代では『星の界』は知らなくても、この讃美歌は知っているという人が大多数です。
私は親戚にクリスチャンがいるため、その家の冠婚葬祭の折に何度かこの讃美歌を歌う機会がありました。宗教心皆無の私ですが、この讃美歌を歌っている間は、なにかいい人になれそうな気持ちになりました。そういう気持ちになっただけでしたが。
(二木紘三)
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訪問者の感想等


コメント
二木さん 有難うございます。
クリスチャンでもありませんが この讃美歌 メロディがとても きれいで 好きです。
家内が結婚前 キリスト系の幼稚園に勤務しており時々 口ずさんでいましたので覚えたのです。
年配のメル友さんに この曲添付して送信したら
懐かしいと とても喜んでくれました。
とても 清々しい気持になります。
投稿: (青果) 川本 | 2008年12月 6日 (土) 20時52分
昭和21年生まれですが、この曲は小学高学年か中1に習った記憶があります。
タイトルは思い出せないのですが「澄み行く美空に夕日は落ちて--------ねぐらを指し行く名しらぬ鳥のその音もあわれや秋の訪れ」といった歌詞で、良いメロディーですね。
学校のブラスバンドがマーチに編曲して盛んに演奏しておりました。
投稿: 山ちゃん | 2008年12月 7日 (日) 21時27分
これほど多くの歌詞が付けられた曲は無いのではないでしょうか。
私(67歳)が中学時代に習ったのは、タイトルは忘れましたが(どなたか覚えていたら教えて下さい)、古い都を偲んだ歌詞でした。「近江の湖に栄えし都の・・・麗し人びと裳裾を引きて 月見に集いし姿ぞゆかし」といったものでした。
ですから後に、アメリカ映画で讃美歌で歌われていたのを聞いた時も驚いたし、まだ若い(?)のでこの歌詞を初めて知った次第です。『冬の星座』を連想しますね。
清らかな名曲は様ざまに歌われていることを思い知りました。
投稿: 矢嶋武弘 | 2008年12月 9日 (火) 19時35分
「月付きなきみ空に」と冬の夜空を見上げながら
公衆浴場の帰りにこの歌った頃は昭和36年頃と
記憶しています。
当時は銭湯通いが普通で、東京の夜も澄み切っていて
本当に星がきれいに輝いていました。
宇宙の広さが想像できないほど大きいと認識して
人間はなんとちっぽけなものだろうと感じ悩み
始めた頃です。
当時中学2年生の昭和22年生まれの団塊の世代の
男性です。様々な歌・唄・詩に思いをめぐらして
このうた物語を楽しんでいます。
投稿: 修さん | 2008年12月 9日 (火) 23時16分
星の界にコメントされた方
皆さんと同じように 昭和20年 上海生まれ
いわゆる引き揚げ者です。
星の界で検索してみましたが 皆様が知りたい項目は
記載されていませんでした。
と同時に 教科書に載っていた時もあったようですが
私は覚えていません。いいメロディですね。
矢嶋様 とても素晴らしいHPですね。時々覗いて
感心しています。日英両軍兵士の66年ぶりの再会
とても感動しました。工藤俊作さん 素晴らしい人
がいたのですね。
終戦前 外務省に背いてまで ユダヤ人を救った
杉原千畝さん といい 日本人の品格を上げてくれました。
待望します、政界にもこのような人が出現する事を。
投稿: (青果) 川本 | 2008年12月11日 (木) 11時00分
川本様 「星の界」と直接関係ありませんが、拙ブログを読んでいただいたことに、この場を借りて御礼申し上げます。
投稿: 矢嶋武弘 | 2008年12月11日 (木) 13時58分
二木先生いつも楽しませて頂いています、この美しい曲子供の頃よく聴きました、とっても懐かしく涙が出てきます。題名が判らなかったのですがやっとわかりました、ありがとうございました。ちなみに私も昭和20年生まれです、
投稿: 儀間 彦二郎 | 2008年12月12日 (金) 17時44分
天狼(シリウス)のクリスタルめく煌めきよ (拙句)
高2の晩秋頃、宇宙への興味が昂じて、天体望遠鏡という当時としては超高価なものを、アルバイトと育英会の特奨を貯めたお金で買いました。知識としては知っていても、土星に輪があること、肉眼では一つにしか見えないシリウスが実は連星であることなど、望遠鏡を覗いて実際に確かめた時は、大感激でした。
ところで今の冬空にひと際輝く、シリウスのお話を―。アフリカのドゴン族は、なぜか大昔から、シリウスが連星であることを知っていました。そして壁画に描かれたある絵が、シリウスAとシリウスBの長期間に亘る両星の軌道とピタッと一致することが、前世紀後半確認されました。どうしてこんなことがあり得るのでしょう?ドゴン族では、「自分たちの祖先は、悠古にかの星から飛来してきた」と言い伝えているそうですが。
最新天文学の成果で、銀河系、銀河団などでびっしり埋まった「宇宙地図」が作成され、「無窮の遠」の果ては137億光年彼方(=ビックバンの始まり)とか。しかし共に、ドゴン族とシリウスとの関わりにも、大いにロマンが掻き立てられます。
投稿: 大場光太郎 | 2008年12月12日 (金) 20時50分
二木先生の解説や、みなさまのコメントに啓発され、この年になって新たな知識を得られる幸せをいつも感謝しております。この曲も子供のころに母から教わりましたが、母に「うた物語」を見せてやったらどれだけ驚いたことでしょう・・・。
投稿: 林 一成 | 2008年12月12日 (金) 22時59分
はてどんな曲だったかと聞いてみたら、おなじみのメロディーでした^^。賛美歌の312番とか。若いころ、プロテスタント教会の聖歌隊に3年くらいいました。多分そのとき歌っていたと思います。ちなみに私は宗教心が希薄で、墓は作りましたが、墓石の横に「千の風五吉・♪と○・●」を彫りました^^。
投稿: 三瓶 | 2008年12月13日 (土) 22時01分
星の界として、また賛美歌として、子供のころ自然に身の回りにこのメロディーが流れ、いつの間にか覚えて歌っていました。「無窮の遠」などの難しい言葉も、子供なりに想像を巡らし理解しようとして・・・。私は終戦の年の生まれで、世の中は決して豊かではありませんでしたが、物質ではない美しいものをこうした歌の中に探していたような気がしています。
投稿: nobara | 2008年12月15日 (月) 23時06分
『きよしこの夜』『ああベトレヘムよ』などと共に『いつくしみ深き友なるイエスは』も、ある年のクリスマスイヴに米軍厚木基地(綾瀬市)内で歌った記憶があります。昭和40年代半ば、厚木市民コーラスに所属していた頃のことです。
会場は基地ゲートを入ってすぐくらいの建物の一階ホールでした。観客はきちんと制服を着こなした将校クラス、そしてその家族たちだったと思います。なにせ賛美歌などは初めてで…。一応練習は重ねてもお世辞にも上手とは言えない、私たち20代前半の日本人男女10数人のコーラスを、じっと聴いてくれました。最後の歌を終わると、惜しみない拍手を送ってくれました。その後30分ほど、その人たちに混じって片言のコミニュケーションをしたことを覚えています。
*
この歌、その時はあまり気にもしていませんでした。しかしその後、私の半生の中で何度かピンチに見舞われました。その度なぜか、この歌がふと思い出されました。
「罪とが憂いを 取り去りたもう」…「われらの弱さを 知りてあわれむ」…「世の友の 我を捨て去るときも」。口ずさみながら、この3ヶ所のうちのいずれかで必ずつまってしまいます。涙がどっと溢れてきて、続きを歌えなくなるのです。
こういう経験は私だけではないと思うのですが、いかがでしょうか?
投稿: 大場光太郎 | 2008年12月24日 (水) 00時34分
なつかしい歌を見つけました。ありがとうございます。
中学の音楽の先生が自編の歌集のプリントに載せていらっしゃいました。ただ誤字脱字の多い歌集で、失礼にも「星の界」はてっきり「星の世界」の脱字かと思っておりました。
ところで、この題名は末尾に(よ)が付いていますが、これは「ほしのかいよ」と読むんでしょうか、それとも「ほしのよ」と読むんでしょうか?
投稿: 九鬼 隆訓 | 2009年5月24日 (日) 17時40分
九鬼 隆訓様
このブログシステムではルビが使えないので、カッコ内に示すようにしています。歌詞や「蛇足」についても同様です。(二木紘三)
投稿: 管理人 | 2009年5月24日 (日) 18時03分
即座にご説明いただき恐縮です。
「ほしのよ」と読むんですネ。
他の部分も読めば、ルビであることが分かったでしょうに、不注意な疑問を、失礼致しました。
投稿: 九鬼 隆訓 | 2009年5月24日 (日) 21時02分
私立のキリスト系学校にしばらく勤めていましたので、このメロディには馴染みがあります。この賛美歌は祈祷の際によく歌われます。賛美歌で初めてこの曲に出会った時は、半世紀も前の音楽の授業を懐かしく思い出しました。中学の1、2年の頃だったように記憶していますが、授業時間によく騒いだり、比較的真面目に授業をうけている女生徒にいたずらをしたりして、女の先生を怒らせてしまったこと、ピアノが珍しく貴重な教具だったこと(新潟の田舎の中学校でしたから)、そのピアノの伴奏で独唱させられ、途中上がってしまって歌詞を忘れてしまったことなど、偽悪趣味に走り勝ちだった年頃の自分が、今ではいとおしく感ぜられます。‘星の界’は後に‘星の世界’として小学校の教科書に掲載されたようです。歌詞が難しので書き換えられたのでしょうね。わたしも「窮理の船」を最初は「胡瓜の舟」と誤解していましたから。アップしていただいて忘れていたタイトルも思い出しました。二木様ありがとうございました。
投稿: ひろし | 2009年5月26日 (火) 13時21分
このサイト、私が子供の頃に習った歌についての解説がされていてとっても参考になります。
私も中学生(メキシコ五輪の頃)の時に習いましたが、その時の題名は’星の世界’でした。調べてみると作詞者は川路柳虹をいう人で歌詞は以下の通りです。
’星の世界’
(1)輝く夜空の, 星の光よ~~~まばたくあまたの, 遠い世界よ~~~更け行く秋の夜, 澄み渡る空~~~望めば不思議な,星の世界よ
(2)きらめく光は, 玉か黄金か~~~宇宙の広さを,しみじみ思う~~~やさしい光に, まばたく星座~~~
望めば不思議な, 星の世界よ
1960年代後半から1970年代前半に中学生だった人達は、この歌詞でこの歌を習ったのではないでしょうか。
投稿: Kai | 2009年6月15日 (月) 16時37分