山の彼方に
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:西條八十、作曲:服部良一、唄:藤山一郎
1 山のかなたにあこがれて 2 月をかすめる雲のよう 3 赤いキャンプの火を囲む 4 山の彼方に鳴る鐘は |
《蛇足》 昭和25年(1950)に公開された新東宝映画『山のかなたに』(千葉泰樹監督)の主題歌。前年に発表されて大ヒットした『青い山脈』と同じく、西條八十・服部良一・藤山一郎のコンビによる青春歌謡です。
歌としては、『青い山脈』に劣らない傑作といっていいでしょう。私は、どちらかというと、こっちのほうが好きですね。
映画は石坂洋次郎の新聞小説を映画化したもので、「第二青い山脈」といった感じの作品。予科練(海軍飛行予科練習生の略)帰りですさんだ生徒たちの暴力によって荒れた学校を、物理教師(池部良)が一般の生徒たちと協力して立て直すといった物語。
これに美貌の洋裁教師(角梨枝子)やその生徒(若山セツ子)がからみます。ラブレター事件が起こるのも、『青い山脈』と似ています。
10年後の昭和35年(1960)、東宝が同じ監督の手でリメークしましたが、暴力をふるうグループは、予科練帰りではなく、普通の不良になっていました。
(二木紘三)
コメント
高校2年生のころでした。
担任は海兵出身の元気な数学の先生で、勉強が楽しくなりました。その先生はマラソンの監督でもあり、私も選手で高校駅伝の予選に出たのを覚えています。「山の彼方に」は思い出深いです。
投稿: 波路 | 2007年8月 2日 (木) 20時40分
高校時代、風邪で休んだ日に床の中で文庫本を読んだ記憶があります。「青い山脈」は女子学生が主人公で「山のかなたに」は男子学生が主人公であったと思います。
民主主義になったとは言え「男女七歳にして席を同じうせず」といった考えの大人が多かった時代、純情な私はこんな本に胸ときめかせて読んでいました。
去年の暮れ頃でしたか、NHKのラジオ深夜便(我が人生の歌がたり)で五木寛之が「青い山脈」より「山のかなたに」のほうがいいというようなことを言っていました。わたしもこの歌の方が好きです、歌うのは難しいですけど。
投稿: 周坊 | 2008年4月 9日 (水) 21時50分
昭和35年以降自然に優しい、この種の唄はなくなってしまいました。高度経済成長が絡んでいるのでしょうか。しかし
姿を変え、智恵子抄、愛と死をみつめてなど人間に優しい
唄は色々ありますが。
投稿: M.U | 2008年7月 1日 (火) 07時27分
この方がインドネシヤで捕虜生活を送られたとは知りません
でした。由紀さおり、芹洋子、倍賞千恵子がお気に入りだったことも。確かにこの3女性は歌い方が似ている様に思えます。しかし素晴らしい歌手を失った事は事実ですね。
投稿: 海道 | 2008年12月17日 (水) 16時01分
映画のオリジナル版は数年前、CSで放送されました。
宝田明・白川由美主演のリメイクは、20年以上前に
やはりテレビで見ましたが、志村一等兵に夏木陽介、
大助少年に山内賢と、これも今では「時の彼方」です。
父親が連隊長で抑留中の留守家族、という設定からして、
敗戦直後という時代のにおいを実感するのに、
これほど最適なテキスト(主題歌を含め)はないでしょう。
ただ、残念ながら、最近まで残っていた新潮文庫版は、
現在は絶版です。
投稿: 若輩 | 2008年12月18日 (木) 00時54分
この詩にも〔白樺〕がでてきます。昔観た洋邦どちらのロマンチックな映画にも白樺林を歩くヒロインや、また少女小説にも白樺の下に佇む少女の絵を多く見た気がします。が、私浜育ちで白樺という木を成人になるまで見たこともなく、40年前八ヶ岳で初めて白樺の下に佇む事が出来て感激したのを覚えています。
〔山のかなたに〕あらためて美しい曲 詩だと思います。
投稿: おキヨ | 2008年12月18日 (木) 12時25分
これが石坂洋次郎原作で「青い山脈」の続編というか兄弟作品であることはあまり知られていません。石坂文学にはまった高校時代を思いだします。
またこの曲も忘れられつつあります。忘年会での二次会であるバーのカラオケで歌ったことがあります。バーのマダムが「そんないい曲があったの?」・・・そのくらいです。メロディーもいいし、また詩がいい。私が生まれてすぐのころで映画は見たことはないが、青春時代を思いだす懐かしいものです。
投稿: 小田継雄 | 2010年12月13日 (月) 13時41分
山のかなたには私が大好きな曲の一つです。戦後の復興の中で、みんなが新しい時代を夢見て生活していました。西条八十さんの詩には随所に「夢」「あこがれ」「希望」などの言葉が宝石のようにちりばめられおり、当時の人々の思いがうまく表現されていると思います。私が3歳の時の曲ですが、何故か愛唱歌になりました。
先日、絶版になった石坂洋次郎さんの小説を手に入れ読み直しています。
投稿: いっちゃん | 2011年3月17日 (木) 16時58分
私、1948生まれ。高校生の頃、ラジオ大阪(現在の局名は?)の深夜番組にこの曲をハガキリクエストして採用され、同番組に電話出演したことを思い出しました。にしても、当時はすでにこの曲、忘れられた存在でしたが、高校の音楽の先生がラジオ歌謡ふうの歌が大好きで、私にもその影響があったのでしょうね。定年退職し、家でパソコンに興ずるきょう、この頃、懐メロ番組でもまず聴くことはない「山のかなたに」に出会い、感激です。ありがとうございました。
投稿: 有限会社桑原商店 | 2012年5月14日 (月) 15時42分
今日のような雨模様の憂鬱な日には、この歌を聞いて元気出して頑張ろう!と、自分に言い聞かせています。二木先生や五木寛之さんのように私もこの歌が大好きです。何だか心が晴れ晴れとしてきました。
六甲山も、晴れるでしょう。
投稿: あこがれ | 2017年9月12日 (火) 11時42分
あこがれさま 久し振りにパソコンを前にしたら、あこがれさまのコメントが目に飛び込んでまいりました。
「山の彼方に」名曲中の名曲ですね!
心が晴れ晴れするようです!ありがとうございました。
私も現役時代は、職場の登山部に所属し、主に九州の山々を中心に散策いたしておりました。
遠方では、九重山・黒岳・富士山・大山・槍ヶ岳・白馬・木曽御岳・宮之浦岳など想い出しております。
最近では、もっぱら日頃の生活に追われ・・・
なかなか山への挑戦が出来かねる今日この頃です。
でも、後期高齢者でも身体の元気な間は、微力ながら社会に貢献できればと思い、弁当・食材等の宅配で頑張っています。
あこがれさまにおかれても、今のお仕事を貴重な財産となされ頑張ってほしいと願っております
コメントありがとうございました。
投稿: 一章 | 2017年9月12日 (火) 21時19分
一章 様
いつも心一章様のコメントを拝見していて、周囲の人に対する心配りや思いやりに満ちた心優しい人だな~と、いつも感じ入っておりました。
私は、自分勝手に感じたまま独りよがりの、それも歌とあまり関係のないコメントばかりで恥じいっています。多分一章様とは同年齢だと拝察いたしますが、私がコメントを投稿するようになって間もないころに「月見草の歌」で優しい言葉を掛けて頂いたことを覚えています。
私のように、どちらかというと情緒的で物事を専門的に分析することの苦手な(と、いうより能力のない)人間は、このサイトにコメントを寄せられている先輩諸氏のような切れ味の鋭いコメントは望めませんし、単純な想い出ノートのようなものにしかすぎませんが、これからもどうかよろしくお願いいたします。
昨晩、山を下りてきたばかりでまだ疲れが残っています。早く引退させて欲しいのですが・・・。
また、歌と直接関係のないコメントになってしまいました。お許しください。でも、この歌を聞いていたら元気が出てきました。
二木先生、一章様 ありがとうございました。
投稿: あこがれ | 2017年9月14日 (木) 13時46分
一章 様
「月見草の花」でした。
投稿: あこがれ | 2017年9月14日 (木) 14時32分
この時期は、どうしても部屋に閉じこもって気分の爽やかになる音楽に耳を傾けたり、肩の凝らない本を漁って読み耽ってしまいがちになります。
昨夜は、樋口明雄の「天空の犬」(南アルプス山岳救助隊)を読み終えながら、昨日から今日に掛けて、毎年恒例の八ヶ岳南麓(甲斐大泉)の友人のペンションでの ミニ同窓会に行ってる仲間達とのメールのやりとりで、いやが上にも山への郷愁を誘われていたところです。
山小屋の灯、丘にのぼりて、山陰の道、高原の旅情、高原列車は行く、高原の駅よさようなら、高原の宿、草山に、等々 聞き、この「山の彼方に」まで来ました。
青春の血が騒ぐような、明るく軽快なメロデイーに合わせ思わず体を揺すりながら、自然に口遊んでしまいますが、私は2番の歌詞が好きです。
残念ながら、今年はカミさんの体調を考え、同窓会を欠席しましたが、その分好きな音楽、好きな山岳小説を芳しいマンデリンを味わいながら、癒されました。
「天空の犬」、「神様のカルテ」 とも、気分が爽やかになり一服の清涼剤のようです。
投稿: あこがれ | 2018年6月10日 (日) 23時52分
この老人ホームにコロナウィルス騒ぎで閉じ込められてしまいました。 来訪者は近親者でも余程のことでないかぎり入館禁止、郵便、貨物の配達人も中に入れず、玄関の外で職員にアルコール消毒後に手渡すありさま、まあ大変な世の中になったものです。
私は、人間ショーバイ始めて八十余年、風邪インフルエンザを含め、一切病気というものを経験したことがないので、どうも皆様の騒ぐ状況が理解できないでおります。 自分の体の中にいかなるウィルスも棲みつけられなくなる独特の漢方薬があるので、今回も個人的にはまあ悠然としているのですけれど。 この漢方薬、発症源の漢の国では使われていないんでしょうかねえ。
老人ホームの広いお風呂、ジジババはあまり遅くにはお風呂に入りませんので、ときに遅くに一人でじっくりと、歌など口ずさみます。
今夜、なんとなく口に出てきた歌は「青い山脈」でした。 あの頃ほんとによく唄ったものでした。 続けて出てきたのは、この「山の彼方に」でした。 どうも二番、三番の歌詞があやふやになっちゃっておりましたが。
なんにもなくなってしまっていたあのころ、二木先生も仰るように、「りんごの歌」や「青い山脈」、そしてこの「山の彼方に」、将来に希望を湧きたたせる、若さを輝かせる歌ですね。 歌詞もメロディーも、すばらしいですね。
「山のあなたの空遠く幸いすむと・・」誰が言ったんでしたっけ。
私が小学校六年の頃でしたか、映画「青い山脈」が上映されました。 私は小さくて置いてきぼりでしたが、母と姉がこの映画を見にいって、そのあと盛んに池部良がどうのこうのと。 子供の私には、女の人がとやこう言う意味が分かりませんでしたが、ただ池部良という名前が、「イケベリヨン」と聞こえて、ああそういう名前の映画俳優がいるんだなと思っていました。
次の年でしたか、この「イケベリヨン」の次の映画がやってきました。「山の彼方に」です。 もう中学校に入っていて、若い人向きの映画とて勇躍見にいったものです。 いえ、なんとも素晴らしい映画でした。 全編若さがあふれかえっているような。 いまでもほとんどのシーンを覚えています。 最も印象にあるのは、皮肉なことに脇役の藤原釜足と飯田蝶子でした(のち両者とも名脇役と知り、宜なるかなとの思い)。 「イケベリヨン」はほんとにかっこよかったですねえ、男たるものかくあるべしと。 それにしても、角梨枝子の美しいこと、中学生男子が呆然! そして嵐の中の接吻が、すさまじいショックな場面でした。
池部良、角梨枝子、堀雄二、若山セツ子、四人のからみに、若人の付き合いを学ばせていただきました。
いえ、映画の話だけではなく、歌の方の「青い山脈」も「山の彼方に」もいい歌曲だと思います。 「丘は花ざかり」を併せ、これからもしょっちゅう口にのぼせることでしょう。 こういう歌を口ずさみながら、私の若いころを思い返します。 まあ、一応波瀾万丈だったか、それでよかったんじゃないかなあ。
>蛇足<
昭和32年頃、ある夜銀座のバーで角梨枝子に遭遇したのでした。 あまり知られていない小さなバーで、その夜は他の客もなくただ二人だけでしたが、しばらくお話をしたのでした。 私がまだ学生だと知って、ハイボールを三杯ごちそうしてくれました。
あとで、先輩にその話をしたところ、叱られてしまいました。 「なにをしてるんだ、女の人が一人で飲んでるのはボーイハントだったかもしれないじゃないか、ましておごられて。 そういう時には攻勢に出るもんだよ。」 私はがっくり、今でも後悔しています。
投稿: 田主丸 | 2020年3月22日 (日) 01時18分
一章 様
久しぶりに「青い山脈」で一章様のコメント拝見して懐かしくなり、私の好きな「山の彼方に」にやってまいりました。
そして、2017・9・12の一章様のコメントを拝見しながら職場の登山部時代にアタックされた九重山~槍ヶ岳~宮之浦岳等の雄姿と若かりし頃の一章様の姿を想像して感慨を新たにしております。
山への憧れは負けないくらいあるものの、登山の経験の全くない私はただ麓近くから憧れの雄姿を眺めながら、あれこれと思いを巡らせ想像するだけでした。
24才の頃、一度だけ山に強い先輩二人に連れられて御在所岳の鎌尾根?(この辺の記憶が定かではない)でのロッククライミングを死にもの狂いでトライしたことがあり、緊張のあまり足ががくがく震えながら20mくらい先輩二人に助けられながら登り切った経験があります。
借り物の登山靴・ヘルメットを着用して、まるでベテランの様な笑顔の写真を今頃懐かしく見ているところです。
今は六甲山荘が休館の為、自宅から車で15分の社員研修センター(5回建てビル)の管理人に転勤、毎朝ビルの窓から8年間通った六甲の頂きを眼前に眺めながら、感慨に耽っています。
🎶 山の彼方に~あこがれて~(^^♪
それにしても、山の彼方にあこがれ続けている人生ですね…私は。
投稿: あこがれ | 2023年9月12日 (火) 17時18分
あこがれ 様
ほんとに心温まるお便りありがとうございました。
この曲「山の彼方に」は、いつ聞いても心が躍り晴れ晴れするようで気分爽快になります。5年前のあこがれさまとのコメントのやり取りを懐かしく読み返し、改めてあこがれさまの柔らかな心情に触れ心が和みます。
好きな山の歌を聴くたびに、仲間と一緒に数々の山に登っていたことが想いだれ懐かしさでいっぱいです。その頃の時代に戻れることができれば戻りたいと思いますがそうはいきませんね。
早いもので、七十一歳から始めた宅配業務も今年で十二年目に入ります。毎朝6時前に起床、毎日60キロ程走行し、帰宅するのが13時半ごろでそれからが昼食です。時折、馴染みのお客様と世間話に花が咲き疲れも和らぎ、宅配業務に後押しされているようです。
六甲山の山荘~早く再開すればよろしいですね。私も心待ちにいたしております。
投稿: 一章 | 2023年9月14日 (木) 19時30分