(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:吉岡 治、作曲:弦 哲也、唄:石川さゆり
1 隠しきれない移り香(が)が いつしかあなたに浸みついた 誰かに盗(と)られるくらいなら あなたを殺していいですか 寝乱れて隠れ宿 九十九(つづら)折り 浄蓮(じょうれん)の滝 舞い上がり 揺れ墜(お)ちる 肩の向こうに あなた 山が燃える 何があってももういいの くらくら燃える火をくぐり あなたと越えたい 天城越え
2 口を開けば別れると 刺さったまんまの割れ硝子(ガラス) ふたりで居たって寒いけど 嘘でも抱かれりゃあたたかい わさび沢 隠れ径(みち) 小夜時雨(さよしぐれ) 寒天橋 恨んでも恨んでも 躯(からだ)うらはら あなた 山が燃える 戻れなくてももういいの くらくら燃える地を這って あなたと越えたい 天城越え
走り水 迷い恋 風の群れ 天城隧道 (すいどう ) 恨んでも恨んでも 躯うらはら あなた 山が燃える 戻れなくてももういいの くらくら燃える地を這って あなたと越えたい 天城越え |
《蛇足》 昭和61年(1986)。
『津軽海峡・冬景色』と並ぶ石川さゆりの代表曲。
『天城越え』といえば、松本清張原作で、渡瀬恒彦、田中裕子、吉行和子、樹木希林、平幹二朗などが出演した映画(三村晴彦監督)が忘れがたいですね。
14歳の少年が母親の情事を目撃、裏切った母を許せず、一人旅をする。天城峠で少年が出会ったのは、やさしい娼婦・ハナだった。やがてその一途で純粋な心が、不条理ともいえる殺人にまでエスカレートする――といった内容でした。
この映画とは関係なさそうですが、この歌を聞くと、映画に描かれた天城峠の景色が浮かんできます。
写真は浄蓮の滝。
(二木紘三)
コメント
女の情念がこれほどメラメラと燃えあがっている曲はないでしょう。映画『天城越え』では人間の業・罪深さを思い知らされますが、この歌では女の愛・業の深さに圧倒されそうです。
「誰かに盗られるくらいなら あなたを殺していいですか」という歌詞を聴くと、あの阿部定(あべさだ)を連想してしまいます。伊豆を背景に「恨んでも恨んでも 躯うらはら あなた 山が燃える」などと聴くと、なにか怖い気分になってしまうほど、とにかく迫力のある歌詞です。
そうは言っても、石川さゆりさんのような女性から「・・・あなたを殺していいですか」と囁かれれば、大抵の男はフラフラっとなってしまうでしょう。
投稿: 矢嶋武弘 | 2008年6月 4日 (水) 11時51分
「天城越え」の二番の後半に「天城隧道」に「すいどう」とふり仮名がふってあったので、最初「ずいどう」の間違いとおもいました。辞典を見ると、「すいどう」とも読むとありますので、このままでもいいのでしょう。でも、普通は「ずいどう」を読むので、ここもやはり「ずいどう」とふり仮名をふった方がいいのではないでしょうか。普通は誰でも「ずいどう」と読むと思いますので。いかがでしょうか。でないと誰でも「ずいどう」の誤りと勘違いするでしょう。念のために、メールしました。
投稿: 城 保 | 2008年7月19日 (土) 09時48分
城 保様
隧をスイと読むのは漢音、ズイと読むのは呉音ですから、隧道はスイドウ、ズイドウのどちらでもよいと思います。
ただし、戦前から戦後しばらくまで、学校では、正しくはスイドウで、ズイドウは誤読と教えていたそうです。石川さゆりの歌を2種類聞きましたが、字幕にはズイドウと出ているのに、彼女はちゃんとスイドウと歌っていました。
ただし、地元では昔から天城ズイドウと呼ぶ人が多いようです。(二木紘三)
投稿: 管理人 | 2008年7月19日 (土) 14時00分
「しろばんば」では明確にひらがな表記で
「ずいどう」とあります。
井上靖は、幼少時の「ネイティヴ」の発音を
そのまま写したのでしょうね。
投稿: 若輩 | 2008年7月19日 (土) 22時06分
私の小学生時代の昭和30年前後、父が「隧道」を「すいどう」と読んでいたので、これが当たり前だと思っていました。「ずいどう」という人がいることを知ったのはそれから大分たってからでした。
私の知る限りですが、国語辞典では「ずいどう」を慣用読みとしています。
石川さゆりが「すいどう」と唄っているとは知りませんでした。おもわずニヤッとしました。気持のいい話ですね。
投稿: 周山 | 2008年7月21日 (月) 00時59分
日本語を正しく伝えて行く為には、この様な議論も必要だと
思いますが、意味が通じれば、良いのではと思います。
私も何回か訪れたことがありますが、「ずいどう」と信じて
いましたので、プレートを見た事がありません。
投稿: M.U | 2008年7月22日 (火) 07時49分
歌は心の走馬灯
人生 絵模様 歌舞台…
管理人さまが解説をなさっておられる内容を
素直に拝聴させていただくだけでもありがたいと
思わんならんと、かように感ずるしだいです。
振り仮名ひとつでこんなに盛り上がるのは
何か少し違うと思うのです。この歌の伝えたい『心』の
部分で盛り上がりたいものです。
投稿: パンプキン | 2008年7月23日 (水) 21時47分
《蛇足》を拝見し、映画「天城越え」をもう一度見たくなりDVDを借りてきました。やはり素晴らしい映画でした。
巻末「シネマ紀行」のナレーションでは、はっきり「スイドウ」と言っていました。私もこれから「スイドウ」と読み、歌おうと思っています。
投稿: 林 一成 | 2008年7月24日 (木) 00時29分
いろいろなご意見があって、面白いです。文法上ではいくつもあるのでしょうが、要は、歌詞が すいどう になっているのですから、それでいいのではないでしょうか。作詞にトンネルとなっていれば、石川さゆりさんもトンネルと、歌はなければ、ならないのでしょうから。
でも、こういうことで、議論するのも楽しいです。
投稿: 羽田光利 | 2008年11月 8日 (土) 22時06分
私は、「隧道」は若いときは「ずいどう」と読んでいました。
石川さゆりも初期の頃は「ずいどう」と歌っており、何も違和感を感じていませんでした。
ところがある時、辞書を見ていて「すいどう」と読むことを知り、鉄道のものは「ずいどう」とも言われることを知りました。
その後暫くしてテレビで歌っているのを注意して聞くと、「すいどう」と歌っているように聞こえました。
ちなみに、私も持っているCDには「ずいどう」とふりがながあり、実際にはっきり「ずいどう」と歌っています。
誰からか指摘があったのでしょうか。
投稿: 卓 山 | 2008年11月10日 (月) 12時57分
「すいどう」と「ずいどう」のどっちでもいいと思いますが、広辞苑・大辞林とも、「すいどう」に主たる説明があり、「ずいどう」は補足的な説明に留まっていました。
もう1つ、自分は「ずいどう」と覚えていたから、「ずいどう」が正しいというような主張は意味がないと思います。
投稿: 松山 | 2008年11月10日 (月) 18時27分
「隧道」について、N・Oさんから次のような情報をいただきました。みなさんのご参考までに。
>隧道は、正式には「すいどう」ですが、
>土木分野では同音の水道との混同を避け
>るため、あえて「ずいどう」と呼ぶ、と
>大学で土木の教官から教わりました。
投稿: 管理人 | 2009年1月26日 (月) 22時16分
隧道の読みについて諸説が飛び交っていることを此の歌へのコメントから識りました、小生の持つ漢検辞典(最近事件になった漢字能力検定協会発行)ではずいどう”は山腹、海中、地下を掘り抜いた道とあり、すいどう”と読めば棺を埋めるために斜めに掘り下げた墓への通路だと書かれています。永年漢検受験者の小生としては出題されれば”ずいどう”と仮名付けしたいと思っています。
投稿: y.okamoto | 2009年3月 1日 (日) 15時51分
正確な漢字の読みと意味との、議論を拝見させていただき面白く思いました。真剣なご意見の方には失礼なのかもしれませんが、お詫びをして (*_ _)人ゴメンナサイ 。
私は、詩の韻と響く感じ、という事を思いました。石川さゆりさんが情念を表現して、取り憑くような激しさの中では、『あまぎずいどう』と濁った表現の方が心に響くと感じましたが、稚拙な意見として提案しますι(´Д`υ)アセアセ。
投稿: 沙 比呂 | 2009年8月22日 (土) 19時07分
上記、「隧道」をめぐるやり取りを今楽しく拝見しております。パンプキンさんのコメントには失礼ながら笑ってしまいました。それは、贔屓の引き倒しとゆうものです。お代官様ではないんだから、管理人氏もそんな事、望んではおられないと思いますよ。
実際、城保さんのコメントから、土木関係の情報にまでつながって新たな知識の広がりを見る事ができましたからね。
ただ、(他の曲のところでも書きましたが)さしたる根拠もなく、鬼の首でも取ったようなコメントが多々見られるのは、いただけませんけどね。
投稿: 前田 | 2010年1月23日 (土) 23時42分
私がかなり前に買ったCDでは石川さゆりは「ズイドウ」と歌っていましたが、あるとき偶然目にしたYouTubeの動画(テレビの歌謡番組をコピーしたもののようでした)では、はっきり「スイドウ」と歌っていました。皆様のコメントを拝見して、この動画を探してみましたが、見つかりませんでした。YouTubeの動画って、すぐ入れ替わってしまうんですね。
石川さゆりも、いろいろな人から隧道はズイドウだ、いやスイドウが正しいと言われ、歌う時期によってズイドウとしたり、スイドウと歌ったりしたのでしょう。
投稿: 石川ファン | 2010年1月24日 (日) 00時38分
石川さゆりファン2です。
4年ほど前に、石川さゆりさんの歌ういろいろな「天城越え」をあつめたマイCD「「天城越え・三昧」を作成したことがあります。そのときに16種類(下記の参照①~⑯)の「天城越え」を収録していますが、チェックしたところ、「天城隧道」の部分を歌っていない1種類を除き、すべて「ずいどう」となっていて、「すいどう」と歌っていたものはありませんでした。
①1986/7/21発売シングル「天城越え」、②1986/12/31NHK番組、③1987/7/12NHKFM番組、④1987/10/1リサイタルCD、⑤1988/5/12NHKFM番組、⑥1988/12/11NHKFM番組、⑦1991/1/17リサイタルビデオ、⑧1991/5/11NHKFM番組、⑨1995/1/9NHK番組、⑩1995/12/16発売CDアルバム収録の新録音「天城越え」、⑪1999/3/1NHK番組、⑫2000/6/13NHKBS番組、⑬2002/12/31NHK番組、⑭2003/4/6テレビ東京番組(歌唱なし)、⑮2005/6/29コンサートDVD、⑯2005/11/26NHKBS番組
なお、「天城越え」についてのレコード(CD)録音は2バージョンあります。上記の①と⑩です。いずれも「ずいどう」です。
今回さらに追加で次の5種類についてチェックしました。追加①1994/7/12NHK番組、②1995/10/24NHK番組(歌唱なし)、③1996/2/6NHK番組(歌唱なし)、③2003/1/4NHKBS番組、④2004/1/13NHKBS番組、⑤2008/1/18NHKBS番組
やはり、歌唱なしの2種類を除き、いずれも「ずいどう」でした。
YouTubeでご覧になったことがあるとか、「すいどう」となっているものがあれば、ぜひ聴いてみたいですね。
現状はこのようなものです。これからは、ぼちぼちと、少し気にかけながら「天城越え」を聴いてゆきます。
投稿: also70silove10 | 2010年3月 6日 (土) 00時35分
石川さゆりファン2です。
今朝再び聴いてみると、昨日記載例の⑫2000/6/13NHKBS番組 では、「すいどう」となっているように思います。YouTubeに「天城越え 石川さゆり 2000年 Ishikawa Sayuri」でアップされているので、気になるかたはお聴きください。
投稿: also70silove10 | 2010年3月 6日 (土) 09時42分
第63回NHK紅白歌合戦での「天城越え」・・・お三方最高の名詩・名曲・名唱は幾度聴いてもウットリでした。
そして今回初めて見たのMISIAとバックの砂の色等僅か4~5分間(?)の演出の素晴らしさに超感動。そしてふと、数回の下見や準備やライブ送信料等の費用はいくら?ウン百万円?かかったのか?・・・等々キッチリ受信料を払っている手前にとってすこ~し気になりました。
投稿: 尾谷光紀 | 2013年1月 2日 (水) 11時59分
この歌は一応はご当地ソングとよべるでしょう。浄蓮の滝、寒天橋とか出てきます。観光客を集めるのに力があったと思います。しかし、歌詞がなかなかしぶいので、ご当地ソングと、軽くよんでは失礼かもしれません。
歌詞に「つづらおり「「天城越え」とあるので、川端康成の『伊豆の踊り子』や松本清張の『天城越え』を読んだ人には、そのイメージがでてきます。
似たような歌に『風の盆恋歌』があります。高橋治氏の同名小説のイメージの上に、どうしても重なってしまう歌です。
このふたつの歌(偶然、どちらも石川さゆりですが)はよくいえば 日本の詩歌の伝統「本歌どり」、悪くいえば「二匹目のドジョウねらい」のように感じてしまいます。
清張の『天城越え』に関連してです。清張の作品にはたくみにその土地の風土を取り入れたものが多いです。ほかに『ゼロの焦点』の能登金剛、『点と線』の福岡・香椎(かしい)海岸など・・。石川県や福岡県を出張などで通るたびに清張の作品を思い出します。それは清張に読みふけっていた若き日の自分を思うことでもあります。
投稿: 浮舟 | 2013年12月22日 (日) 00時15分
初メールです。
勉強になります。
この歌は、テンションが上がります。
投稿: おがわ | 2014年11月13日 (木) 23時43分
吉岡治さんって凄い!
「戻れなくとも もういいの
くらくら燃える・・・
と、情念の世界え身を投じたい女ごころを、
男の方が何で知ってんの?
あたしにも地底でめらめらと燃える小さな炎が息づいているのかしら?
怖い!
あれは歌詞でなくて
情艶詩よね
Au revoir
投稿: トッコ | 2016年4月13日 (水) 10時54分
昔は、各企業が全国の有名行楽地に保養所(現在でも保有している企業はある)を設けていました。
私の勤務していた銀行も、関東甲信越を中心に10カ所程保有しており、其の中に伊豆高原がありました。
そんな関係もあり、子供の小さい頃は家族で良く利用しましたが、10年ほど前に夫婦だけで、ここを利用し東西の伊豆半島を踏破しました。伊豆の踊子の足跡、天城越え、やはり伊豆下田は最高の行楽地と思います。特に天城越えは松本清張の同名小説もあり、ロマンの在る地ですね。
そんな銀行の保養所も現在総て老朽化を原因に廃止となりました。
投稿: タケオ | 2016年8月16日 (火) 14時17分
神戸の垂水にハーモニカ友の会があります。定年後本格的に始めた学友の誘いでコロナに負けず行ってきました。総勢30名位がソロやチームで熱演しており、コードやバスという伴奏専門の大型ハーモニカなど珍しいものを見ました。
おおとりは長年指導されている先生で、御年95歳、兵隊の時忍ばせたハーモニカで戦友を慰問したという筋金入りです。指揮するときはさすが椅子に腰かけられていましたが、とりの曲「天城越え」は立ち上がり、身を震わせて熱奏されました。トッコさんに何故と言われそうですが、ご老体が情念込めて肺活量一杯に演奏されていました。
「風の恋盆歌」の静かな旋律に比べ、夕陽の射す窓、畳に広がる赤い着物、抜け落ちそうな珊瑚の簪などなど、くらくらするようなシーンが想像されます。名曲ですね。
投稿: しょうちゃん | 2020年2月29日 (土) 09時23分
いつ聴いてもいい曲です、でも私はこの曲のいちばん大事な『あまぎ〜ご〜え〜」の部分で音程を外してしまい大失敗に終わりました。
それ以来二度と歌いません、好きなんですが。
投稿: jurian prabhujee | 2020年3月11日 (水) 11時45分
「天城越え」15才で「かくれんぼ」でデビューした石川さゆりが、この曲をヒットさせたのが28才のころですが、この唄が醸し出す女の情念をこれほど見事に表現できているのは、まぎれもなく類を見ない彼女の歌唱力の凄さではないかと私は捉えています!
1977年「津軽海峡冬景色」の大ヒットで待望の花を咲かせた彼女ですが、人気歌手としてのその地位を不動のものにしたのが、この大人唄「天城越え」ではないでしょうか。
現在62才になる石川さゆりですが、紅白出場42回という実績を持つ、現在では日本の歌謡界において、他の追随を許さぬ女性歌手の第一人者だとも私は捉えています。
また、石川さゆりは今年のNHK大河ドラマ時代劇「麒麟がくる」に出演し、主人公明智光秀の母親役を演じていますが、昭和54年当時のテレビドラマ鶴田浩二主演「大空港」では、女性刑事役を演じていました。その当時私はテレビを観ながら彼女の確かな演技力を感じていました。あれから40年が過ぎた現在、大河ドラマで観るその演技には益々磨きがかかっていて、女優としての自信と風格が溢れていました。
「女優石川さゆり」の魅力というコラムで、
>この人の芝居のうまさは偶然じゃない。言葉に即して作られる歌の心情や風景を石川さゆりがこれまで正確な描写で表現し歌ってきたことに裏づけされた芝居のうまさなんです。と、作詞家のなかにし礼は語っていますが、まさにその通りだと私も思っています。
「天城越え」この唄にはそんな実力を備えたアーチスト、石川さゆりならではの歌唱力が発揮されている優れた作品だと思います。
投稿: 芳勝 | 2020年4月 5日 (日) 16時47分
初めて聴きました。 いい曲ですね。
<蛇足>にありますとおり、この曲には関係がないようですが、映画の「天城越え」を思い出しました。
清張の、あの短編もよかったのですが、その映画用の脚本が素晴らしかったと思います。 ひとときも気を緩ませることのないストーリーの進め方、脚本と監督、同じ方だったという記憶がありますが、まさに名人芸というのでしょうか。
出演者がいずれも芸達者ばかりでしたが、特に田中裕子の巧さ、素晴らしさ。 最後の場面、殺人犯だとして巡査に連行されていくとき、それを見つめる少年。 裕子は、多分その少年が実の加害者なのだろうと知りつつ、「いいのよ、いいのよ、これでいいんだからね」という思いを込めた笑顔を件の少年に向けます。 その笑みをたたえた表情の複雑さ、思い出すたびに胸にこたえます。 いえいえ、素晴らしい芸の女優ですね。
この映画、日本映画史上、屈指の名画だと思います。
音楽のサイトで映画の話、すみません。
>蛇足<
個人的な好みを申してすみませんが、田中裕子という女性は、私が最も好ましく思うタイプなのです。 この方の旦那様が、あのヘンチクリンな歌手だと聞いたとき、まさに愕然としてしまいました。 しかし、このヘンチクリンな歌手が、世の女性の方々に絶大な人気があると知って、ウウンとうなってしまいました。 私が、世の女性の方々に絶対にもてないのも、まあしょうがないかなという思いです。
投稿: 田主丸 | 2020年4月24日 (金) 16時51分
この歌が流行る前の若い時伊豆の大島から下田に渡り天城隧道の上から「天国に結ぶ恋」の傍らを通り八丁池に進み万三郎岳、馬酔木のトンネル、万二郎岳とトレッキングをした記憶があります。若いから簡単に走破出来ました。山好きならいいコースでしょう。これも色気の無い一種の「天城越え」ですね。
投稿: 海道 | 2021年6月14日 (月) 08時53分
『天城越え』という題から、私が連想したのは川端康成の『伊豆の踊子』でした。曲の雰囲気も歌詞も随分違うなと思っていましたが、松本清張の同名の小説があるんですね。
私が20代の頃、車で天城トンネルの近くを走っていた時のことです。学生服に腰手拭、下駄の出で立ちで歩いている若者を見かけました。助手席の彼女とその若者をまじまじと見てしまいました。
おそらく、『伊豆の踊子』の主人公を実体験してみようとしたのだと思います。
投稿: Yoshi | 2021年6月16日 (水) 12時01分
(文中敬称略)
※このコメントには18歳未満に相応しくない語句が含まれると思うので、18歳未満の方はパス願います。
私はここ数年ストリップショーを観劇するのを趣味としており、今年も浅草ロック座の正月公演を観劇しました。
ストリッパーを主人公にした桜木紫乃の小説「裸の華」にもありますが、踊りの演目とBGMがいかにマッチするかで観客を感激させるかというのを踊り子は常に考えているそうですが、先述の浅草の公演では、「花井しずく」(何となく20代半ばの頃の森昌子似)という踊り子が「天城越え」をモチーフにした演目を演じておりまして(BGMは石川のオリジナルではなく、別の女性歌手によるパンクロックバージョンを使用)、まさに石川が同曲を歌っている時と同様に花井の演技には鬼気迫るものがあって背筋が冷たくなったと同時に感動を覚えました。
「天城越え」は歌詞そのものが壮絶ではありますが、これは阿久悠やなかにし礼にも言えますがとても「おもちゃのチャチャチャ」(補作詞、1963、原作詞:野坂昭如、作曲:越部信義)や「真夜中のギター」(1969、歌唱:千賀かほる、作曲:河村利夫)と同じ人物が作詞したとは思えないほど吉岡の作詞の幅広さに感服してしまいます。
また、同じ日の昼間には姉妹劇場の横浜ロック座で「水戸かな」という「裸の華」の主人公と同じく今年で不惑を迎える踊り子による、坂本冬美の「夜桜お七」(1994、作詞:林あまり、作曲:三木たかし)をモチーフにした演目を観劇しましたが(こちらのBGMは坂本のオリジナルを使用)、先述の花井と同様に鬼気迫るものがありました。
元の歌い手にしろ、ストリッパーにしろ、壮絶演歌というのは人を惹き付ける魅力があって、いい意味で恐ろしいと思います。
投稿: Blackswan | 2024年2月18日 (日) 09時40分