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2007年9月21日 (金)

慕情

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:P・F・ウェブスター、作曲:S・フェイン
日本語詞:岩谷時子、唄:ナット・キング・コール他

春浅きあした 
風に揺れて咲くバラの花こそ
二人のはかない恋の姿よ
つかの間に咲いて散る
君とただ二人
霧にぬれ 固くいだき合いて
口づけし別れの丘に
今日も君慕い 君想う
  (繰り返す)

   Love is a Many-splendored Thing

Love is a many-splendored thing
It's the April rose
That only grows in the early spring
Love is nature's way
Of giving a reason to be living
The golden crown that makes a man a king
Once on a high and windy hill
In the morning mist two lovers kissed
And the world stood still
Then your fingers touched my silent heart
And taught it how to sing
Yes, true love's a many-splendored thing
       (繰り返す)

《蛇足》 1955年の20世紀フォックス映画『慕情』(ヘンリー・キング監督)の主題歌。歌はナット・キング・コールなど多くの歌手が歌っています。

 戦争によって引き離される男女を描いた悲恋映画の傑作で、アカデミー賞の作品賞・主演女優賞・撮影賞・映画音楽賞・歌曲賞・美術装置賞・衣装デザイン賞・録音賞を受賞しています。

 1949年の香港が舞台。イギリス人の父と中国人の母の間に生まれたの女医ハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は、国民党と共産党による国共内戦で戦死した夫を思いながら失意の日々を送っています。
 そんな折、彼女の前に現れたのがアメリカの新聞記者マーク・エリオット
(ウィリアム・ホールデン)でした。お互いに惹かれ合うものを感じていた2人でしたが、その幸せは長くは続きませんでした……。

 細やかな心理描写で綴られた哀切きわまりない物語です。

(二木紘三)

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コメント

慕情は一番好きな映画でジェニファージョーンズもダボダボズボンのホールデンも素敵でした。この曲を聴いていると数々の名画名曲が、そしてあの若かった青春の日々が昨日のように思い出されます。豊富な音楽や映画が溢れていた時代に出遭えたことに今とても幸せを感じています。数々のアルゼンチンタンゴやシャンソン!秋の夜長にこれから思い切り楽しませていただきます。ありがとうございました。

投稿: 大原女 | 2007年9月21日 (金) 17時48分

映画『慕情』は何度も見ましたが、なんと言っても美しくて知的なジェニファー・ジョーンズが素敵でしたね。妻と上手くいっていない記者(ウィリアム・ホールデン)が、こういう魅力的な女性に恋するのは当然かもしれません。記者とは“移り気”でそういうものです。(私も「記者」だったのでよく分かりますが、それだけハン・スーインは魅力的だったのでしょう。)
そんな愚かな話は止めにして、この美しくて流麗な音楽は映画『慕情』を不滅のものにしましたね。
10数年前ですが、香港に旅行してヴィクトリアピークに登った時、ハン・スーインがあの記者の“幻影”を追い求めたのは、この丘だったのかと感慨にふけりました。香港と言うと必ず、この曲とあの映画を思い起こします。
なお、記者の名誉のために、移り気でない堅気の記者も大勢いることを付記しておきます。

投稿: 矢嶋武弘 | 2008年8月 8日 (金) 19時05分

先日仕事先の会長が亡くなられお別れの会の冒頭スクリーンから此の曲が流れ出し過ぎ去った昔を回顧し感無量でした。この方は私と同世代の方だったので50年前私と同じように此の曲のファンだったことを初めて知りました。あの当時のアンディーウイリアムスの甘い歌声は今も忘れられません。然し“ある愛の詩”同様名曲が主題歌の映画には駄作が多いのは何故でしょうね。

投稿: y.okamoto | 2010年5月15日 (土) 09時03分

映画音楽の中では、私の最も好きな曲です。東洋的なメロディの中に情熱と哀愁が織込められていて、何とも言えない情緒を感じます。
繊細なタッチで描かれた物語は、東洋と欧州の二つの世界に身を置いて激動の時代を生きたHan Suyinの葛藤の中から生まれたように思います。

投稿: cosmosfish | 2010年9月20日 (月) 00時58分

90才、楽しみの無い孤老。音楽が大きな「癒し」に成って、拝聴しています。感謝!。

投稿: 山本 潔 | 2012年8月25日 (土) 17時17分

いささか古くて恐縮ですが、12年のケアンズ日食帰りに、念願であったビクトリアピークからの夜景を観賞しました、パンフで見るより若干夜景が寂しかったのは残念でした。

投稿: mesato | 2014年3月 5日 (水) 20時52分

有楽町の駅前の名画座で、3回見ました。ラブ イズ メニー そのあと何と歌っているのか、聞き取れなかったからです。splendored だったんですねえ。もちろん何度見ても、いい映画でした。いまでもあの名画座はあるのでしょうか。

投稿: 里子 | 2014年3月 5日 (水) 22時11分

里子様
有楽町駅前の「名画座」というのは、「百果園」のそばにあったやや狭い階段を上がった二階にあった「有楽シネマ」のことでしょうか。70年代まではよく通った記憶が有ります。
その後改装して「シネ・ラ・セット」となり、2004年閉館となったようです。現在は再開発されて大きなビルにとり込まれてしまったようでです。「百果園」一帯も先頃の火事で焼失したようです。 僕はジョンウェインの「勇気ある追跡」イーストウッドの「奴らを高く吊るせ」などを観た記憶があります。
 日劇からマリオンに変貌し、交通会館だけが昔の面影を残してるぐらいですね。  70年代初頭『慕情』の曲は「香港パックツアー」のTVCMで随分使われてましたね。確かにプッチーニの「ある晴れた日に」に似てるかも…。

投稿: かせい | 2014年3月 6日 (木) 01時07分

思い出の丘で、さめざめと泣くジエニファ―・ジヨ―ンズの姿が忘れられません。

投稿: 村下絢子 | 2014年3月 6日 (木) 13時32分

毎晩のように、一時間ほど、楽しませていただいております。
所で、この歌の最後の行に

Once on a high and winddy hill
(繰り返す) と、ありますが、繰り返すのは、最初の行 Love is a many-splendored Thing

からでは、ないかと存じますが、如何でしょうか。

投稿: 井尻 賤子 | 2014年6月15日 (日) 01時27分

井尻 賤子様
(繰り返す)は「頭からもう一度歌う」という意味です。『霧のロンドンブリッジ』も同じ。最後の数行だけで繰り返す場合には、その前に(refrain)と入れてあります。ただし、同じヴァースを2番以下の聯でも歌う場合にも(refrain)と入れてありますので、統一はとれていませんが。(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2014年6月15日 (日) 14時29分

 この曲は多くの歌手が歌っていますが、私は一昨年亡くなったアンディ=ウィリアムスの歌声が印象に残っています。在米当時にミズーリ州をドライブし、彼がブランソンという町で歌っているのを知って驚きました。何故なら、アンディ=ウィリアムスはアメリカの国民的歌手であり、ブランソンはカンザス州に近い片田舎の保養地に過ぎなかったからです。
 映画Love is a many-splendored thingの原作はHan Suyinの自伝小説 a many-splendored thingです。

投稿: Yoshi | 2014年9月21日 (日) 10時00分

Once and on a high and windy hill...

丘の上に畑がありました。子供の頃、祖母の畑仕事を手伝っていました。
日本海に沈む真っ赤な太陽をあかず眺めました。
夕暮れ時仕事を終え、きらきらと明かりが灯る村を見下ろしながら帰りました。
何てすばらしい日々だったことでしょう。

ある日、雨が降り始めました。
丘の上で働いている村人たちは三々五々帰り始めました。
祖母は私に「もう、帰れ」と言いましたが、私は黙って仕事を続けました。
やがて、丘の上で働いている村人は私と祖母だけになりました。
ずぶ濡れになって帰る道すがら、私はなんだか感動して、祖母に、
「大きくなったら農業をやりたい」と言いました。
祖母は、「農業なんてつまらん」と言いました。

思いだしますと、人生は、

a many-splendored thing...

ですね。

哀しいこともたくさんありますが・・・

アンディウイリアムズと尾崎紀世彦の歌声を聴きました。
いいですね~。

投稿: yoko | 2014年9月21日 (日) 19時56分

高校時代の音楽部の仲間4人で(男2人、女2人)カルテットを組み、色んな歌に挑戦しましたが、この「慕情」と「ファッシネイション」(昼下がりの情事)は、4人とも好きでいろんなミニコンサート等で歌いました。
今でもカンペなしで原語で歌えますが、ただ声が出ないだけです。(殆どファルセットで誤魔化しますけど…?)
当時は、オードリー・ヘップバーンと八千草薫に夢中でした。

投稿: あこがれ | 2017年3月14日 (火) 17時27分

ジェニファー・ジョーンズは、元々好きな俳優です。ところでW.ホールデンが皺腹なのには初め戸惑いましたよ。
あの頃のハリウッド映画はなぜか相手役の男性俳優はすこし年寄り気味で・・ (もっと後の映画ですが007のS.コネリーもその傾向あり)
もう一本、特に私が好きなのは「武器よさらば」。舞台は第一次大戦下のイタリアですが、やはりジェニファージョーンズはよかった。そしてR.ハドスンが最高! ついでに言うと「アンの結婚・後編」のミーガンフォローズも、良かったですねえ。素晴らしかった。

つまり戦争ものは、女性は幾らでも輝くんじゃないんですか?男どもが戦場に向かう、女性は大切な人の安否を思い、看護婦として赴く人もいれば当時のVAD とか、あるいは多くのケースとしては自宅で夫の帰還を祈る女性達、すべてが絵になるんですよ。
戦地の男、銃後の女。これって物語だと凄くいいんですね。すべて「感動的」なんです。でも現実だと、苛酷すぎるんでしょうけれどね。・・

投稿: 福田 健治 | 2018年2月26日 (月) 02時36分

昨日につづき書き込み 失礼ですが

どなたかのコメントにもありましたが、私は16年まえ
父を見送った時のことを想い出しますよ
かつては郷里に帰った私を見事に裏切った父でしたが
私には親子の情は残っていて、「慕情」はぴったりでしたね・・

それで
一回忌で集まった親族たちに、自分で作ったBGM にテナーサックスでアドリブ込み4コーラス入れたのを配ったんです もちろんリバーブかけてね
すると意外に好評で、あとで皆さん心から褒めてくれたことが思い出されます

もう帰らぬ恋人でも、たとえ問題ありの親でも
別れに際し切々たる思いに程度の差はあれど、生前の色んなことを偲ぶ・・ 
この曲はぴったりで、其々に心を捉えて離さない永遠の名曲になったんですね。

投稿: 福田の健ちゃん | 2018年2月28日 (水) 01時29分

『慕情』
学生時代、自由気儘(きまま)な時代、昭和40年前後でしたが、何気なく見たこの映画は、青春時代の淡い恋心や濡れ場のある恋愛ではないものでした。

[訳]二人のはかない恋の姿よ
つかの間に咲いて散る

爽やかな感情を懐(いだ)かせる、清々ししさのある映画でした。

Love is a many-splendored thing.
という英語を覚えたのもこの映画でした
し、忘れはしない英文です

〽 Once on a high and windy hill
ラストシーンのあの丘はいいですねー

卒業の半年前に知りあった女性と、遠隔恋愛になり、5年間も付き合いましたが、母が会ってくれず、彼女は去っていきました。
今は約800km、離れた地で暮らしているそうです

丘、坂の多い街での淡い物語でした

確かなる
Love is a many-splendored thing.

投稿: 崇 | 2020年7月21日 (火) 11時58分

この曲のコメントが掲載されたの見て、55年前が甦りました。東京での学生時代同じサークルの女性(後に、付き合うような間柄になるとは、思ってもいませんだ)から突然「○○さん今日の予定がなかったら見たい映画に一緒に行ってもらえませんか」と誘われました。一人では行きにくいのでという事でした。それが「慕情」でした。田舎出の者にとって洋画は全く見たこともなく、誘われるままついてゆきました。女性と二人きりで映画を見るなど初めてのことであり、香港のきれいな場面が多かったとしか記憶していません。しかし妙なことに流れていた音楽だけは永らく耳に残っていました。
その後、彼女とは「太陽がいっぱい」を見に行きました、それがきっかけで、友人との北海道旅行の際には彼女の家に泊めてもらうなど、親交は深まりましたが、結ばれぬ恋でした。
今回「慕情」を聞く機会を得て半世紀前の思い出にひたることができました。感謝

投稿: 伊勢の茜雲 | 2020年7月21日 (火) 12時40分

幾つか聴いた『慕情』の歌声のなかで、最も心に響いているのは、レターメン(The Lettermen)の歌声です。
男声コーラスによる力強く美しいハーモニーは、いつ聴いても、新鮮な魅力を感じます。

投稿: yasushi | 2023年4月 5日 (水) 14時34分

『慕情』のラストシーンは恋人の死を知らされたハン・スーインが思い出の丘に登る場面です。
彼女はそこで恋人の幻を見るが、やがて消える...。主人公の哀しみが切々と伝わって来る、印象に残るラストシーンでした。
ところで、彼女は丘の木に一匹の蝶がとまっているのに気付きます。我が国では亡くなった方の霊が虫に宿って逢いに来たという話を聴きますが、主人公も同様に感じたのでしょうか。

投稿: Yoshi | 2023年4月20日 (木) 22時58分

この処コロナ過で外出をなるべく控えているとき、出来ることは読書か、苑内で木剣を振りまわすことぐらいしかない。
私はテレビを見ないから、と思い立って昔の映画黄金時代の名画をせっせと見ることにした。 いろいろDVⅮを手に入れて見ているのだけれど、この名画「慕情」がどうしても手に入らない。 ツタヤにも在庫がない。
しかしいい映画でしたね、この「慕情」。 ぐっと心に響く映画だったと記憶しています。
さりながら、今どうしてもこの映画の画面がほぼ全面どうしても思い出せないのだ。 ただ一点を除いて。 ヒロインが、彼が帰還したときに逢おうと約束した山上へ向かう時の事。 いそいそと歓びを表情に溢れさせて山麓を辿る。 麓に着いてふと見上げた時に、あ、居ない! 期待していた彼の姿があの頂上の一本松のそばに見えないのだ! 
その時のヒロインの、歓びの笑顔から、つと凍り付いた表情への変化、それが見事だった。  この場面、しっかりと心に沁みついてしまった。
若くしてアカデミー賞を獲得したほどのジェニファー・ジョーンズ、素晴らしい女優ですね。

音楽のサイトで、映画の方から始まってしまいましたが、この音楽の方も実に素晴らしい。 割と高い音程が続くようですが、そこのところ、人の音声にも嚠喨という言葉を使っていいのか、グウーンと思いのたけを歌い上げるところ、男女の愛情の深さを感じさせます。 
”Once on a high and windy hill,,, " 、音声が高らかに響き渡る、ここのところ感情が最高潮に達します。
ああ、涙が出る。

ほんとにいい映画、素晴らしい歌曲ですね。
  

投稿: 田主丸 | 2023年4月23日 (日) 20時20分

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