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2007年1月29日 (月)

冬の星座

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:W.S.Hays、日本語詞:堀内敬三

1 木枯らしとだえて さゆる空より
  地上に降りしく 奇(くす)しき光よ
  ものみないこえる しじまの中に
  きらめき揺れつつ 星座はめぐる

2 ほのぼの明かりて 流るる銀河
  オリオン舞い立ち スバルはさざめく
  無窮(むきゅう)をゆびさす 北斗の針と
  きらめき揺れつつ 星座はめぐる

        Mollie Darling

1. Won't you tell me Mollie darling,
   That you love none else but me?
   For I love you Mollie darling,
   You are all the world to me.
   O! tell me, darling, that you love me,
   Put your little hand in mine,
   Take my heart, sweet Mollie darling,
   Say that you will give me thine.
   (Chorus:)
   Mollie, fairest, sweetest, dearest,
   Look up, darling, tell me this;
   Do you love me, Mollie darling?
   Let you answer be a kiss.

2. Stars are smilling, Mollie darling,
   Thro' the mystic vail of night;
   They seem laughing, Mollie darling,
   While fair Luna hides her light;
   O! no one listens but the flowers,
   While they hang their heads in shame.
   They are modest, Mollie darling,
   When they hear me call your name.
   (Chorus:)

3. I must leave you, Mollie darling,
   Tho' the parting gives me pain;
   When the stars shine, Mollie darling,
   I will meet you here again.
   O! goodnight, Mollie, goodbye, loved one,
   Happy may you ever be,
   When you're dreaming, Mollie darling,
   Don't forget to dream of me.
   (Chorus:)

《蛇足》 原曲はアメリカの作曲家ヘイズが1872年に作詞・作曲した『愛しのモーリー(Mollie Darling)』。これに堀内敬三が日本語詞をつけ、昭和22年(1947)に中学の音楽教科書に掲載されました。

 それ以前は国文学者で歌人の中村秋香が作詞した『他郷の月』という歌詞で歌われていました。この歌詞を井本尚志さんからご教示いただいたので、掲載しておきます。

他郷の月(作詞:中村秋香)

1 よくと喜ぶ父母の君
  あれ姉上と駆け来る妹
  恋しき我が家に嬉しや今
  帰ると見しや夢なりけり

2 宵の時雨は跡なく晴れて
  傾く月に雁鳴き渡る
  哀れあの雁も悲しや今
  別れて来しやその故郷

 原曲は明るく楽しい感じのラブソングですが、堀内敬三の詞では清澄な叙景歌に、中村秋香版では郷愁の歌に変わっています。また、両方とも原曲にあるコーラス部分が省略されています。

 ヘイズは1837年にケンタッキー州のルーイヴィルで生まれ、1907年に70歳で亡くなりました。フルネームはWilliam Shakespeare Haysです。親はシェークスピアのような劇作家になることを期待したんでしょうね。

 劇作家にはなりませんでしたが、作曲家として成功しました。生涯に約350曲を作り、そのうちのかなりの数がヒットしました。最大のヒットはこの『愛しのモーリー』で、300万部の楽譜が売れたといいます。現代なら、その何倍かのCDが売れたはずで、文字通りメガヒットですね。

 日本ではこの歌のほか、犬童球渓(いんどう・きゅうけい)の詞による『故郷の廃家(My Dear Old Sunny Home)』がよく知られています。

 子煩悩な家庭人だったようで、子どもが生まれるたびに、喜びの歌を作りました(『Let Me Kiss the Baby』など)

(二木紘三)

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コメント

堀内敬三さんのお名前久しぶりに見ました。
確かずっと以前NHK第一放送で音楽番組の解説をされていましたね。
いつも二木さんのHPやブログ楽しませていただいております。

投稿: 草木 | 2007年2月 1日 (木) 08時04分

ほのぼのとする曲の数々、幼き頃を想起します。特に童謡を愛し口ずさんでいます。ありがとうございます。いい曲をどんどん、リリースして下さい。

投稿: 沖縄 太郎 | 2007年4月 9日 (月) 18時20分

中村秋香作詞「他郷の月」、郷愁の歌でも「思い出のグリーン・グラス」の主人公でなくてよかった・・・・!

投稿: 林 一成 | 2008年11月16日 (日) 10時05分

毎年恒例の大阪城ホールでの「一万人の第九」に昨年末も参加しました。一万人のオーケストラと合唱団が歌うという大規模なコンサートは世界でも類がないらしいです。佐渡 裕さん指揮のもとであのホールに響きわたる壮大さは身震いするほどの感動をおぼえます。。そして今回の来賓歌手は今若者に人気の男性ディオCHEMISTRY(ケミストリー)でした。そして二人はこの「冬の星座」を見事な歌唱力で歌ってくれました。ところどころの箇所でハミングや歌詞で私たち合唱団も加わり歌い 冬の夜空に相応しい照明効果もあったと思いますが 一層この歌が好きになりました。あれからずっとこの二木先生のサイトを開いては歌っています。有難うございます。 

投稿: 二人三脚 | 2009年2月20日 (金) 21時14分

晩秋の冷たい空気に触れる頃になると「冬の星座」を聴きたくなります。十代の頃からこの歌も大好きでした。数年前から「月見草の花」のCDを探して試聴していましたが、最近私は土居裕子さんの一枚を買いました。透明感のある美しい声と、癖の無い歌い方に魅かれたのです。このCDには「うた物語」の中の私の好きな歌が多く収められており、「冬の星座」もその一つです。
二木先生の演奏とご解説は言うまでも無い事ですが、皆さまのコメントからも多くを教えられます。心からお礼を申し上げます。

投稿: 眠り草 | 2011年11月11日 (金) 22時41分

年を重ねると子供の頃のことが、忘却の彼方へ消え去りますが、この季節になると学芸会で男子の六年生が二人、講堂の壇上でこの歌を歌ったの今でも鮮やかに憶えています。
それほど感動したということでしょうか。そのとき私は四年生でした。

投稿: jiro.sakata | 2011年11月21日 (月) 14時39分

このメロディを聴いていたらふっと中学で習った別の歌詞が浮かんできました。五十数年前の記憶なので間違っているかもしれません。2番も題名も忘れています。この歌詞で習った方が居られましたらお教え下さい。
 あわれや揺りかご 幼き夢よ
 心のふるさと 変わらぬ母の面
 静けき夕べの 灯影のもとに
 思いもつきぬは 懐かし歌よ

投稿: ハコベの花 | 2011年11月21日 (月) 22時23分

昭和17年生まれです。ハコベの花さんと同じ歌詞で中学1年の時習った懐かしい大好きな歌です。やはり題名(ゆりかご?)も2番もわかりません。
全然自信はありませんが、私の記憶では1番は次のようになってます

あわれや揺りかご 幼き夢よ
心のふるさと 変わらぬ母の愛
静けき窓辺に 花の香流れ
思い出懐かし ふるさとの歌

投稿: 山下 | 2011年11月25日 (金) 21時15分

この曲の訳詞者堀内敬三といえば、子供の頃、毎週日曜日の朝流れていたNHKラジオ番組「音楽の泉」のテーマ曲を、この番組の司会者・解説者堀内さんのソフトな声とともに思い出します。この番組は初代司会者が堀内敬三で、司会者は変わりましたが、現在も続いているNHKラジオの長寿番組の由。このテーマ曲はシューベルトのピアノ曲集「楽曲の時」の「第3番・へ短調」で、皆さんも実際にお聴きになれば、あの曲かと思いだされる方も多いでしょう!インターネットでも聴くことができるので、興味のある方は以下のURLにアクセスしてみてください。
  http://www.geocities.co.jp/mani359/meigakkyounotoki.html

投稿: KeiichiKoda | 2012年3月29日 (木) 09時36分

とても懐かしいです。まるで子供の頃の親友に出会った心地です。ハコベの花さん、山下さんと同じことをずっと思ってました。ただ、歌詞も忘れてしまっていました。お二人の投稿を拝見して蘇りました。
私はS.16年生まれですが、確か中学一年の教科書に載っていました。いわゆる学芸会で全校生徒の前で独唱したのを覚えています。2番の歌詞を間違えて先生に怒られたのも、、、私の記憶では1番は下記の様に思います。
 あわれや揺りかご 幼き夢よ
心のふるさと 変わらぬ母の愛
静けき夕べに 花の香流れ
思い出懐かし ゆりかごの歌
残念ながら2番は全く思い出せません。

投稿: Y.Kobayashi | 2012年12月13日 (木) 18時21分

終戦後 進駐軍兵士向けのFEN(Far east network)という放送局がありました。
この曲が エディ・アーノルドという歌手のボーカルで良く流されていました。
Won't you tell me Mollie darling,-----
当時療養中だった身、よく聴いたものでした。
ほんとうに懐かしい曲です。

投稿: 吉沢 義之 | 2013年1月26日 (土) 15時28分

この歌も聴くたびに心洗われる思いが致します。
昭和中ごろ、我家に一台のラジオからは浪花節、三橋美智也、春日八郎、松山恵子など。有力者のお宅でみせてもらうテレビはコロンビアヒットパレード(市会議員のお宅で座敷を解放してくれた)特に記憶に残ってるのはこまどり姉妹のソーラン渡り鳥。
二木先生のこの場で蘇る幼い日々の記憶を辿るのが至福のひとときです。

投稿: りんご | 2016年1月10日 (日) 13時37分

失礼いたしました。
肝心の部分が抜けてました。
中学の教科書でこの歌を習いました。
音楽環境に恵まれなかった当時は教科書で習う歌のみが
音楽体験でした。
それ故に記憶が鮮やかです。
長じて2人の娘にはフルート、ピアノと個人教授をつけました。しわ寄せは夫に~63年の生涯(運転歴45年)で新車購入はたったの二回。中古車に甘んじて教育費をねん出。毎日遺影に向かって「ごめんなさい」と心で詫びています。

投稿: りんご | 2016年1月10日 (日) 16時36分

 「冬の星座」はメロディも歌詞も素晴らしく、大好きな歌の一つです。季節を問わず、CDで聴いたり、口遊んだりしていますが、やはり、冷涼或いは寒い時期になると、存在感が増してきます。
 昭和10年代前半生まれの小生は、堀内敬三作詞のものを”中等音楽”で学んだと記憶しています。英語の原詩(恋の歌)とは関係なく、想像力をかきたてる新しい日本語詞が、曲想とよくマッチしていて、本当にいい歌だと思います。、曲の長さは短からず、長からず、起承転結がはっきりしていて、心地よく身体に沁み込みます。
 また、♪さゆる空より♪や♪流るる銀河♪に見られるように、文語調で書かれていますが、それによる古びた感は少しもなく、違和感は全くありません。同様の文語調の美しい歌として、これも大好きな、同じ堀内敬三の日本語詞による「春の日の花と輝く」を思い浮かべます。こちらは、概ね英語の原詩の沿った歌詞となっていますが、♪わが胸に生くべし♪や♪おん身今あでにうるわし♪等は、簡潔ななかにも心情溢れる素晴らしい表現だなあと思います。これらの歌は、歌詞は古くとも、色褪せることなく、これからもずっと、人々に愛され、受け継がれて行くことでしょう。

投稿: yasushi | 2016年10月 5日 (水) 16時44分

調べたいことがあると必ずこちらにたどり着いてしまいます。今回も「冬の星座」の別の歌詞を知りたくて、探したらこちらにつきました。
ハコベの花様、山下様、Y.Kobayashi様ありがとうございます。私の記憶していたのはハコベの花様のと同じだったのですが、この系統の歌詞にちゃんとした情報があったのはここだけです。微妙な差異はあるものの、学芸会で歌った、2番の歌詞を間違えて叱られた、と確かな経験に裏付けられたお話に確信が持てました。たいていは「冬の星座」と「他郷の月」だけが正統であるような扱いをされていますので・・。

投稿: solong | 2017年3月28日 (火) 22時41分

こな雪舞い散る京都の風情は、なにものにも変えられませんが、「しんしんと冷える冬空に、燦めき輝く星座を見上げながら、今 貴女のことを想っています。」・・・
高校時代に、悪友達に頼まれて書き綴ったラブレターの書き出しです。何人かの代筆は、どれもみな同じ書き出しで、知らぬは悪がきどものお相手だけ・・しかも影の作者(ゴーストライター)が、私だなんてお相手の乙女はご存じないわけで、その後の進展状況を、そっと見守るのも楽しみの一つでした。おかげで私の学生時代は、自分のことは棚上げで、ほのかに想いを寄せた人もあったのに~と、
いまさらの様に悔やんでいます。

ところで、蛍の光 窓の雪 といいますが、お正月が明けてから、この2週間足らずの間に5~6冊の本を読みました。
りんご様 推奨の「本格小説上下巻」を読み終えるのには少し時間がかかりましたが、読後 何となく「風邪と共に去りぬ」(映画しか見てませんが・・)や、「怒りの葡萄」を連想しました。(著者は、直線的な私小説と言ってますが)
又、佐藤愛子さんのエッセイ「90才。 何が めでたい」は腹を抱えてわらいました。

京都をテーマにした小説も、かなりたくさん読みましたが、印象に残っているものは、帰郷(大佛次郎)、化粧(渡辺淳一)序の舞(宮尾登美子)等などです。

またまた タイトルと関係のないことばかりになりました。
お許しください。

投稿: あこがれ | 2018年1月15日 (月) 18時46分

 私は高齢者施設で第一部は紙芝居ボランティアをしていますが、それが終わると第二部は「歌謡ショー」です。と言っても、童謡や抒情歌、歌謡曲などを皆さんに一緒に歌ってもらうのです。
 今の冬の時期になると、私の好みから言っても、この「冬の星座」は必ず歌います。いつもはぼんやりしているような方々も、大概の方は歌えます。とてもいい歌で冬の清涼な冬空の雰囲気を感じますね。この時期は「かあさんの歌」「雪やこんこ」「たき火」なども良く歌います。

投稿: 吟二 | 2018年1月15日 (月) 21時43分

いつも曲の内容から逸脱したコメントばかりで、反省しています。
「冬の星座」作曲:W.S.Hays 作詞:堀内敬三は、二木先生の解説にあるとおり、この曲の元歌は「モリー・ダーリン」というラブソングで、星座がテーマではありません。2番でやっと月や星が登場するが、直訳すると<星たちも笑っているよ。モリーダーリン>となり、星や月は恋人に呼びかける材料にとどまる。
ところで、本当に<訳詞>だったのか、どうか。
ーほのぼの光る銀河。ギリシャ神話の狩人オリオン。きらめく散開星団スバル。北斗七星が指さす<無窮>つまり天空に不動の北極星。「冬の星座」の世界は「科学者 堀内敬三」の関心のありようを物語るのであり、甘いラブソングとは趣を異にする。直訳ではなく、意訳ですらなく、詩は創作である。
1982年11月、堀内は自ら社長を務める音楽之友社から「堀内敬三訳詞曲集・夢に見る君」を出版した。
竹久夢二の押絵も好評で、たちまち判を重ねた。計28の歌を集めたこの本で「冬の星座」にだけ<堀内敬三 作詞>と、小さく記した。<訳詞>ではない。
江戸っ子の堀内らしい、さりげない決着の付け方だったのかも知れない。ー
以上、「唱歌・童謡ものがたり」:読売新聞文化部著からの引用です。


投稿: あこがれ | 2018年1月16日 (火) 11時46分

 「冬の星座」はメロディが美しく、大好きな外国曲です。歌詞もメロディとよく合っていて、心地よく、季節を問わず、CDで聴いたり、口遊んだりしています。

とは言え、歌の題名から、まさに、今頃が旬の歌と言えましょう。
なぜ、”冬の”星座なのでしょうか。やはり、冬は空気が澄んでいて、星がよく見えるからであろうと、思い巡らせています。

歌詞1番では、すべての生き物が活動を止めて休息している、静かな、晴れた冬の夜に、満天の星空が見られる様を謳い、歌詞2番では、より具体的に、なじみ深い銀河(天の川)、北斗(七星)、そして、代表的な冬の星座であるオリオン座、スバル座が登場して、臨場感を盛り上げていると、受け止めています。

それにしても、寒がりのせいでしょうか、皆が寝静まった冬の夜に、外に出て星空を眺めるという風流なことは、久しく体験しておりません。歌の世界なら、いつでも、気安く、直ぐに、そのシーンに入り込むことができますが、…。

投稿: yasushi | 2019年1月 7日 (月) 13時41分

堀内敬三さんのスケールの大きい素晴らしい詩ですね。
特に冬の夜道の真上に大きく拡がるオリオン座の姿は今でも思い出されます。
なお、昭和17年生まれの私ですが別の歌詞として第一番の第2フレーズを「心のふるさと、懐かし母の面」と歌っていました。
それにしても、
最近このような心に沁みる曲を耳にすることは少なくなりました。

投稿: K.Aoki | 2021年2月 2日 (火) 10時53分

以前に訪ねておられた別の歌詞、見つけました。
作詞は 山崎紀一郎 とあります。
昭和28年発行の中学一年生の音楽の教科書で見つけました。

ゆりかごの歌

あわれや ゆりかご
幼き夢よ
心のふるさと
かわらぬ母の愛
静けき窓べに
花の香ながれ
思いでなつかし
ゆりかごの歌

あわれや ゆりかご
うるわし夢よ
はるかのふるさと
うれしや母の声
静けき夕べの
ほかげのもとに
おもいでつきぬは
ゆりかごの歌

投稿: 豊昇 | 2022年11月30日 (水) 21時16分

若い頃は星が大好きでよく夜空を見つめていました。
冬の大三角形はすぐに見つけることができます。オリオン座のペテルギウスは左上の赤い星とおおいぬ座のシリウスは太陽の次に恒星で一番明るい星、小犬座のプロキオンで
【冬の大三角形】です。夜空を見上げると寒さを忘れてずっと見ていたのを思い出します。何ともロマンです。
宮沢賢治の銀河鉄道の夜やドボルザークの新世界などが関連の歌です。

投稿: 細川 和代 | 2022年12月19日 (月) 07時27分

こんにちは 宮沢 賢治の作詞 作曲の(星 めぐりの歌) があります。 ハーモニカで 吹いていますウイキペディアでは 譜面もありました。田中裕子さん が映画の中で 歌ってました。youchub にもでてましたよ。

投稿: 伊藤 光春 | 2022年12月20日 (火) 15時08分

 先ほど新聞を取り込むとき、外の空気が冷たく思わず「冬の星座」を口ずさんでしまいました。そのあと直ぐ「歌ものがたり」を開けると伊藤さまが冬の星座にコメントを寄せられていました。ちょうど今時分に口ずさんでしまう歌ですね。二木楽団の演奏を聴きながら歌詞を読んでいると脳内に夜空が広がってきます。佳い歌詞ですね。堀内敬三の日本語詞はどれも抒情に満ちていて素晴らしいなあと思いながらいつも曲を聴いています。
   木枯らしとだえて さゆる空より
   地上に降りしく 奇しき光よ
   ものみないこえる しじまの中に
   きらめき揺れつつ 星座はめぐる
「ものみないこえる」は「全てのものが憩える」なんですね。この転換がいいですね。

 先日ふたご座流星群を近所の高架橋から見に行きました。いつもの流星群は午前3時頃からピークということなので、夜中に起き出して見にいくのですが、寒い中収穫なしで帰ってきます。我ながら酔狂だなと思いながら帰路につきます。

今回のふたご座流星群のピークは午後10時頃なのでラッキーと思いながら、栄橋へ行くと先にアベックが一組、高校生ぐらいが一人いました。その晩は風もなく暖かく、夜空が晴れ渡っていました。都会ですが、星が煌めいていました。

しばらくいたのですが、見つけられなく首も痛くなり帰ることにしました。後ろ髪を引かれるように夜空を見上げると一つ、星が走りました。あっという間でした。・・・ 家のベランダ(2階)で空を見上げてオリオン座の左上を見ていると、スーとはっきり流れて行きました。今まで何回か夜中の寒い中見に行っていたのですが、こんなにスッキリと見えたのは初めてです。ここ数年の想いが叶いました。

流星群を見始めたのは10年ほど前からです。最初の頃は空蝉橋から見ていて、薄く走る流れ星を見つけていました。やはり心残りがありベランダから夜明け前の夜空を見上げていると、雁(?)が一列になって飛んで行ったのです。初めて目にした光景でした。「渡り鳥が一列になって飛んでいる!絵と同じ!」嬉しかったですね。

投稿: konoha | 2022年12月20日 (火) 18時35分

うた物語交流掲示板を見てください。

投稿: 細川 和代 | 2022年12月22日 (木) 14時53分

美しい星空を美しいメロディーで表した、すばらしく美しい歌曲ですね。 皆さまのコメントにもその賛辞が感じられます。

先日冬至の夜、雪の残った中を、幼いころの寒稽古を思いだして、外に出て、ゲートボール場で木剣を振りまわした。 このところコロナ禍で屋内に閉じ込められているのが辛い。 三十分も動いていると身体もほてってくる。 ベンチで休んでいて、つと見上げてみても、空は真っ暗だった。 冬の新月期、雲がなかったらさぞかし星が美しく見えるだろうなと思ったりした。
そのあとお風呂の中で、ふっと思い出したのが、この「冬の星座」だった。 実にいい曲だと思う。 歌ってみてもとても気持ちがゆったりとしてくる。
最初にこの曲を覚えた頃、まず私の心を捉えたのがその歌詞だった。 なんとも素晴らしい詩文ではありませんか。 つくづく日本語というのは優れた言語だと思った。
(勿論、堀内敬三だけではなく、往時の詩人たちの歌詞、みな美しい。 古典、漢文の素養が豊かなんでしょうか)
私は名歌曲というのは詩文の情をメロディーが巧く表現しているものだと思っていて、いつも、素晴らしい歌詞を巧みにメロディーの乗せる、その作曲家たちの技を感心してしまうのだ。 この場合は、もともとあるメロディーに、原詩には関係がない新たな詩文を合わせてしまっている。 詩文とメロディーが情感的に一致しているのだ。 見事な技であると思う。
堀内敬三の作品でも最高の歌曲だと思う。

満天の星空は美しい。 まったく、Cielito Lindo だ。 ただ近年日本では見上げる夜空の星の数がめっぽう少なくなったのではないかと思う。
一昨年友人と二人で日本中を廻る旅に出たことがあった。 多くは旅館、ホテルに泊まったが、幾度も海岸や山奥でテントを張ったりして過ごしたこともあった。 ある時、山奥のある村の公園地にテントを張った。 夜空は良く晴れていて、新月の頃で星が満天に輝いていた。
友人がふっと言った。
「星の数が随分少なくなっちゃってるね。」
「そだねー、ガキの頃にはもっとびっしりだったよね。」と私。
「うん、日本の上空はもう日本中の灯りが乱反射して小さい星の光がここまで届かなくなっているんだね。 残念なことだね。」

私はつと、以前アフリカでの星空の事を思い出し、彼に聞かせた。
モザンビークのサバンナの中に居た頃の事、ほぼ毎日、仕事が終わって夕食前と寝る前、部屋のベランダに出てジョニ黒をすすりながら時を過ごすのだった。
(部屋に居てもすることがないし、外には出ても何もない。)
サバンナ中にも村の中にも灯りが殆どないし、ベランダの私のまわりは(危険だから)暗くしてある。 サバンナの空気は澄み切っていて湿気がない。 その星空はすごかった。月がない時の夜空は、星が静かに瞬くなんてものではなくゴーカケンラン。
日本の北上川で星を数えていた人に見せてあげたいなんて思ったりもした。

友人曰く、
「アラビア辺りの砂漠もそうなんだろうな、隊商たちが満天の星を仰ぎ見ながら、星座などこしらえたりしたんだろうな。」

日本ではもうそれ程の星空は見られなくなってしまったのだ。 なにより日本の自然を愛していた友人は、なんとなくさびしそうだった。

社会生活が盛んになってのことだから仕方がないのかもしれない。
だけど、日本人にはまだ星や月の美しさを讃える心が遺っているし、昔からの詩文、和歌もたくさんある。
それで良しとしようじゃないか。
本当に、たとえばこの「冬の星座」は日本の宝のように思えてしまうのだ。

”ほのぼの明かりて 流るる銀河
 オリオンまいたち スバルはさざめく、、、”

なんと美しい詩文だろう、涙さえ出てくる。


投稿: 田主丸 | 2022年12月25日 (日) 22時20分

『冬の星座』は、歌詞(堀内敬三 作詞)もメロディも素晴らしく、子供の頃から好きな歌です。
大宇宙を謳った歌ですので、朗朗とした歌声が似合うように思います。多くのミュージシャンが歌うなか、殊更、由紀さおり・安田祥子さん、島田祐子さんの歌声がお気に入りです。

この歌には、遠い昔、まだ大学生だった頃の思い出があります。
昭和30年前半、ある日の午後、寮の自室で、何気なくラジオを点けましたら、少年が歌うこの歌が流れてきました。さて、どんな番組だろうかと、引き続き聴いていましたら、NHKラジオ第2放送による教育番組でした。
この歌の歌詞1番を題材にして歌わせて、ある少年の声変わりの推移状況を、小学生から中学生へと成長にあわせて追跡調査したものでした。という訳で、同じ少年による、ボーイ・ソプラノから大人の歌声まで、番組中なんどもこの歌(歌詞1番)が登場し、その都度の名解説にも引き込まれて、ついつい最後まで聴いてしまいました。
”なるほど、このように声変わりしてゆくのだ”と、大いに印象に残りました。

実は、私の、『二木紘三のうた物語』への投稿第1号は、『冬の星座』として、上記の内容(主旨)で作成していましたが、何しろ初めてのネット投稿ゆえ、おっかなびっくりと、不案内で、投稿にまでは至りませんでした。〔私の実質的投稿第1号は、『青春のパラダイス』(’15-12-23)となりました〕
このたび、初投稿当時のことを思い出し、再作成致した次第です。

投稿: yasushi | 2022年12月31日 (土) 13時25分

冬は乾燥しているので天体観測には適しています。冬は日本から見える1等星が多い季節の為明るい星が多く見られます。若い頃お客様の浴衣を一杯に干していた物干し台の上に上がって星を眺めるのが楽しみでした。北斗七星やオリオン座カシオペア北極星興味が尽きません。それぞれにまつわる神話も面白いですね。宗像市の北斗の水汲みも世界でも珍しい9月から10月に見られます。柄杓が水を汲むように丁度海面すれすれにみられるそうですよ。オリオン座がさそりを怖がって後から出るのもなるほど神話って面白いね。冬の星座この時期歌いたくなります。中学校の歌もずっと心に残っています。

投稿: Kazuyo | 2023年12月12日 (火) 09時03分

2013年の吉沢様の書き込みにありますように、この歌はC&W歌手、エディ・アーノルドが1948に録音し、よりポピュラ―になったと思われます。エディの人気は記録によれば、同年のビルボード誌のC&W部門の年間チャートの53週のうち、何と52週が彼の新曲がトップになったという空前絶後に近い凄さだったようです…。
  
 このエディによるヴァージョンは、二木様の解説にある「コーラスの部分」をちゃんと歌っていることにも価値があるのではないか?と思われます。私も、エディ以外の歌手がコーラス部分を歌ったのを聞いたことは皆無だったように記憶します。それにしても、きれいなメロディですねえ…。

投稿: ジーン | 2023年12月13日 (水) 12時01分

『冬の星座』は、中学で学んで以来、大好きな歌です。
題名にあるとおり、冬の大宇宙(星座)が謳われていて、壮大感を憶えます。

二木先生の《蛇足》によれば、”堀内敬三が日本語詞をつけ、昭和22年(1947)に中学の音楽教科書に掲載されました”、また、” それ以前は国文学者で歌人の中村秋香が作詞した『他郷の月』という歌詞で歌われていました”と、あります。なお、『他郷の月』の作詞は、明治44年(1911)のようです。
『他郷の月』という歌詞で、どれほど多くの人々に愛唱されたかは分かりませんが、私にとって、この歌を学んだ経緯から、『冬の星座』一択となります。

さて、この歌から、同じく大宇宙を謳った、『星の界(よ)』を思い浮かべます。
二木先生の《蛇足》によれば、”わが国では、杉谷代水(すぎたに・だいすい)が宇宙の雄大さをテーマとした『星の界(よ)』という歌詞をつけました。この詞は明治43年(1910)発行の『教科統合中学音楽(二)』に掲載されました”と、あります。
この歌は、
  ♪月なきみ空に きらめく光
    嗚呼(ああ)その星影 希望のすがた…♪
と、今も広く歌われているものと思います。

このように、明治後期の同じ頃に、アメリカから長調で明るく美しいメロディの二つの歌曲が導入され、それぞれ原曲とは異なる日本語歌詞が付けられて学校音楽に供されたわけです。その後、年月を経て、片一方については新しい歌詞が作られ、ともに大宇宙を謳った歌として、今も多くの人々に愛唱されていると思うとき、不思議な縁・つながりを思わずにいられません。

投稿: yasushi | 2024年12月 8日 (日) 16時25分

 本曲には「ヴァース」と呼ばれる、本メロとは違ったパートがあります。歌詞の部分をご覧くだされば、
   
 (Chorus:)  
   Mollie, fairest, sweetest, dearest,
   Look up, darling, tell me this;
   Do you love me, Mollie darling ?
   Let you answer be a kiss
 
がそれに当たります。お聞き下されば、これが有ることで一段と素敵な曲になっていると思われますが…

投稿: ジーン | 2024年12月 8日 (日) 20時56分

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