再会
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:佐伯孝夫、作曲:吉田 正、唄:松尾和子
1 逢えなくなって初めて知った 2 みんなは悪い人だと云うが 3 仲良く二人およいだ海へ |
《蛇足》 昭和35年(1960)のヒット曲。
松尾和子は戦後、ジャズ歌手を目指して疎開先の箱根から上京、進駐軍キャンプやキャバレーで歌っていました。
やがてフランク永井が彼女のささやくような歌唱法に注目、スカウトして作曲家・吉田正に紹介しました。昭和30年代に入って人気が出てきたムード歌謡に彼女の甘く悩ましいハスキーヴォイスがぴったりで、フランク永井と組んだ『東京ナイトクラブ』、和田弘とマヒナスターズとともに歌った『グッドナイト』『誰よりも君を愛す』、そしてこの『再会』など数多くの吉田正作品を歌ってヒットさせました。
その後も映画に出演するなど人気を集めましたたが、私生活ではさまざまな不幸に見舞われ、晩年は必ずしも幸せではなかったようです。
平成4年(1992)、自宅の階段から転落、その数時間後に帰らぬ人となりました。享年57歳。
(二木紘三)
コメント
この歌を聴くと、いつも、何年か前にある全国紙にのっていた記事を想い出します。たしか、歌謡曲のエピソードの連載コラムだったかですが、その時は松尾和子の「再会」がテーマでした。彼女はしばしば刑務所に慰問に行ったそうですが、その時に、この「再会」をいつも歌っていました。そして、『2番にさしかかると、見るからに凶相をした男たちがオイオイと声を上げて泣いた』そうです。不思議な魅力をたたえた人でしたが、薄倖の人だったようですね。
投稿: Snowman | 2007年11月22日 (木) 16時35分
この歌を歌う人は以外と少ない。あまりにも松尾和子の
歌い方か素晴らしいからでしょうか。
投稿: M.U | 2008年5月27日 (火) 13時25分
松尾和子を世に出すのに考えられたのが一人では無く複数で
歌うと言う事だったらしい。マヒナと組んだグッドナイト、
フランク永井とデュエットした東京ナイトクラブだったとの事。誰よりも君を愛す、ここまでは順調。この再会は相当苦しんだ末の傑作です。歌詞の中にある監獄と言う言葉はその苦しみの表れではないでしょうか。
投稿: M.U | 2008年8月 4日 (月) 07時58分
松尾和子さん、フランク永井さんが行かれましたね。二人で
仲良く唄って下さい。ご活躍の頃サラリーマンはハードな仕事で疲れていましたので、お二人のようなソフトな歌を求めたのだと思えて成りません。(さよなら)
投稿: 海道 | 2008年11月 6日 (木) 08時47分
この歌を聴くと、取調室の暑い日の午後を思い出します。
刑事「お前のような奴がちょうど良い」
私 「・・・」
刑事「お前をどのように料理しようと、誰も注意しねえよ」
私 「・・・」
刑事「検事の前に出す料理は俺が決めるんだ」
東海署の留置所で、戦後2番目に長い留置日数だった。もめにもめた事件です。
本当の事なんかどうでも良い、と言う刑事と毎日の戦いでした。証拠物件は目の前のゴミ箱へ・・・
以来、私は警察というものを一切信用していません。
針の筵にいた妻や家族に、ただただ頭を垂れるだけです。
堀田
投稿: 堀田 一雄 | 2008年11月 6日 (木) 22時31分
昨晩(28日)BS NHK で吉田正先生の番組をやりましたが、一番上手だったのは由紀さおりのように思えて成りません。美しい十代、江梨子これは別格としても、鶴田浩二
松尾和子、フランク永井亡きあと誰が背負ってくれるのですか。「おまえに」もフランクにノックアウト負けでした。
投稿: 海道 | 2008年11月29日 (土) 08時52分
音楽には門外漢の私ですが この曲の前奏を聴くたびに
高校生の頃に鑑たアメリカ映画「薔薇の刺青」を思い出させてくれます
テーマの歌いだしの部分がそっくり同じなのです
歌っていたのはペリー・コモ
アメリカのよき時代のよき父親像を髣髴とさせる大好きな歌手の一人でしたしこの歌もお気に入りでした
収録されているLPレコード(当時は高価でした)を大枚はたいて手に入れたのはいいが針を落とすのはこの曲
ばかり 結果はご想像にお任せしますがそのレコードはいまでも大事に保管してあります
半世紀以上の昔 プレスリーもビートルズもメジャーで
はなかった頃 何もなかったけれど穏やかで少なくとも
明日を信じられる時代でした
投稿: 居候の徳三郎 | 2009年1月20日 (火) 22時55分
1962年、当時小学4年生だった私は腹膜炎で一月ほど入院しました。 その時同室だったお姉さんが時々歌って聞かせてくれたのがこの歌で、退屈な入院生活もお姉さんのお陰でとても癒されました。 哀愁を帯びたその方の歌に、当時の私は意味も判らず引き込まれたのを思い出します。
東京に嫁いだその方は新婚間もなく病気療養のため田舎に戻っていた様子でしたが、
現在は多分70歳を過ぎておられると思いますが、お元気で居られるのでしょうか。
投稿: 信州伊那人 | 2009年1月30日 (金) 23時58分
松尾和子の声には愛があった。ハスキーなのだが声は良く出ていて男達を引き寄せる魔力もあった。若い歌手が
大勢歌うが、何となく今一歩。
投稿: 海道 | 2009年2月 9日 (月) 10時04分
20数年も前交通事故で入院していた時、車いすに乗って病
室を抜け出して病院の庭の片隅でよくこの「再会」を歌っ
たものだった。この歌の歌詞も曲も当時の私の孤独な気持
にぴったりだった。半年もの間家族とも離れて孤独な病院
暮らしに私はすっかり参っていた。その寂しさにこの歌は
しみいるようだった。今でもこの歌を歌うと当時の寂しさ
が心によみがえってくるような気がする。
投稿: 肥後もっこす | 2009年9月28日 (月) 16時43分
「みんなが悪い人というのは、悪い人に決まっています。問題は、その悪い中身です。女癖が悪いのか、世間的に悪党なのか。女癖が悪いと知りながら、それでも付き合うのは確信犯ですね。それでなかったら、バカです。恋は盲目といいますが、存外女性は冷静です。小さい頃から恋愛のシミュレーションをイヤというほどしていますから、女癖の悪い男はすぐ分かります。となると、やはりこれは確信犯になります。確信犯だとすると、次の「わたしにゃいつも いいひとだった」と矛盾するようですが、これは矛盾しません。どうして矛盾しないか、解らない人はご自分でよ~く考えて下さいね。世間的な悪党(ヤクザ)になぜ惚れるのかは、不良がモテるのを考えれば分かります。光と陰が同時にあるからです。もちろん、悪党や不良がすべてモテる分けではなくて、良質の光と影を持っているごく少数の人だけです。悪党の正統は裏社会に生きるヤクザですが、ヤクザの日常には死の影が潜んでいます。その分、生に精彩があり、女はそこに魅かれるそうです。」
これはこの歌を愛するが余り行き着いたある男の結論です。本当かしら?
投稿: 海道 | 2012年9月11日 (火) 06時41分
二木様、以前ナツメロのMIDIで大変楽しませて頂いた者です。サイトが無くなって残念だと思っていましたが、歌詞検索から、このサイトを知りました。又楽しませて頂きますね。ありがとうございました。
投稿: こひつじ | 2013年11月22日 (金) 05時45分
テレビが我が家に入ったのは昭和35年よりずっと後だったような気がします。再会を歌う松尾和子を覚えていますから、こんがらがっています。
「ちっちゃな青空 監獄の壁を]がググ~ンと迫り良いですね。
階段から転落とは身に染みます。私も二階踊り場でフット成り、気が付くと一階のトイレの前に横たわっていました。これで亡くなる人が絶えない。運が良かったと医者が繰り返し、お蔭でまだ生きています。松尾和子に‘再会‘でき、つい一筆啓上。合掌。
投稿: minatoya | 2013年11月23日 (土) 11時12分
1970年代、今はなき鈴木章治とリズムエースが、この曲をジャズに編曲し演奏しています。これが、とても素晴らしいのですがレコードしかありません。CDの復刻盤の無いのが、悔やまれます。スイングジャズの鈴木章治は、「鈴懸の径」等でとても有名でしたが、この「再会」もとても素晴らしく、改めて、皆さんにお聞かせしたいものです。
投稿: 高橋 芳人 | 2013年11月26日 (火) 22時39分
再會の曲は、薔薇の刺青(ペリー コモ)を剽窃している感じがする。
投稿: 電算機 | 2016年3月12日 (土) 15時51分
電算機殿
吉田正の評価は定着しているので、匿名人のコメントではみじんも揺るがないでしょうが、新進の作曲家や詩人、小説家などの場合は、「剽窃」とか「盗作」はクリエーターとしての生命を奪いかねない重大な言葉です。それをご承知の上で言っているのでしょうか。「似ている」程度のコメントにしたほうがよくありませんか。
投稿: 松本剛 | 2016年3月12日 (土) 18時43分
この歌を聴くといつも考えることがあります。夫と昔大好きだった人が取っ組み合いの喧嘩をしたらどちらに味方するだろうかと・・・皆様はどうされますか。
私は傍観しているだけのような気がします。こんならちのあかない事を考えていると夫への長年の恨みをしばし忘れることが出来ます。「逢えなくなって はじめて知った 海より深い恋心」家族としての愛と,憧れとしての恋とはちがうのでしょうね。憧れの彼は欠点のない永遠の青年、夫は自分勝手な欠点だらけの老人、比べようがないほど差があります。1番の歌詞が素敵ですね。20歳に戻って人生をやり直したくなってくる歌です。はつ夏の海辺で沈む夕日を一緒に眺めたくなる人の声を聞きたくなってきます。
皆様の奥様が文句を言わず静かにして居る時はこんなことをを思っているのかも。
投稿: ハコベの花 | 2017年6月15日 (木) 21時39分
konoha様、私が夫と昔大好きだった人と喧嘩をしたらどちらに味方するかと書いたのは、この歌だったのですね。自分で忘れていました。ただこの歌の1番を聴きたくなって読み始めたら自分の書いたものに出会いました。本当に会えなくなって始めて知ったのは、深い恋心でした。多分彼は亡くなられて居られると思いますが、確かめるのが怖くてそっとしてあります。
私が生きている限り彼はこの世に生きていると思っています。別れの汽車の中での彼の目に浮かんだ涙は今も私の心の中にあります。黄泉の国で出会ったらがっちりと私を受け止めて下さい。願っています。
投稿: ハコベの花 | 2018年9月 6日 (木) 17時02分
ハコベの花さま、本当に切なくてたまらない恋をなさったのですね。逢えなくなって初めて知った深い想い。自分がとった取り返しのつかない態度や言葉 ・・・ 水に流してしまえるものなら流してしまいたい ・・・
そうです。彼はハコベの花さまと一緒に生きていなくては駄目なのです。秘めた想いがきっと結ばれていると思います。
貴女は激しく煌めいている素敵なものをひっそりと心の奥深いところにお持ちなのですね。
投稿: konoha | 2018年9月 6日 (木) 18時21分
もし、昔恋した人と偶然に出会ったら、と思うといつもきちんと綺麗にしていたいと思っていますが、これは難しい事ですね。人は老いてゆきます。美容院の大きな鏡に映る自分を見るたびに溜息が出ます。髪の毛だけはキチンとしていようと心がけていますが、老化は防ぎようがありません。風の便りも無くなってしまって、気持が秋の気配に染まっていきます。散りゆく前に今ひとたびを期待して、少し若やいだ服を買おうと思います。会えなくなって60年も経ってしまいました。心は昔のままです。お元気でいて下さいと願うばかりです。
投稿: ハコベの花 | 2018年9月20日 (木) 22時18分
私にとって、最も切なさを感じる唄です。
逢えない恋、想い続ける恋は最高と言います。確かに、燃え上がる恋よりも長続きします。逢ってしまったらきっと短い。
また、生きものとして、いずれ互いの肉体や心も老いて、終わりがきます。
この唄には、われわれの人生より長いもの、永遠に感じられるものが織り込まれています。海、青空、夕陽です。海の波の繰りかえす音を聞いていると、心が休まります。監獄の中では、人家など見えなくて、小さく切り取られていても、青空が見えます。毎日、それしか見えない人の心を癒します。夕陽は西方浄土に沈みます。心休まる瞬間です。この指先に沈む夕日は、希望と安心を感じさせてくれます。
一方で永遠なものと、切ない、儚い恋と人生とが対比され、一層、切なさを強調します。
私は8年間、単身赴任していました。このとき、機会ある毎に、この唄を歌い、また歌って貰っていました。
最も切なさを感じさせ、また元気づけてくれる唄です。
投稿: 仙風 | 2020年10月11日 (日) 20時41分