東京ワルツ
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:西沢 爽、作曲:服部レイモンド、唄:千代田照子
1 燃える夜空のネオンは移り気 2 ビルの谷間の小さな陽だまり 3 みんな誰かを愛しているのよ |
《蛇足》 昭和29年(1954)1月に千代田照子の歌でコロムビアからレコードが発売されました。のちに井上ひろしがカバーしています。
服部レイモンドは本名服部逸郎で、明治40年(1907)、横浜で生まれています。
慶應義塾大学卒業後、日本放送協会(NHK)にアナウンサーとして入局しましたが、すぐにやめてハワイに音楽留学、帰国後作曲家として活躍するようになりました。
日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権データベースには、本名、服部レイモンド、レイモンド服部の3つの名前で作品が登録されています。
クリスチャンで、レイモンドは洗礼名。戦後、それを筆名として使い始めました。洋楽や洋楽っぽい作品にかかわる仕事のときは服部レイモンドまたはレイモンド服部という名前を使っているようですが、はっきりした使い分けの基準はないようです。
クラシック系の作品から歌謡曲、映画音楽など幅広いジャンルを手がけており、作詞・訳詞からエッセイの執筆まで行う多才な人物でした。
歌謡曲では、『東京ワルツ』のほか、『ヤットン節』『忠治子守唄』などのヒット曲があります。
また、慶大の応援歌『おお我が慶應』は、作詞・作曲ともレイモンド服部の手になるものです。
昭和48年(1973)没。
(二木紘三)
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コメント
この曲は私の青春真っ只中20代に仕事(ラジオ放送)の関係で事ある毎に聴いていたため、いまだに記憶に留まっている歌です。(千代田照子)の原曲はいまだに聴いたことありませんが、地元の歌手が情感豊かに歌唱していたのが印象的でした。
ところで「東京」というご当地ソングは30曲以上ありますが、当のコロンビアからもカラオケで出版されてなく現在は二木氏ともう一方のサイトでしか聴くことが出来ません。特に mp3 ではこのサイトが唯一ではないでしょうか。
戦後10年を過ぎ10代の”美空ひばり”がヒット曲を連発し他の歌手の影が薄くなった時代に、この「東京ワルツ」は埋もれていったのかもしれません。
歌詞・メロディ共に優しい当時のキャバレーと若者の青春像を彷彿とさせる名曲と思っています。
投稿: SOFTT | 2007年6月12日 (火) 14時51分
歌の1、2節目のメロディーの記憶があります。井上ひろしが「雨に咲く花」を歌ったのが昭和35年でしたから、この歌もその頃にカバーされたのでしょうね。そのころ私は高校生でブラスバンドをやっていました。「コバルトの空」という行進曲を練習していて、楽譜に、「作曲 レイモンド服部」とあったのが記憶に残っています。レイモンド服部がこのような歌謡曲も作っていたのことをこのサイトで知りました。
それにしても、この歌のメロディー、なかなかいいですねーー。何回も聞きました。ただし、歌っていて、歌詞とメロディーがどうも合わないんです。どこかに楽譜付きがありませんか。
投稿: 佐野 教信 | 2007年12月 9日 (日) 11時44分
レイモンド服部という都会的な名前の名曲と、西沢爽の都会のアンニュイと青春の甘く苦い雰囲気があいまって、当時の私の気分を大いにセンチにさせてくれた名作品です。
ただ、残念なことに覚えきれないうちに耳にしなくなってしまい、40年くらい経ちました。その間時々思い出して覚えたいの思い、テープ、CD、カラオケ屋などにないか調べましたがありませんでした。「そうだ、二木さんのサイトにあるかもしれないな」、そう思って調べたら案の定ありました。本当にうれしかったです。ただ、この曲はけっこう節回しが難しいところがありますね。おかげさまで何回も聞いて歌えるようになりました。感謝しています。ただ、人前でカラオケで歌いたいのですが、載ってなくて残念です。
でも、そういう時はパソコンを開いてこのサイトで歌っています。私と世代がさほど離れていないようなので、なつかしい名曲ばかりでうれしいです。ありがとうございます。
投稿: 吟二 | 2008年4月25日 (金) 17時40分
上記のコメントを書いた吟二ですが、先日カラオケに行って、ふと、「東京ワルツ」という曲があるのを発見して、もしやと思い見たら、井上ひろしで登録されていました。千代田照子とばかり思っていましたから、気がつきませんでした。機種はDAMです。
このサイトで曲を思い出し歌えるようになっていたので、懐かしく、二回も続けて歌ってしまいました。ありがとうございました。今後も私の持ち歌のひとつとして、歌い続けるでしょう。私は週一回、ひとりでカラオケに行きますが、そこで6時間半(約100曲)歌いますから。
投稿: 吟二 | 2008年7月27日 (日) 06時16分
Youtubeに原盤が掲載されております。
ご参考のため・・・
http://www.youtube.com/watch?v=NbItyWtNXSM
投稿: 松原虹 | 2009年10月18日 (日) 23時03分
松原虹様ありがとうございました。50数年ぶりに原曲に接し、当時の3分間というレコード業界の制約から、どんな歌唱をしていたのか疑問が解けました。
吟二様この曲を歌って居られるとのこと、是非聴かせてほしいものと思っていますよ・・・。
投稿: SOFTT | 2009年10月28日 (水) 00時05分
1942年生まれです
なぜかこの曲は、耳に残っています
YOUTUBEに大月みやこが歌っています
とてもいいですよ
投稿: 定男 | 2009年12月13日 (日) 01時17分
定男 様
youtubeで大月みやこが歌っているのを聞きました。千代田照子のは昔なつかしい歌い方で戦後の闇市などを連想させる雰囲気がありますが、大月みやこのは、ふしぎにそれをあまり感じさせませんね。新しくカラオケボックスなどでキャンペーンしたら売れるんじゃないでしょうか。
共にとてもしんみり聴きました。教えてくださってありがとうございました。
投稿: 吟二 | 2009年12月14日 (月) 21時24分
全体的に音色が綺麗ですが、「七色の雨にうたう」の木琴のような音が特に良いですね。
投稿: 海道 | 2009年12月15日 (火) 16時02分
作曲家さんのペンネームと相俟って、とても素敵な雰囲気の曲ですね。
YouTubeにあった動画の解説で、この曲は渋谷駅で踏み躙られた花束がモチーフだとありました。その渋谷駅も東横線のホームが地下に潜ったり、「メトロ」がデパートの三階を貫いて止まらなくなったりと、昔からの面影が消えて行くのが寂しいです。
あと何十年もすれば、この曲が作られた頃の渋谷をイメージできる世代が少なくなると思うと、また切ないですね。
投稿: 貴ちゃん | 2013年1月 6日 (日) 15時53分
「哀愁日記」についての原稿を投稿し終えて(「哀愁日記」の項 '20-5-29の拙投稿をご参照)、しばらくすると、その曲想に触発されたからでしょうか、♪燃える夜空の ネオンは移り気…♪という歌が浮かんできて、なかなか離れません。
”はて、 何の歌だったろうか?”と思い巡らすと、「東京ワルツ」でした。
この歌は、偶然にも、「哀愁日記」と同じ、昭和29年の歌で、当時、私は高校生でした。
殆ど忘れかけていた歌ですが、今、改めて、YouTubeで、しみじみ、千代田照子さんや井上ひろしさんの歌声を聴いていますと、なかなかいい都会ソングだなあとの思いが湧いてきます。
投稿: yasushi | 2020年6月16日 (火) 13時31分
1942年生まれ、何故かずーと心に残ってる歌です。私17歳、夫22歳から交際、其の5年後結婚。この唄を口ずさむと、夫と良く歩いた渋谷を想い出し、切なくなり、自然に涙が溢れます。この年で。交際期間含め共に歩んだ60年。今年1月1日私の誕生日を外して2日,夫は81歳で旅立ってしまいました。この唄の通り、メトロに乗り込む背の高いかっこ良かった夫がしのばれます。
投稿: レイコ | 2020年9月18日 (金) 23時32分
この曲を聴きながら、レイコ様のコメントを読みながらジーンと来ています。最近、ハコベの花様、夢見る薔薇様のコメントも読みながら女性の情の深さって良いなあ、女性に思われる男は幸せだな~って思います。渋谷の駅前は毎日歩いています。
投稿: yoko | 2020年9月19日 (土) 22時15分
レイコさまの誕生日を見てから旅立たれたご主人様はお優しい方ですね。夫婦ってつくづく不思議な絆で結ばれた二人だと思っています。今年の1月に結婚式を挙げた処で金婚記念日をしました。二人の出会うまでの幼少からの年代を平行に並べたアルバムをお手製で作りました。
「なぜめぐり逢うのかを 私たちはなにも知らない いつめぐり逢うのかを 私たちはなにも知らない
どこにいたの 生きていたの 遠い空の下 二つの物語・・・」
中島みゆきの「糸」の歌詞の一部を最初のページに書きました。このアルバムをめくっていると、全く関係のないどこの誰とも分からない二人がある日偶然に出会って、長い年月を共に過ごしているのです。全くの奇しき縁(えにし)としか思えません。
投稿: konoha | 2020年9月20日 (日) 16時40分
「東京ワルツ」この曲が発売された『昭和29年』は、私が生まれた歳ということもあり、先ずはそのことに俄然興味が湧き、ここで初めてこのメロディを聴いたのが、私がこの歌を好きになるそのきっかけでした!
それ以来、私は折に触れてはこのページを頻繁に開くようになりました。名称:西沢爽のハイセンスな詩の魅力もさることながら、私は何と云っても服部レイモンドのこの素晴らしいメロディに一瞬で心を惹きつけられてしまう自分がいます。前奏・間奏・そしてまた、あっと云う間に終わってしまう、その短いエンディングメロディさえも、私は新鮮さを感じるほどです。私は時折ここで、巧みなアレンジ力が駆使されたであろうと強く実感して止まない、そんな二木先生の名演奏を聴いていると、いつの間にか知らず知らずのうちに、服部レイモンドのその素晴らしいメロディに魅了されていることに気づかされます。
「東京ワルツ」というこの曲のタイトルの響きもそうなのですが、現在の私にとって、服部レイモンドの魅力溢れるこの秀逸のメロディは、これから先も私の脳裏にいつまでも残り続けていくだろうと思えるほどの大好きなメロディになりました。
投稿: 芳勝 | 2023年9月23日 (土) 14時31分