黒の舟唄
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:能吉利人、作曲:桜井 順、唄:野坂昭如 ほか
1 男と女のあいだには 2 おまえが十七 おれ十九 3 あれからいくとせ漕ぎつづけ 4 たとえば男はあほう鳥 5 お前とおれとのあいだには ROW & ROW ROW & ROW |
《蛇足》 昭和46年(1971)リリース。『赤色エレジー』とも相通ずるアングラっぽい雰囲気が受けてヒットしました。
作詞の能吉利人は作曲者・桜井順の筆名で、イエス・キリストのもじりだろうと私は推測しています。能は、中国の古い時代の禅宗では肯定=イエスを意味するからです。ほかに水木ひろしという筆名も使っています。
桜井順は慶大経済学部卒で、商社に入ったものの、すぐに辞めて、三木鶏郎主催の冗談工房(ラジオ・テレビ番組の制作会社)に参加、作詞・作曲活動に携わりました。
CM音楽を中心に、童謡・歌謡曲など多くの曲を作っています。CMでは、サントリーの「ソ・ソ・ソクラテスか、プラトンか」、富士フイルムの「お正月を写そう」、石丸電気の「石丸電気は秋葉原デッカイワー」など、いまだに多くの人の耳に残っている傑作を作っています。
『黒の舟唄』は、冗談工房のかつての同僚で、桜井順の友人の作家・野坂昭如が歌いましたが、ほかに長谷川きよしや、加藤登紀子、ダウンタウンブギウギバンド、新井英一など、多くの歌手がカバーしています。
(二木紘三)
« 今日の日はさようなら | トップページ | 恋人よ »
コメント
いつも戴いております。ありがとです。
能=noでyesに対抗しているのではないでしょうか?
全然浅いですが・・(汗
投稿: konimo | 2008年4月 6日 (日) 01時09分
大学の友人が当時デゥ―クボックスと言うものがあり、そのボックスにこの曲があったのをよくかけていました。
その友人も大学在学中にぽっくり病でなくなってしまいました。
葬儀に行けなかった私は嵐山にある法輪寺に(そこが親戚で下宿していた)出かけて行ったのを思い出します。
投稿: sunday | 2008年4月 6日 (日) 07時19分
能吉利人は桜井順の別名ではありませんでしたか?
投稿: らんぶりんまっく | 2008年5月21日 (水) 18時29分
らんぶりんまっく様
おっしゃるとおりでした。名前のひねり方とか歌詞のアングラっぽさがいかにも野坂的と感じたので、確認することなく書いてしまいました。汗顔の至りです。桜井氏には大変失礼いたしました。さっそく修正いたしました。どうもありがとうございました。 (二木紘三)
投稿: 管理人 | 2008年5月21日 (水) 19時18分
野坂さんが亡くなった。最後まで日本は危機を迎えようとしているとおっしゃっていたようだ。「火垂るの墓」などで妹を死なせた経験からの言葉でもあるようだ。ところで「能吉利人」とは「イエス・キリスト」のパロディだと思うけど、どうでしょうか。野坂さんのご冥福を祈ります。
投稿: 江尻陽一 | 2015年12月15日 (火) 21時31分