« 北へ帰ろう | トップページ | 草原情歌 »

乾杯の歌

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:L.Colcord、作曲:E.A.Fenstad
編曲:A.W.Sprague、日本語詞:不詳

盃をもて さァ卓をたたけ
立ち上がれ飲めや 歌えやもろびと
祝いの盃 さァなつかしい
昔のなじみ 心の盃を

飲めや歌え 若き春の日のために
飲めや歌え みそなわす神のために
飲めや歌え わが命のために
飲めや歌え 愛のために ヘイ

盃をもて さァ卓をたたけ
立ち上がれ飲めや 歌えやもろびと
祝いの盃 さァなつかしい
昔のなじみ 心の盃を

     The Maine Stein Song

Fill... the steins to dear old Maine,
Shout 'til the rafters ring!
Stand... and drink a toast once again!
Let every loyal Maine man sing.
Drink... to all the happy hours,
Drink to the careless days;
Drink... to Maine, our Alma Mater,
The college of our hearts always.

To the trees, to the sky!
To the spring in its glorious happiness;
To the youth, to the fire,
To the life that is moving and calling us!
To the Gods, to the Fates,
To the rules of men and their destinies;
To the lips, to the eyes,
To the girls who will love us someday!

Fill... the steins to dear old Maine,
Shout 'til the rafters ring!
Stand... and drink a toast once again!
Let every loyal Maine man sing.
Drink... to all the happy hours,
Drink to the careless days;
Drink... to Maine, our Alma Mater,
The college of our hearts always.

《蛇足》 アメリカ、メイン州立大学の学生歌・応援歌。同大のスポーツチーム「ブラックベアーズ(アイスホッケー、フットボール、野球等)」が勝った際には、必ず歌われるそうです。

 stein(スタイン)はドイツ語のStein(シュタイン)の移入語で、陶製のビールジョッキを指します。そこで、タイトルを日本語にすると、「メイン(大学)の乾杯の歌」となるわけです。

 同大のWebサイトおよび関連のページによると、この歌の由来は次のようになっています。

 1902年、メイン州立大の学生アデルバート・スプレイグ(Adelbert W. Sprague)はバーハーバーでアルバイトをしていたとき、『オーピー(Opie)』という軽快なマーチを聞き覚えました。それは、E.A.フェンスタッド(E.A. Fenstad)がドイツ民謡をベースに作曲したものでした。

 スプレイグはその曲を、ルームメイトのリンカーン・コルコード(Lincoln Colcord)に自分流にアレンジして教えました。すると、コルコードはそれに歌詞をつけました。これが今日歌われている"The Maine Stein Song"です。
 のちにスプレイグはメイン州立大の音楽学部長になり、
コルコードは海洋小説家になりました。

 『乾杯の歌』が全米に知られ、外国でも歌われるようになったのは、メイン州立大に在籍していたことがあるルディ・ヴァレー(Rudy Vallée、のちにエール大に転学)の力によります。

 彼は1929年、NBCラジオの音楽番組でホストを務めていたとき、この曲を紹介、さらに翌年ヴィクターからレコードを発売しました。レコーディングに際して、彼は歌詞を数語差し替えるとともに、よりハイテンポにアレンジしました。
 これが図に当たり、"The Maine Stein Song"は、その年、全米ヒットチャートの1位を8週間連続で維持しました。さらに楽譜が35万枚、レコードが50万枚売れたといいます。

 ところで、この説明でわからないことがあります。
 上記解題にもあるように、この曲の原曲はドイツの曲です。ちょっと古い日本の歌集には、いずれも「ドイツの学生歌」と記載されています。私も、そう信じて歌っていました。

 そこで、ドイツの原曲を捜してみましたが、その痕跡すらも見つかりませんでした。二宮一男さんがドイツ語の歌詞の一部を捜してくださいましたが(下記投稿参照)、これはどうやら、ドイツに移入された"The Maine Stein Song"の訳詞にように思われます。

 どこの曲であるかに関係なく、気分が高揚するとてもいい曲だと思います。「若き春の日のために」「みそなわす神のために」が早口言葉のようで歌いにくいのが、少々難点ですが……。

 なお、この曲はパブリック・ドメインになっています。

(二木紘三)

|

« 北へ帰ろう | トップページ | 草原情歌 »

コメント

気分が高揚し元気が出てくる歌ですね。歓声をあげる応援団、踊り跳ねるチアガールの姿が目に浮かんできます。
若い頃は早慶戦などに勝つと新宿辺りで騒いだものですが、年を取るとそういうものもなくなりました。せいぜい居酒屋で飲んで歌う程度でしょうか。
こういう歌を聴けば、気分だけでも元気になります。

投稿: 矢嶋武弘 | 2009年4月15日 (水) 19時32分

大晦日のNHK紅白歌合戦を思い出します。開会式で、両軍が登場する時の行進曲ですね。戦後まだラジオできいていました。実況中継するアナウンサーの声に、小学生だった私の興奮はいや増すばかりでした。

投稿: Bianca | 2009年4月15日 (水) 19時43分

 この歌はウン十年前「歌声喫茶」で覚えて、以後家族・友人・旧友・ボランティアグル-プetc.....の飲み会で生ジョッキでの<乾杯>のあと、当初は一人で歌っていましたが最近はいい歌だとみんな歌うようになりました。
 ところがこの蛇足と歌詞をゆっくり読むと、
   ・・・飲めや歌え みそなわす神のために・・・
ということに気が付きアレッと他の歌の本や広辞苑で調べましたら“みそなわす”=“見るの尊敬語”となっており、ウン十年間“みなそわす神のために”と思って歌っていた自分におかしくみんなで大笑いしました。

投稿: 尾谷 光紀 | 2009年5月 3日 (日) 22時44分

乾杯の歌、The Maine Stein Song は今から60年ほど前に大学のESSでよく歌いました。その時はBoola SongやTipperary Songもよく歌いました。何れも懐かしい歌です。
半年ほど前にインターネットでメイン州立大学合唱団が正装に威儀を正して指揮者を前にStein Songを歌っているサイトを見つけ大いに喜び、それ以来しばしばそのサイトを訪れましたが、何故か現在そのサイトは消滅しています。なんとも残念でなりません。そのサイトがなんとか復活しないものかと願っています。

投稿: 大門坊 | 2009年5月 7日 (木) 10時31分

二木様こんにちは、私は毎日のように二木様のサイトで楽しませて頂いています。本当に有り難うございます。
この度聴かせて頂いた”乾杯の歌”のことですが、私が若い頃に藤山一郎が歌っていたのを、一番の歌詞だけを何故か鮮明に記憶していますが、ここで紹介されていたり、他で見る歌詞とはずいぶんと違っているのです。
作詞者や全歌詞を知りたいと思って、色々調べているのですが、解決に至っておりません。
ちなみに一番の歌詞は下記の通りです。

満たせ杯 飲め楽しくも 立ち上がれ飲めよ
歌えや諸人 幸をば祈りて 声も高らかに
来ぬ人の為にも 杯交わせ
森に 空に 明るい春の日にも 若き光 望みに溢る命
声も 高く 歌えや若き鳩も いざや ゆかん あの細き川辺に ヘイ

投稿: 菊田明弘 | 2009年6月23日 (火) 12時47分

この歌はドイツ酒場でよく歌われますが、その場合の歌詞は二木先生の歌詞と同じです。ESSで歌った時はTo the trees, to the skies 以下8行の口調が早くて苦労しました。Maine Univesity 合唱団員は流石にお国言葉だけあって非常に滑らかに歌っていました。藤山一郎さんの歌詞には始めてお目にかかりました。

投稿: 大門坊 | 2009年6月26日 (金) 22時57分

念のため"Maine Stein Song"に再度インターネット上でアクセスし、確認した結果は下記の通りです。1930年のレコードに吹き込まれている歌もこの歌詞によっており、メイン州立大学合唱団のサイトで見たり、聴いたりした歌詞もこの通りでした。菊田さんのお聴きになった藤山一郎さんの日本語の歌詞の2番と3番の出所が何処かは本当に不思議です。
Maine
"Maine Stein Song"

Fill the steins to dear old Maine!
Shout 'til the rafters ring!
Stand and drink the toast once again!
Let ev'ry loyal Maine man sing,
Drink to all the happy hours,
Drink to the careless days!
Drink to Maine, our Alma Mater
The college of our hearts always.

To the trees, To the sky,
To the Spring in its glorious happiness!
To the youth, To the fire,
To the life that is moving and calling us!
To the Gods, To the Fates,
To the Rulers of men and their destinies!
To the lips, To the eyes,
To the girls who will love us some day!

Fill the steins to dear old Maine!
Shout 'til the rafters ring!
Stand and drink the toast once again!
Let ev'ry loyal Maine man sing,
Drink to all the happy hours,
Drink to the careless days!
Drink to Maine, our Alma Mater
The college of our hearts always.
以上

投稿: 大門坊 | 2009年6月29日 (月) 00時15分

メイン州立大学合唱団のサイトは下記の通りです。
http://www.umaine.edu/stein.htm
それが或る日忽然と消えました。なんとか回復する術はないものでしょうか。ご協力をお願いします。実に素晴らしい合唱団でした。

投稿: 大門坊 | 2009年6月29日 (月) 18時00分

今でも、歌声喫茶で気分高揚の歌として、よく唄われています。「若き春の日のために」「みそなわす神のために」が早口言葉のようで歌いにくいのは、昔と変わりません。

投稿: ジェス | 2009年8月19日 (水) 20時47分

2009-6-29日に、消滅したサイトを回復する手段はないものかとお願いした者です。三笠書房発行「グーグル完全活用本」30ページにキャッシュ機能を使うと消えたサイトを復活できるとあり、大喜び。早速試しました。ところが、行き着いた先は二木先生のこのサイトです。勿論、このサイトは結構ですよ。しかし、私が探していたものはこれではないのです。大手出版社も羊頭狗肉を売る世の中になったのですかね。

投稿: 大門坊 | 2009年11月 4日 (水) 22時34分

手元に、村瀬好夫訳詩のレコードがあります。

盃をほせや わが友よ
若き日は 若き日は
再びは帰らぬ ものなれば
歌はまし
若き日の恋
時過ぎて 去らぬ間に
空は晴れて
春はわれらのものなり
君の瞳
春の如く 輝やけり
黒き髪に
若き日を 楽しめん
紅き唇(くち)に
永遠(とこしえ)の 幸あれ オウ!

盃をほせや わが友よ
若き日は 若き日は
再びは帰らぬ ものなれば
歌はまし
若き日の恋
時過ぎて 去らぬ間に

以上は、ビクターレコードに、二村定一唄、で吹き込まれた歌詞です。昭和5年頃発売でしょう。

投稿: こうちゃん | 2010年7月 4日 (日) 20時39分

メイン・シュタイン・ソング(乾杯の歌)の歌声がはいているサイトを見つけました。URLは下記です。利用については、条件がつけられています。その条件を遵守してお楽しみください。ただし、これはメイン州立大学の学生合唱団が歌っているものか否かは定かでありません。また、URLが長い所為か開くまでに時間がかかります。

http://www.csufresno.edu/folklore/drinkingsongs/mp3s/1950s/1958ca-college-drinking-songs-by-the-blazers-(LP)/01-the-maine-stein-song.htm

投稿: 大門坊 | 2010年11月11日 (木) 22時29分

只今お知らせしたURLのサイトを開いて歌を聴くと、肝心の早口の箇所がスキップされており、極めて不満足な出来です。私の求めていた学生が正装に身を正して歌っていたものとは大違いです。まあ、これでも良かったら、我慢してお聴きください。失礼しました。

投稿: 大門坊 | 2010年11月11日 (木) 22時51分

  歌劇「椿姫」に出るベルディの「椿姫」も取り上げて下さい。  特には日本語歌詞を紹介して下さい。
  イタリア語よりも日本語の方が分かり易いからです。
  戦前は、李香蘭(山口淑子)が日本語歌詞でヒットさせたのですが、戦後ではさっぱり歌われません。
  我々日本人には、日本語の歌詞での歌の方が胸にじんと来るのではないでしょうか。

投稿: 近藤 良捷 | 2012年7月10日 (火) 18時22分

詩:L.Colcord、曲:A.Sprague とE.A.Fenstadとされる、お馴染みのStein Songは1930頃アメリカのメーン大学で発表されレコーディングされたようですが、その起源はドイツの筈だと調べていましたが、やっと原曲を突き止めました。"Opie"という行進曲で前半の部分に歌詞がつけられていました。
Trink mit mir auf du und du,
hoch soll die Freund-schaft le-ben!
Hoch die Al-ler-lieb-ste da-zu und
al-les was uns sonst ge-faellt!
Trink mit mir auf du und du,
lasst uns das Glas er-he-ben,
denn nichts Schoenes kann es ge-ben,
als wenn man fest zu-sam-men halt!

投稿: 二宮一男 | 2015年12月12日 (土) 14時13分

二木さん、確かに二宮さんがいわれるように「Trink mit mir auf du und du」でGoogleするとこの歌詞でYoutubeに載っていますね。(最後は4行上と韻を踏んでhaelt!)ただ、そこの原盤のイメージにはドイツ語のあとに「(Stein Song)」とあるので、この歌がアメリカで流行ったので原曲ドイツ語歌詞で作ったのでしょうか、急いでドイツ語に翻訳したのでしょうか。また「Maine Stein Song, Hungarian Dance」でGoogleすると、この歌はもともとドイツのブラームスの「ハンガリー舞曲」に影響されたという記述を散見します。いずれにしろ、この議論を主催していただいて、ありがとうございます。

投稿: 三上吉彦 | 2016年1月26日 (火) 00時49分

三上吉彦さん

早速 YouTube で検索してみました。画像のレコードジャケットには Deutscher Text von Josef Freudenthal (ドイツ語歌詞はヨゼフ・フロイデンタールによる)とありますから、恐らく後から「ドイツ語に翻訳した」ものではないでしょうか。

投稿: boriron | 2016年1月30日 (土) 21時10分

 堀内敬三 訳 のページがありました。
 http://kenji447.blog130.fc2.com/blog-entry-4.html

投稿: なち | 2016年8月11日 (木) 13時03分

昨日、Maine Stein Song をNHKラジオ「音楽の泉」で聴きビックリしました。聴くのは非常に久し振り。私の母校メイン大学の応援歌で40数年前の学生時代は事あるごとに寮の仲間とよく歌いました。メイン大学のオリジナル曲と思っていましたがドイツに原曲があるとは驚きです。

投稿: 新崎寿浩 | 2017年7月31日 (月) 08時05分

新崎寿浩さんの母校の応援歌ですか!
素晴しいですね。大好きな歌です。
二木先生の解説を読む前までは NHK紅白歌合戦の出演者入場曲だと思っていました(汗)
解説を読んだり、歌にまつわる人々のコメントを読みますと楽しくなります。曲を聴けば元気が出てきます。
最近覚えた草笛の練習を城北の運動公園でやっています。
広いグランドでランニングしたり、サッカーをしている若者の励みになればと一生懸命に「乾杯の歌♬」を練習しています。

投稿: けん | 2017年7月31日 (月) 08時43分

『夏の甲子園』も今日の決勝戦を残すのみとなりました。
 私はこの「乾杯の歌」のメロディを聴くと、『夏の甲子園』の大会テーマ曲である「我が栄冠は君に輝く」を想起してしまいます。 古関裕而は「我が栄冠は……」を作曲するとき、この「乾杯の歌」に着想を得たのでは…と、飽くまでも憶測ですが…。士気高揚にはもってこいのリズムテンポですし、歌いだしなどメロディがよく似てる感じがするのですが…。
 どちらもワクワク感に満ち溢れた曲調ですねー。

投稿: かせい | 2017年8月23日 (水) 00時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 北へ帰ろう | トップページ | 草原情歌 »