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2007年8月 4日 (土)

或る雨の午後

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:島田磬也、作曲:大久保徳二郎、唄:ディック・ミネ

1 雨が降ってた しとしとと
  或る日の午後のことだった
  君と僕とは寄り添うて
  雨の歩道を濡れながら
  二人愉(たの)しく歩いたね

2 雨に濡れても二人きり
  或る日の午後のことだった
  肩を並べて寄せ合って
  話し疲れてどこまでも
  二人黙って歩いたね

3 雨が降ってる 今日もまた
  或る日の午後を想い出す
  君と僕とは別れたが
  雨の歩道を濡れながら
  一人黙って歩こうよ

《蛇足》 昭和13年(1938)に発表されたディック・ミネのヒット曲の1つ。戦後、鶴田浩二や石原裕次郎などがカバーしています。
 不器用で、お金もないけれど、肩を並べてひたすら歩くだけで幸せだった恋人たちの物語ですね。戦後の『黄昏のビギン
(永六輔作詞・中村八大作曲)も、同じようなシチュエーション。

 あの日、雨は降っていなかった。それ以外は、この歌と同じ。色褪せることなく続いている遠い日の記憶。

(二木紘三)

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コメント

自分は歌の技術は分かりませんが、ディック・ミネは凄く上手いと思います。
ダンディで周りには今も居ませんね。

投稿: konimo | 2007年10月16日 (火) 02時31分

心地よい懐かしさに浸ります 戦後のなんも無い時代 歌だけが楽しみでした サトウハチロウが言う様に ♪悩み忘れんと 貧しき人は歌い でした 歩道などの無い僻村に居て聞く歌詞の内容は 別世界の物語でした 今は亡き兄と歌い合って 遥かな都会に憧れたものです ではまた  

投稿: 寅  君 | 2008年7月 9日 (水) 19時41分

 ディック・ミネは好きな歌手の一人でした。日本名は三根耕一、VTRでは時たま見ることも有りますが、ステ-ジでは見れなくなり残念です。あのスケベったらしい笑顔が何とも言えなく、軽~く唄う歌声も魅力的です。「ダイナ」・「りんごの木下で」・「夜霧のブル-ス」など名曲を軽く歌いこなすスペシャリスト・・・・・
 マイクが使えない時にはメガホンで唄ったこともあるという。
 ディック・ミネの「ディック」の名前の由来は英語の隠語で♂そのものを指す様です。彼のは特別で、その名が付いたそうな、嘘のようなホントの話。
 「或る雨の午後」、メ-ルのBGMによく使う曲です。それにしても雨が降らない今日この頃・・・・・
 

投稿: Hikoさん | 2008年8月 1日 (金) 09時21分

内外トも懐かしい曲が多いので楽しく、よく聞く。
今後ともたのしみにしている。

投稿: 遠藤裕之 | 2008年12月22日 (月) 21時37分

昭和15年頃の旧制中学時代を思い出し、何時聞いても懐かしい。デックミネさんも疾うに亡くなり、聊か感無量!

投稿: 岩渕 廣 | 2012年9月 7日 (金) 11時00分

 「或る雨の午後」を憶えたのはいつ頃であったかは定かではありませんが、外国曲を思わせるハイカラなタンゴ調メロディに惹かれてか、好きな歌謡曲です。この曲を聴くと、何故か「小さな喫茶店」(外国曲)が連想されます。 
 「港が見える丘」や「喫茶店の片隅で」などと同様、1番で出会いの幸せ感に始まり、3番で別れの喪失感で終わる歌詞が心に響きます。やはり、ハッピー・エンドよりも、哀切感ある余韻を残す方が、人の心に訴えるのでしょうね。

投稿: yasushi | 2017年1月 5日 (木) 15時59分

軽やかで、楽しくて、幸せな気分になりますね。
20代の青年に戻ってダンスのステップで歩道を歩きたくなります。でも今はもうだめなんです。狭心症ですから、胸が痛くなります。とぼとぼとしか歩けません。

人生の節目節目でこの曲のような楽しい気分に浸ったような気がします。中学、高校、大学へ入学した時。サラリーマンとして三つの会社それぞれに入社できた時。初めての海外出張でアメリカの地を踏んだ時。さあこれから頑張るぞ、と身震いしました。

残念ながら女性とのデートは・・・なかったですね。

これから先の人生、どんな嬉しいことがあるかなぁ~。
なんて思います。

投稿: yoko | 2017年1月12日 (木) 12時13分

ディックミネの「或る雨の午後」、懐かしく聞き入って、コメント欄に目を移して、上から順に読み進み、面白いコメントに苦笑いしながら読み終えると、なんと投稿者は見覚えのある人でした! あっという間のひと昔・・・

投稿: Hikoさん | 2017年1月12日 (木) 18時30分

毎日、早朝から仕事に追われ自宅にたどり着きホッとしている今日この頃です。
久し振りで、ディック・ミネのヒット曲「或る雨の午後」の二木オケの名演奏に暫し聴き入ってしまい時を忘れてしまいました。
気が付くと、二木先生の蛇足にあるように、「不器用でお金もないけれど、肩を並べてひたすら歩くだけで幸せだった恋人たちの物語」に思いをはせり、懐かしい中学時代の片想いでの初恋の思い出が蘇ってきました。
お互いに後期高齢者・・・どうなされているのかな?
改めて、二木オケの心に沁みる名演奏に感激です。

投稿: 一章 | 2018年4月30日 (月) 21時04分

最近、私用である若い営業マン(24才)の方と何度かお付き合いする機会がありました。

街を一緒に歩き回って喫茶店を探したり、ちょっとした食事をしたり、彼にとっては仕事ですが私はこの曲のようなウキウキする気分で、楽しい時間を過ごすことができました。

若い青年のスーツ姿、階段を軽々と駆け上る身の軽さ、いいなぁ~、と思いました。

投稿: yoko | 2018年4月30日 (月) 23時06分


一章 様

お久しぶりです。
しばらくコメント拝見しなかったので、お忙しくしてらっしゃるのかな~と、思っていましたが、相変わらずお元気そうで安心しました。

大好きな歌のリクエスト、有り難うございます。

小雨降る歩道を、ただ肩を寄せ合って歩く・・だけの単純な詩ですが、エキゾチックな雰囲気を漂わせるデイック・ミネの歌い方と、背景になんとも言えない郷愁を感じます。 "名曲とは、こうあるべき" と、思います。

投稿: あこがれ | 2018年5月 1日 (火) 09時49分

ディック・ミネはテレビ東京懐メロ番組の常連で“万年不良老年”を自称していたものです(ヒット曲では「旅姿三人男」が好きな曲です)。
カミさんと飼い犬一匹だけの侘しい暮らしのため(子供は家庭を構え独立)宅配利用中ですが、宅配の青年が来週から新人に替わるので今日限りのため握手お願いしますと玄関でニコニコして手を差し出してきたことがあったですが、北関東には?珍しい好青年でした。

投稿: 焼酎 | 2018年5月 1日 (火) 11時17分

あこがれ様
いつも案じていただきありがとうございます。
本日、午後2時過ぎに宅配から帰り、車の中を整理整頓し明日の準備が済んだところでした。
あこがれ様がおっしゃるとおり、名曲と思われる曲はいつ聴いてもその曲の雰囲気の中に吸い込まれ、心が癒され一日の疲れも忘れるようですね!
それにしてもいつも思うのですが、二木オケの素晴らしい演奏には心に迫り感動するばかりです。
二木先生!ありがとうございます。
今後とも名演奏を心待ちにいたしております。
先ほどまで夕食時・・・一人で寂しく薩摩芋焼酎で乾杯・・・今、パソコンンに向かっております。

投稿: 一章 | 2018年5月 1日 (火) 19時57分

私は22歳、貴方は26歳、久しぶりに出会った雨の降る街、私は玉虫色のレインコート、貴方は灰青色のレインコート、見つめあって口もきけず、ただ黙って歩くだけ、「来月結婚するのです」「そう、知らなかった。大丈夫なの」「多分...]・・・・そんな青春が欲しかった。もう一度だけ会って黙って歩きたかった。戻れ!青春!!夢色の雨降る街よ。

投稿: ハコベの花 | 2018年5月 1日 (火) 21時15分

雨の季節がやってきました。
標高940mの六甲山頂辺りでは、雨に濡れたあじさいの花が、今を盛りと咲き誇っています。

どしゃぶり派か、それとも しとしと派か となれば、
私も、yasushi様と同じ、しとしと派になろうかと思いますが・・・雨が続くと年甲斐もなく妙にセンチメンタルになって困ります。

しとしとと降る雨の中、重苦しい雰囲気で二人して夕暮れの歩道を歩きながら、恋の終わりを予感した あの切なかった遠い日のことが、今も昨日のことのように まざまざと
浮かんできます。
傘にかくれた彼女の顔は見えなくとも、小刻みに震える肩を見れば言わずもがな・・溢れる涙は、私もこらえることは出来なかった。
長い時間 ただ無言で、寄り添うこともできず、むなしさだけを引きずりながら、雨の中を歩き続けた。
あの楽しかった三年もの月日は、一体なんだったのだろう?
会うごとに心躍らせ、会えない日々も交わし続けた便りの一枚一枚が、胸の奥深く鮮明に刻まれて、生きることの喜びと希望が こんこんと湧き出る泉のごとく私の胸を満たしてくれた愛することの喜びと幸せ・・青春万歳! と、叫び通した日々・・・

いっそ、このまま永遠に二人で歩き続けたい・・・そんな夢も、現実は いつもの二人の別れの街角におびきよせる・・・生涯で初めての本気の恋だった・・と、その時は思っていた。

かけがえのない、大きな財産を得た自分は、幸せ者なのかも知れない。
と、しみじみ思う雨の朝です。 

投稿: あこがれ | 2019年6月30日 (日) 08時23分

昨日、当地(関西)では、終日、雨でした。
徒然なるままに、”雨”についての歌を、あれこれ思い浮かべている中で、心が留まったのは、「或る雨の午後」でした。
この歌につきましては、4年ほど前に、一度投稿させて頂きましたが、やはり、最も魅力的なところは、歌詞と、外国曲を思わせるハイカラなタンゴ調の美しいメロディが、よくマッチしているところではなかろうかと思います。

「或る雨の午後」を何度か聴いているうちに、この歌に触発されて、同じディック・ミネさんが歌う「アイルランドの娘」を思い出しました。
   ♪花籠抱えて 誰(たれ)を招く
     アイルランドの 村娘
     夢見る瞳よ 君がいだく
     野ばらの花は 愛の花…♪  
この歌も、長調の美しいメロディがとても魅力的で、はて、どのような人が作ったのだろうかと、NETなどで調べましたら、外国曲であることが分かりました。
   「アイルランドの娘」(H.Ruby 作詞、日本語訳詞 島田磬也、R.Perkins 作曲、ディック・ミネ 唄 S12)
なお、この歌の原曲は、アメリカ映画「恋の走馬灯」(原題:Smiling Irish Eyes ’29)の主題歌、とあります。

「或る雨の午後」と「アイルランドの娘」、これら二つの、好きな歌の作詞(訳詞)者が同じだったわけで、その不思議な符合に、幾ばくかの興味を憶えます。

投稿: yasushi | 2021年4月18日 (日) 14時26分

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