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(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:L. I. オシャーニン、作曲:A. G. ノヴィコフ、日本語詞:中央合唱団

1 おお道よ 立つ塵埃(ほこり)
  寒さにふるえ 茂るブーリャン
  明日をも われ知らず
  いつ荒れ野の 露と消えん
  塵埃は畑に 野辺に 山に
  あたりは火の海 弾丸(たま)は飛ぶ

2 おお道よ 立つ塵埃
  寒さにふるえ 茂るブーリャン
  カラスは 上に舞い
  友はブーリャンの 中に眠る
  けれどなお道は 塵埃込めて
  ほのお果てもなく 燃え上がる

3 おお道よ 立つ塵埃
  寒さにふるえ 茂るブーリャン
  林に 陽は昇る
  ふるさと遠く 母ぞ想う
  果てしなき道に 山に 畑(はた)
  母は思い込め われを待つ

  おお道よ 立つ塵埃
  寒さにふるえ 茂るブーリャン
  おお 友よ 想い出さん
  塵埃の道 忘れられぬ ああ

   Дороги
1. Эх, дороги...
    Пыль да туман,
    Холода, тревоги
    Да степной бурьян
    Знать не можешь
    Доли своей,
    Может, крылья сложишь
    Посреди степей.
    Вьется пыль под сапогами
    Степями,
    Полями,
    А кругом бушует пламя
    Да пули свистят.

2. Эх, дороги...
    Пыль да туман,
    Холода, тревоги
    Да степной бурьян.
    Выстрел грянет,
    Ворон кружит...
    Твой дружок в бурьяне
    Неживой лежит.
    А дорога дальше мчится,
    Пылится,
    Клубится,
    А кругом земля дымится —
    Чужая земля.

3. Эх, дороги...
    Пыль да туман,
    Холода, тревоги
    Да степной бурьян.
    Край сосновый,
    Солнце встает,
    У крыльца родного
    Мать сыночка ждет.
    И бескрайними путями,
    Степями,
    Полями,
    Все глядят вослед за нами
    Родные глаза.

    Эх, дороги...
    Пыль да туман,
    Холода, тревоги
    Да степной бурьян.
    Снег ли, ветер,
    Вспомним, друзья...
    Нам дороги эти
    Позабыть нельзя
 

《蛇足》 1945年秋に発表。対独戦をテーマとした旧ソ連の音楽映画『勝利の春』の挿入歌として作られたものだそうですが、この映画についての情報がありません。何かご存じの方はお知らせください。

 作詞のオシャーニン、作曲のノヴィコフとも、対独戦を歌った作品がいくつもあります。そのテーマでは、二人ともこの『道』が代表作とされています。わが国の高校音楽教科書に載ったことがあります。
 そのほか、わが国でもよく知られた作品としては、オシャーニンには『心さわぐ青春の歌』など、ノヴィコフには『泉のほとり』などがあります。

 歌詞では、繰り返し出てくるブーリャン(бурьян)が印象的ですが、これは丈の高い雑草のこと。先が見通せないほど生い茂った雑草のなかで繰り広げられた凄惨な戦闘、そこで倒れた戦友たちを悼む気持ちが如実に表れています。

 旧ソ連や現ロシアでは、対独戦は「大祖国戦争」と呼ばれています。これは、クトゥーゾフ将軍指揮下のロシア軍がナポレオン軍を撃破した戦争を「祖国戦争」(のちに「1812年祖国戦争」と改称)と呼ぶことからきたもの。ナポレオン軍に対する勝利より偉大だったということから大祖国戦争と名づけたようです。

 『帰らぬひとを…』でも触れましたが、第二次世界大戦における戦闘員・非戦闘員の死者総数5600万人のうち、実に40数パーセントがソ連人でした。その最大の原因は、病的な猜疑心にとりつかれた指導者スターリンの、拙劣で冷酷、かつ不条理な戦争指揮にあったといわれています。

(二木紘三)

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コメント

高い音楽性、そうして覚えやすいメロディー、『戦友』に通じるところもある歌詩の哀切さ、数ある「ソビエト歌曲」の中でも最高傑作の一つだと思っています。これを聴くと、大学に入って遭遇した昼休みの「アーケード合唱」が、初めて体験する東京風景のように浮かび上がります。文学部の友人の、ソビエトの文学はだめだが音楽と映画はいいね、と言うのに同感したものです。映画では『シベリア物語』の音楽に惚れ込みましたが、『勝利の春』という映画の話は聞いたことがありません。

投稿: dorule | 2015年7月 4日 (土) 12時06分

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