隣組
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《蛇足》 わが国では、江戸時代の五人組・十人組の伝統を受け継いで、多くの地域に「隣組」という相互扶助組織が慣習的に存在していました。日中戦争が拡大するなかで、この隣組が戦争協力体制の末端組織として整備されることになります。
昭和15年(1940)の内務省訓令によって、隣組は部落会・町内会の下部組織として位置づけられ、防空、防火、防諜、防犯、国民貯蓄、物資配給を円滑に行うための組織となりました。
1つの隣組は10戸内外とされ、隣組常会には隣組員全員の出席が求められました。また、情報や指示を伝える回覧板が常時回されました。
隣組は肥大化した戦時行政の下請機関として、膨大な業務を引き受けさせられました。戦局が悪化すると、生活物資が極端に不足するようになりましたが、それに対応した節食、節約、貯蓄、供出などの役割は、すべて連帯責任として隣組にのしかかってきました。
戦争末期には、防空の基礎単位として、日常的にバケツリレーや竹槍訓練が行われました。
この歌は、隣組の意義を周知させるため、昭和15年(1940)6月に作られたものです。昭和15年(1940)6月17日から22日までの6日間、日本放送協会からラジオ番組「国民歌謡」で徳山璉の独唱により放送されました。
作詞の岡本一平は、戦前一世を風靡した人気漫画家で、妻は小説家の岡本かの子、長男は画家・彫刻家の岡本太郎です。
隣組は敗戦後の昭和22年(1947)5月、ポツダム政令の公布によって廃止されました。
このメロディをフジテレビ系列で放映されたバラエティ番組『ドリフ大爆笑』のオープニング・テーマとして記憶している人も多いでしょう。
(二木紘三)
コメント
二木紘三様こんばんわ。
隣組は小さい組織ですが今の自治会より強力だったようですね。
今問題になっている防犯、防災、助け合いなどの社会問題もよくなるでしょう。懐かしいです。見習うべき事も多いと思います。波路。
投稿: 波路 | 2007年9月11日 (火) 20時42分
「隣組」。戦時中に歌ったこの軽やかな曲にはなんと解説されているのかしら?読ませていただきました。
下部組織である隣組の常会はいつも夜だったので、早く帰らないかと幼い私は襖を細く開けて見たものでした。
1.いま、私たちの町会長から出される文書は、高齢者に読みやすいよう文字が大きくなりました。
2.「おばちゃん!お味噌貸してってお母さんが」。この役は子供達が走ってやっていました。
ある方が、“格好をつけない近所づきあいは子供の成長にいい”と説いていました。
3.挨拶を交し合う人が多いご近辺には泥棒は入り難いそうです。
4.一人暮らしが多くなりつつあるいま、町内が一所帯のように心配りをしたいものです。
投稿: 高木ひろ子 | 2008年7月21日 (月) 15時33分
この歌の曲は楽しいのですが、4番の歌詞にあるような「何軒あろうと一所帯」は勘弁願いたいものです。全国民が何でもひとつには無理があります。愚かな者が上に立てば悲劇が起こります。隣近所が仲良くするのは良いのですが、皆、一緒には困る事が沢山あります。町内会の組織が再び間違った方向に利用されないことを願ってやみません。
投稿: ハコベの花 | 2010年8月 9日 (月) 00時26分