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燦(きら)めく星座

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:佐伯孝夫、作曲:佐々木俊一、唄:灰田勝彦

1 男純情の 愛の星の色
  冴えて夜空に ただ一つ
  あふれる想い
  春を呼んでは 夢見ては
  うれしく輝くよ
  思い込んだら 命がけ
  男のこころ
  燃える希望(のぞみ)だ 憧れだ
  燦めく金の星

2 なぜに流れくる 熱い涙やら
  これが若さと いうものさ
  楽しじゃないか
  強い額(ひたい)に 星の色
  うつして歌おうよ
  生きる命は 一筋に
  男のこころ
  燃える希望だ 憧れだ
  燦めく金の星

《蛇足》 南旺映画『秀子の応援団長』(千葉泰樹監督)の主題歌として作られ、昭和15年(1940)3月にレコードが発売されました。

 『秀子の応援団長』は、「デコちゃん」の愛称で親しまれた高峰秀子16歳の折の主演映画。灰田勝彦が新人投手の役で出演しているほか、スタルヒン、水原茂など、当時の巨人軍の名選手たちも、実名で出演しています。

 秀子は、いとこ・ゆき子の父親が監督を務めるアトラス軍の大ファン。しかし、エース大川投手が出征したアトラス軍は、リーグ最下位に低迷している。やきもきした秀子とゆき子は応援歌を作り、近所の子どもたちやクラスメートたちといっしょに後楽園に応援に出かける。
 その応援を受けたアトラス軍はおもしろいように勝ち始め、応援団長の秀子は勝利のマスコットとして新聞に載る。勝ち進んだアトラス軍は、やがて浪花軍との決勝戦に臨むのだった……といった明るく屈託のない映画。

 南旺映画は昭和14年(1939)に設立された国策映画会社。制作専門の会社で、配給は東宝が行いました。経営不振のため、のちに東宝に吸収合併されました

 高峰秀子は、その後、日本初の総天然色映画『カルメン故郷に帰る』(木下恵介監督)のほか、『煙突の見える場所』(五所平之助監督)、『雁』(豊田四郎監督)、『女の園』(木下恵介監督)、『二十四の瞳』(同)、『浮雲』(成瀬巳喜男監督)、『流れる』(同)、『喜びも悲しみも幾歳月』(木下恵介監督)、『無法松の一生』(稲垣浩監督)、『人間の條件ー完結編』(小林正樹監督)、『名もなく貧しく美しく』(松山善三監督)、『放浪記』(成瀬巳喜男監督)、『華岡青洲の妻』(増村保造監督)など、日本映画史に残る名画に次々と出演しました。
 出演映画が軒並み傑作という不世出の大女優です。

(二木紘三)

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コメント

 この歌はかなり前から知ってました。しかし一段と印象を強くしたのは、小津安二郎監督の名画『東京物語』でです。その中でその歌が歌われる場面がありました。笠智衆と東山千栄子演ずる老夫婦が、山村聡や杉村春子演ずる東京で暮らす息子、娘に厄介払いされるように、熱海にやってきます。その旅館の夜に、流しの者たちがこの歌を歌いながら、他の客たちはどんちゃん騒ぎ。おかげで老夫婦は、寝ようにも寝られやしない。
 老夫婦にはわるいけれども、その時の、ハイカラにアレンジされたこの歌がとても印象的でした。戦後間もない世の中の雰囲気を垣間見た感じがしました。余談ながら、『東京物語』の原節子、香川京子の美しかったこと。本来の美貌に加えて、一つ一つの振る舞いの美しさ。最近ではまず見られない楚々たる立ち居振る舞いも、深く心に残りました。
 『燦めく星座』。我が人生の応援歌の一曲。二木先生、大変ありがとうございました。 

投稿: Lemuria | 2009年3月15日 (日) 19時54分

高峰秀子、愛称でこちゃんは、5歳から映画に出て名子役とちやほやされ、ろくに小学校にも行けず、本人は学歴コンプレックスを抱えていたといわれていますね。でも、松山善三と結婚した後、エッセイストとして出す著書がみな評判が良く、知的女優のイメージが強くなりました。

学歴なんか関係ない。学びたい、進歩したいと努力する人は、やはり、そう思い実行に移すだけでも優秀な人だと思い私は尊敬しますます。5歳から台本その他でこの世の出来事を見て、考えて、演じてきたキャリアは彼女の教養を深くしていたのだろうと思います。掛け算の九九ができないとか、そういう単なる知識の有無はたいした問題じゃありませんね。

投稿: 吟二 | 2009年3月15日 (日) 21時48分

 今 ♪「燦めく星座」♪ を発見しました!!!
「カプリ島」にコメントをしたのを見て下さいましたのですね! そして詳細な《蛇足》まで! しかしこの歌の背景は年齢ののせいか田舎暮しで映画館は無かったからなのか全く知らずとても生涯学習になり、本当に有難う御座いました。
特に2番
  何故に流れくる 熱い涙やら 
  これが若さというものさ
  楽しじゃないか・・・・・
このフレーズ・・・最高にしびれました。

 遠い記憶で灰田勝彦主演映画の「歌の明星?」だったかと思いますが、主人公が戦争中あやまって恋人の兄を殺し、何かの事情で盲目になった恋人の目の手術がすんで丘の上で包帯を取り目が見えるとき(兄を殺したのがわかるのでは?)歌った「森の小径」
     ほろほろこぼれる 白い花を
     うけて泣いていた 愛らしいあなたよ
との歌詞だけ憶えており、当時ではとても洒落たきれいなメロディで、しかしスロースイングだったかハワイアンムードだったか、以後の映画の内容共に記憶にありません。

 二木先生、半世紀前の映画の内容教えて下さい。

投稿: 尾谷 光紀 | 2009年3月17日 (火) 23時03分

Lemuria様 そういえば、『東京物語』夜更けの熱海旅館の周りで流しが歌うのが、確かこの曲でした。昭49年に川崎市映画街・夏の夜の映画祭で初見したときも、その後VTRで何度も見たときも、岡晴夫の曲なのかなあ・・・と思っておりました。お説のとおりで、あの映画の中で香川京子演ずるような小学教員に習いたかったですね。試験を見回りながら、チラリと腕時計に目を遣り、葬儀を終えて東京に帰る原節子を乗せた急行列車の通過を教室の窓から見下ろし見送るシーン。日本文化ここにあり!!

投稿: 乙女座男 | 2009年5月 6日 (水) 18時53分

管理人様 『燦きらめく星座』というタイトルを見たときに、むかし週に二本あったNHKラジオの歌謡番組のうちのひとつの同題のオープニングソングかなと思いました。もうひとつは『今週の明星』でふたつは火曜日と木曜日の夜8時頃からの放送だったと覚えています。うろ覚えですが、『今宵○○が八千代・・・』で始まる『今週の明星』のテーマソングはいまも耳の底に残っています。レコードもテレコもないあの頃の我が家ではラジオ番組にかじりついて聞いていました。

投稿: 乙女座男 | 2009年5月 6日 (水) 19時11分

 乙女座男様。私のコメントにご賛同たまわり、大変ありがとうございました。若き日の香川京子さん、本当に惚れ惚れするほどの楚々とした美しさでした。
 ご紹介の『東京物語』ラストの小学校のシーン。確か初めに校舎内の廊下が映し出されて、児童たちの歌声が聞こえてきました。
 ♪ 吹けそよそよ吹け 春風よ
    吹け春風吹け 柳の糸に
    吹けよ吹け 春風よ
    やよ春風吹け そよそよ吹けよ
 『春風』(作詩:加藤義清,作曲:フォスター)でしたね。今の季節にぴったりの歌ですが、この歌が流れていたこともとても印象に残っています。 

投稿: Lemuria | 2009年5月 7日 (木) 01時09分

Lemuria様 映画のシーンと音楽にお詳しいのでびっくりしています。尾道での葬儀のあと最後まで残った紀子役の原節子が『ええ、もう帰らなくては』小学教員役の香川京子に『夏休みには東京に遊びに来てよ、きっとよ』そのあとのシーンは子供たちに声をかけながら登校する香川京子と、試験教室の机の間を見回るシーン(小津作品定番のローアングル)に記憶が飛んでいます。廊下とそよ風の歌をもう一度VTRで確かめて見ます。有難う御座いました。それにしても、そのシーンの直前に、原節子が義父役の笠智衆に『自分はそんなに褒めてもらえる女ではない』と述懐する有名な場面は、世界のどこに出しても恥ずかしくない日本映画が達した最高峰だと見るたびに思います。

投稿: 乙女座男 | 2009年5月 7日 (木) 08時49分

 乙女座男様。重ね重ね大変ありがとうございます。
 『東京物語』は小津安二郎監督の代表作でもあり、前々から観たいと思っておりました。しかし実際に見たのは、つい最近2、3年前のことです。当市の出先機関「郷土資料館」の1階に、ビデオライブラリーがあるのをたまたま発見し、そこに懐かしの邦画・洋画の名画などがどっさり揃えてあったのです。以後片っ端から借りまくり、その一本として2回ほど観たのです。
 しかしこの映画に関して細部にわたってお詳しいのは、乙女座男様の方です。私は特に印象深いシーンを飛び飛びにしか、記憶していませんので。そこで例の学校のシーンは、後で考えてみて、『あれっ。先ず校庭の遠くから校舎全体を映して、その後廊下のシーンだったかなあ?』など記憶があやふやです。(ご指摘のとおり、その前に登校のシーンもありました。)
 演じた原節子と笠智衆とのやりとりのシーン。やはり印象深いものでしたが、そんなに有名だとは知りませんでした。ご教示ありがとうございます。
 名画は何回観ても、その都度新しい発見がありますね。『東京物語』、私もまた観てみたくなりました。ついでに『早春』や『晩春』など他の作品も。
 (なお、皆様のご迷惑かと存じますので、お返事はけっこうです。)

投稿: Lemuria | 2009年5月 7日 (木) 20時34分

レコードが出た頃小学5年でした。かなり離れたレコード店から長い間一日中これが流されていました。
横須賀の町はまだ自動車がたまに通る軍用車くらいで少なく、横須賀海軍工廠の音が遠くに聞こえる位でしたので、メロディーを覚えるのは苦労しませんでした。通学に鼻歌を歌っていました。

投稿: 遠藤雅夫 | 2010年5月22日 (土) 09時14分

乙女座男様
NHKラジオでの歌番組は、「今週の明星」と「花の星座」ではなかったでしょうか?(確信は持てませんが)。「花の星座」はテレビと同時でやってたような・・・。「お父さんはお人好し」「三つの歌」「お笑い三人組」「話の泉」「とんち教室」、リスナーの想像を膨らませてくれる楽しい番組が、仰山ありましたね。私の家ではラジオはNHKしか入らず(有線?)「ラジオ歌謡」や流行歌なるものは、大概ラジオで憶えたと思います。
「一丁目一番地」や「コロ物語」など、懐かしいです。

投稿: かせい | 2012年9月27日 (木) 00時10分

`燦めく星座`と言う)語彙を知っていました。勇壮で軽快なMP3メロディー[シロフォンの音(ネ)が心地いい]を聴きながら、そうかこれが題名なのか…と不思議な結びつきに驚きました。

メロディーを聞いて題名が出てくる、あるいはその逆、いずれも私の場合殆ど起こらない。今こうして数回こころよく楽しみ、じゃ明日このメロディーをハミングできるか? 左様なことは私に絶対起こらないのです。いくら務めて思い出そうとしても、メロディーが既に遠くの彼方に消えているんですね。

こちらの詩/歌ファン且つ通の先輩方々に信じられないでしょうが、こんな音楽無縁なでくの棒がいるのです。聖夜に`清しこの夜を`を歌って聞かせてくれた亡母、ギターと笛に達者な兄弟を思いつつ、何故か私だけDNAがぶっちぎれた不幸なんでしょうね。

では何故メロディーが懐かしいのか? Lemuria/乙女座男ご両名談義にある東京物語だったような気がします。仰られるどのシーンも覚えているような気になります。原節子が小さな台所で夕飯仕度にかかる場面、尾道の自宅二階から煙をはく機関車を娘・香川京子が追い続けるロングショット、、。オズヤスの映画作法から何かを学ばない欧米映画人はいなかった/いないことが了解されます。

白黒映画だから色に惑わされず惹きつかされる。きらめく星座を巧みに背景に散らばす、見応え聴き応えがあります。

投稿: TangoMinato | 2012年11月29日 (木) 06時37分

>惹きつかされる
想像たくましきアブラカダブラでした(*_*;
ふたつぎさんのような繊細で、心を揺さぶる何気ない作文…。左様な名人芸と遠いので、こんなトンチンカンをしばしば鳴らしてしまいます。

ここは素直に`惹かれる`でいいのでしょうか? `惑わされず`との対語なので受動態風であらねばと思ったようです。深謝。

投稿: TangoMinato | 2012年11月30日 (金) 07時19分

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