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2007年8月31日 (金)

別れの曲

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作曲:Fryderyk Franciszek Chopin

      日本語詞1:堀内敬三
春の日 そよ風
花散るみどりの丘
(こずえ)を楽しくわたる
鳥のかげよ いずこ
野路(のじ)には木枯し
別れの雲は暗く
過ぎし日 心にいだきて
はるばる寂しく越え行く山や川
せめてもわれとあれ
忘れじのわが歌 わが歌

      日本語詞2:水口幸子
花深きこの庭
草萌ゆるかの丘よ
やさしき夢語らいし友よ
いざさらば
今日こそさだめの
別れの日となりぬ
いまこそかたみに祈らん
親しき命につきせぬ幸あれと
さらば わが友よ
いざさらば さらば さらば

《蛇足》 1829年~1832年に書かれた『作品10のエチュード(練習曲)集』12曲のうち、3番目の曲(エチュード第3番ホ長調op.10-3)
 12曲のうちでも、最も叙情的で美しく、知名度・人気がとりわけ高い名曲です。ショパン自身、「私はこれほど美しい旋律を書いたことがない」とフランツ・リストに言ったと伝えられています。

 『別れの曲』という題名は、作曲者によるものではなく、日本でつけられた題名です。
 
1934年リリースのフランス映画『La Chanson de L’Adieu(別れの歌)フォン・ボルファリ監督が、昭和10年(1935)、『別れの曲』という題名で日本で公開されました。
 ショパンの初恋の人コンスタンチア・グワドコフスカとの悲しい別れを描いたこの映画では、劇中『エチュード第3番ホ長調op.10-3』が流れ、多くの観客に強い印象を与えました。

 映画公開と同時期に、同名のレコードがポリドールから発売されて大ヒット。ここから、日本ではこのエチュードが『別れの曲』と呼ばれるようになったといわれます。

 なお、フォン・ボルファリ監督は1934年、同じ物語をドイツで『Abschiedswalzer(別れのワルツ)』として制作してしています

 写真はショパンの生家の庭にある銅像です。

(二木紘三)

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コメント

何時も楽しませてもらっています ほかのDTMも聞きますが なんと言っても先生の曲が最高です その流麗さは比べ物がありません 特に前奏・間奏等が目立って主メロディが埋もれがちな他の作品に比べ 主メロディを浮き立たせる前奏・間奏の技で カラオケ好きには楽しめます どうぞ何時までもお元気でよい曲をお聞かせください      Y.N

投稿: Y.N | 2008年2月26日 (火) 18時43分

 昭和22年(1947)清水高等商船校の学生寮で、級友が姉さんから習ったと言うこの歌を合唱しました。
「過ぎにし春の日、若草萌ゆる野に、君よ、共に語りし言葉。
 思い出の溢るる、彼の日を。(中略)
 誓いしその声、み空に駆け行き、果敢(はか)なきみ姿や、
 永遠(とわ)にぞ、忘れずや、若き日の夢。」

投稿: 末廣照男 | 2008年5月 9日 (金) 19時17分

映画『別れの曲』は昭10年の日本公開だったのですか。私が高一だった昭39年、音楽の女性先生が若いころこの映画を見た感動を熱く語っていました。ショパンを演じた俳優がすてきだったと。大学一年だった昭42年、英語の先生が若いころ見た『未完成交響楽』で受けた感動を語っていました。トーキーになって間もないころで、映画の中でシューベルトの名曲の数々をふんだんに味わうことができたと。私自身はまだビデオ時代に入る前に、NHKの教育テレビで『会議は踊る』などとともにこれらを見たことがあります。

投稿: 乙女座男 | 2008年8月31日 (日) 23時45分

昭和24年私が19歳の頃、大倉経済専門学校の学生寮で覚えた詩は、記憶は定かでありませんが次のようでした。
「別れ行く 今宵よ 星よせめて輝け やさしく
 また会い見る日はいつ 我知らず
 すべては捧げん 変わることなき心 このうた
 あふるる涙に今なお偲ぶは
 君と在りしあの日頃の 忘るまじ 花の君
 匂えるいとしの面(おも)わよーー」
78歳になった今も、週一度は大きな声で歌っています。

投稿: 湯澤甲雄 | 2008年12月15日 (月) 16時18分

青春日記
その歌があったことを、ここにきておもいださせて
いただきました。うる覚えで唄ってみましたが、
正しいのかどうか定かではありません。
歌を聞いていた過去にひき戻っている自分が
いました。ありがとうございます。

投稿: 花田 隆 | 2010年10月 9日 (土) 17時28分

はじめまして。
私のおじいちゃんが、学生の頃、
先生から教えていただいた歌詞で
別れの曲を歌いたいが、全部思い出せないと
毎日とても寂しそうにしています。
今日も覚えている部分だけで、何度も歌って思いだそうとしていました。

なんとか歌詞がわからないかと探していたら、
こちらで、末廣照男さんが書かれている歌詞が、
おじいちゃんが歌っているものと同じでした。

「過ぎにし春の日、若草萌ゆる野に、君よ、共に語りし言葉。
 思い出の溢るる、彼の日を。(中略)
 誓いしその声、み空に駆け行き、
 果敢(はか)なきみ姿や、
 永遠(とわ)にぞ、忘れずや、若き日の夢。」


中略になっている歌詞の部分を教えていただけないでしょうか。どうかどうか宜しくお願いいたします。

投稿: 並川 涼 | 2011年2月16日 (水) 22時15分

並河 涼さま。もう半世紀も前の学生時代の事で、いろいろメモの類を捜して見ましたが、見あたりませんでした。
中略部分の記憶がもう霞の彼方です。お赦し下さい。

投稿: 末廣照男 | 2011年8月13日 (土) 19時09分

「別れの曲」「別れの歌」「惜別の歌」「葬送曲」。     自分が逝く時に流して欲しい曲は「あれもこれも」と沢山希望があるが、私はフランク・ミルズの『詩人と私』が一番いいかなぁ…、と思っている。軽いテンポのポップス曲だが、女性のスキャット部分も美しく、気に入っている。穏やかに昇っていけそうな気がするのだが……。
 このショパンの「別れの曲」は気品が有り過ぎちゃって私には恐れ多いような気が……。

投稿: かせい | 2016年6月18日 (土) 01時12分

優しくていつも笑顔の同級生のM君は惜しまれながら53歳で亡くなりました
幼少時体の弱かった私を庇ってくれていた彼の思い出で浮かぶのは中学の頃習ったショパン別れの曲です。
歌詞を途中からしか思い出せいのですが

♪ 互いの 心を打ち明けいつも共に
  助けて 喜び悲しみ互いに分け合う愛しのわが友
  ああ友よまた何時か会う日までさよならさよなら

 ご存知の方がいらっしゃいましたら是非お教えいた だきたくよろしくお願いいたし ます


投稿: 内倉功 | 2018年2月15日 (木) 00時55分

この曲も大好きでピアノのCDをよく聞いています。
水口 幸子 訳 で教わったような気がしますが、一方で末廣照男様が投稿された歌詞も好きで、数年前まで覚えていました。
もう少しで全部思い出せそうなのですが、一部がもやがかかった状態です。最近は物忘れをするので、メモの必要を感じます。もし思い出せたら投稿します。

投稿: nobara | 2018年10月13日 (土) 20時47分

55年前に我が家にあったレコードの「別れ曲」の歌詞は大木敦夫、伊藤武雄の作詞でした。淡谷のり子もこの歌詞で歌っています。私は綺麗なソプラノの女性の声で聴きました。出だしがさみどりだったような気がします。
 みどりにかがよう夢いずこリラ散りぬ
 もろ手にあふれし幸 早も失せて
 ああみぞれすすれば 帰り来ぬ恋の歌
 別れの言葉も吹かれてちぎれて
 ああ落ち葉は汝(な)が肩に今ぞかかれり
 ああ今ぞ悲しきわが胸の火の想い
 別れの言葉も吹かれてちぎれて
 ああ落ち葉は汝が肩も わが頬に涙も涙も

投稿: ハコベの花 | 2018年10月13日 (土) 23時25分

私が高校生の時に音楽の授業で教わった歌詞は次の通りです。
過ぎにし春の日 花の香かおる夕べ 友と内連れ語りし日の思い浮かぶ 別れの言葉に萌え出ずる若草に秘めて また会うその日の幸こそ願いて 変わらぬ真の言葉こそ 忘れずや 若き日の夢 
昭和26年の頃のこと、脳裏に残っていたのをやっと思い出しました。

投稿: 市瀬流水 | 2019年5月14日 (火) 11時03分

今夏から年甲斐もなくピアノを習い始めましたが、毎回、レッスンの最後に歌を歌うことになり、11月の課題が「別れの曲」でした。しかし、先生の手持ちの楽譜の歌詞は、私が昭和31年度の高校3年生の音楽の授業で習ったのと相違していたので、私の記憶にしたがって、下記の歌詞に変更してもらいました。また、出だしの「すぎにし」の「ぎ」の濁音は、長く延ばすと汚く聞こえるから「に」と発音するように教えられたので、3拍だったと思い出し(記憶違いかも)、1拍(す)、3拍(に)、半拍+半拍(に)、2拍+半拍(し)に変更してもらいました。
「過ぎにし春の日、花の香、薫る夕べ、友とうち連れ語りし日の
思い出、浮かぶ、別れの言葉を、萌え出ずる若草に、秘めて、また逢うその日の幸をば願う、変わらぬ誠の言葉よ、ああ君よ、ああ君よ、憂いに、沈める、吾が胸」

投稿: 岡本明良 | 2020年12月12日 (土) 20時59分

日本でも様々な映画やドラマに使われています。
『さびしんぼう』は1985年公開の映画で、監督は先日亡くなった大林宣彦です。どこか郷愁を感じさせる尾道を舞台に、少年の甘く切ない恋が描かれています。全編に流れる『別れの曲』が尾道の風景とよく合っていました。

投稿: Yoshi | 2020年12月13日 (日) 15時53分

教えて貰いたいのですが、昭和39年の中学3年生の時の音楽の教科書

に載っていた ショパンの

別れの曲で 歌いだしが、過ぎし日春の日〜と歌う歌詞を

ご存知の方が、いらしたら教えて欲しいのですが……当時

音楽担任の先生が泣きながら歌われていたのに

歌詞が思い出せなくて…宜しくおねがいしまーす

投稿: さっちゃん | 2021年11月15日 (月) 21時37分

 コメント 2件目の末廣照男さん ♪過ぎにし春の日、若草萌ゆる野に・・
♪過ぎにし・・ですが違うのですか?

 手元の本は 野口耽介 作詞です。

♪すぎしはるのひ はなのかただよいくる
 ゆうべは うちつれ かたりしとも なつかしや
 わかれの おもいを もえたつ わかくさによせて
 かわらぬこころを ちかいしあのひの きみいまいずこか 
 あーきみよ ああきみよ いまいずこ
 よべども むなしや ああ

投稿: なち | 2021年11月16日 (火) 07時53分

末廣照男さんがお書きになった歌詞ですが、私は最後の二文字が思い出せなかったのですが、「ゆめ」だったと気が付きました。それでこちらに来てみますと、ちゃんと「夢」の記載があり、嬉しく思いました。
この歌は間奏が入るので、歌うのは少し難しいのですが「末廣照男さんの歌詞は私の記憶と全く同じものです。この歌詞も遠い昔、確かにあったのです。

投稿: nobara | 2024年10月24日 (木) 14時59分

末廣照男さんのご記憶の歌詞にそえて思い出した歌詞

過ぎにし春の日 若草萌ゆる野に 君よ 共に語りし言葉

思い出溢るる 彼の日を (今も胸に 君よ)
 
誓いしその声 み空に駆け行き 果敢(はか)なきみ姿や、
 
永遠(とわ)にぞ 忘れずや 若き日の夢

投稿: nonara | 2024年10月26日 (土) 09時45分

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