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旅愁(西崎みどり)

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:片桐和子、作曲:平尾昌晃、唄:西崎みどり

1 あなたをさがして
  ここまで来たの
  恋しいあなた あなた
  今どこに
  風にゆれ 雨にぬれて
  恋は今も今も
  燃えているのに ああ……
  白いほほえみも
  うしろすがたも
  遠い夢の中 あなたはいない

2 わたしの夜空に
  星は見えない
  あなたに逢える 逢える
  その日まで
  鳥は飛び 鳥は帰る
  それはいつもいつも
  花の咲く頃 ああ……
  白いほほえみも
  うしろすがたも
  遠い夢の中 あなたはいない

《蛇足》 昭和47年(1972)9月から始まった人気TV時代劇「必殺シリーズ」の第4作目『暗闇仕留人』の主題歌。当時14歳で中学2年生だった西崎みどりが歌い、ミリオンセラーとなりました。
 発売はミノルフォンレコード
(現・徳間ジャパンコミュニケーションズ)

 全31作のシリーズの音楽は、後期の一部の主題歌を除き、平尾昌晃が担当しました。ドラマの内容と関係ない歌詞を演歌調で歌うという仕掛けは、時代劇史上、このシリーズが初めてだったと思います。

 必殺シリーズといえば、まず頭に浮かぶのは、藤田まこと演じるところの中村主水ですが、中村主水が登場するのは第2作目の『必殺仕置人』から。最初の頃は準主役だったり、ゲスト出演だったりしますが、しだいに主役を務めるようになり、"必殺の顔"といわれるようになります。
 18作に出演したほか、TVのスペシャル版や舞台、映画でも何度も主水を演じました。

 役所では無能とバカにされる同心、家では嫁や姑にいびられるダメ亭主、夜は凄腕の殺し屋という二面性は、藤田まことが喜劇役者だったからこそ演じられたのでしょう。

 西崎みどりは、『暗闇仕留人』のほか、『必殺仕業人』『必殺仕舞人』『必殺橋掛人』の主題歌ないし挿入歌を歌っています。また、同シリーズのうち5作にゲスト出演、別の5作にレギュラー出演しています。

 のちに芸名を西崎緑と変え、日本舞踊・西崎流の二代目家元を継ぎました。
 ややこしいことに、まったく同じ呼称の二代目家元がいますが、両方とも多くの弟子を抱え、隆盛しているようです。
 初代西崎綠は、NHKの長寿バラエティ番組『とんち教室』に柔道家の石黒敬七や漫画家の長崎抜天などとともに出演して人気がありましたが、その没後、跡目をめぐって騒動が起こったことを思い出しました。

(二木紘三)

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コメント

 ドラマの中で、悪徳商人と彼と結託した役人がやりたい放題やるのを視聴者が見終えた頃、主人公らが「仕置き」(あるいは「仕事」)という名の人殺しに向かう道中、この曲が流れていました。歌の題も知らず、歌詞もおぼえておらず、メロデイーだけが記憶にあります。西崎みどりさんには申し訳ないです。
 申し訳ないついでに、このドラマを、私はすぐに飽きてしまって、ほとんどきちんと見たことがなかったです。お金をもらって悪人を始末するのは、水戸黄門よりは、まあ面白いと思いましたが、パターンがきまっているし、そんなに簡単に人が殺せるかなあという、抱いてはいけない疑問がたえず湧いてきましたから、あまり楽しめなかった。
 それよりも。梅安役の緒方拳、念仏の鉄役の山崎努、他に田村高廣、山村聡などの出演者の顔ぶれを見ると、ああ日本映画は不振なのだな、彼らはもっといい仕事がしたかっただろうなとよけいな憶測をしてしまいました。
 藤田まことは、時代劇不振の風潮の中で、役者として存在感がありました。姑に頭のあがらない昼の顔と凄腕の刺客たる夜の顔が、まるっきりちがって面白い。「蛇足」のご指摘どおりです。一種の変身譚のように思います。
 1979年の映画「蘇る金狼」(大藪春彦原作)も、主人公(松田優作}が、昼はおとなしいサラリーマン、ひそかに身体を鍛えて、夜になると暴力でカタをつけて野心をとげていくという話です。共通するものを感じます。

投稿: 浮舟 | 2013年9月13日 (金) 19時01分

このドラマの中村主水のような人間が沢山独裁国家に欲しい。(無意味かもしれませんが。)役人仲間や家族から馬鹿にされても夜の世界ではたくましく生きる。その場に向かう時流れる歌謡曲だが哀愁のあったこの曲は忘れられません。

投稿: 海道 | 2013年9月16日 (月) 15時22分

 何かが大きく変わらなければならないのに、世間は違った方向に蠢きはじめている。ユダヤの陰謀論だとか、コミンテルンの資金が青年将校に流れたとか。反動も保守も左右翼も親日も、背筋がしゃんとしていない。そんなときに「必殺仕掛け人」のような人たちが、ちょいと歯車を狂わせてくれれば、ごく当たり前の日常に戻れるのに。そんな期待を持たせてくれましたよ、このドラマは。

投稿: にしちゃん×2 | 2013年9月25日 (水) 06時01分

西崎みどりさんの初々しさと日本人形のような可愛らしさが印象的でした。透き通った彼女の高音の歌声にも魅せられました。

昔、私は弱虫で、今でも弱虫です。怖い人の前ではオドオド、ビクビクしてしまいます。特に、いじめやストーカーの問題には今でも敏感です。よくいじめられる方にも問題がある、とかストーカーされる方にも問題があるという風に、いじめる側やストーカーする側が擁護されることもありますが、「必殺仕置き人」は弱い者の味方です。

やくざの抗争のように刀が振り回されることもなく、行政や司法の介入もなく、悪の処刑は闇の中で誰にも気付かれずに必殺です。こんなところに多くのフアンが引き付けられたのではないでしょうか。昼間はノロマで嘲られているような私も夜このように変身できたらなぁという願望もあり、妄想も生じたものです。

しかし、もちろん、このような集まりは「テロ防止法案」の対象であることに間違いはないでしょうね。

投稿: yoko | 2017年6月 8日 (木) 23時57分

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