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2007年9月21日 (金)

パリの屋根の下

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:ルネ・ナゼル、作曲:ラウール・モレッティ
日本語詞:ホセ・しばさき

1 バラ色の空遠く 夢見るパリ
  バラ色の空遠く 夢見る乙女
  マロニエの並木道
  しのびよる春よ
  きみと二人今日も交わす
  愛のことばたのし
  パリの屋根の下にありて
  恋はたのし夢よ
  流れゆく雲に似て
  流れゆく雲に似て
  パリの空に高く浮かぶ
  バラ色の空に

2 灰色の空はるか 暮れゆくパリ
  灰色の空はるか 悲しき心
  マロニエの並木道
  しのびよる秋よ
  きみと二人肩を組みて
  語りあいし日々よ
  パリの屋根の下にありて
  恋は悲し夢よ
  流れゆく雲に似て
  流れゆく雲に似て
  パリの空に遠く浮かぶ
  灰色の空に

    Sous les Toits de Paris

Quand elle eut vingt ans
Sa vieille maman
Lui dit un jour tendrement:
Dans notre log'ment
J'ai peiné souvent
Pour t'él'ver fallait d'l'argent;
Mais t'as compris, un peu plus chaque jour,
Ce que c'est le bonheur, mon amour

(Refrain:)
Sous les toits de Paris
Tu vois ma p'tit' Nini
On peut vivre heureux et bien uni
Nous somm's seul's ici-bas
On n's'en aperçoit pas
On s'rapproche un peu plus et voilà !
Tant que tu m'aim's bien
J'n'ai besoin de rien
Près de ta maman
Tu n'as pas d'tourments
C'est ainsi qu'cœur à cœur
On cueill', comme une fleur,
Sous les toits de Paris, le bonheur".

Un jour, sans façon,
Un joli garçon,
Comme on chant' dans les chansons
Lui fit simplement
Quelques compliments,
La grisa de boniments;
Nini, j'te jur' ça s'fait plus la vertu
Je t'ador', sois à moi dis, veux-tu ?

Sous les toits de Paris
Dans ma chambr' ma Nini
On s'aim'ra, c'est si bon d'être uni !
C'est quand on a vingt ans
Quand fleurit le printemps,
Qu'il faut s'aimer, sans perdre un instant
L'air était très pur
Et le ciel d'azur
Ell' dit: "Je n'veux pas !"
Puis ell' se donna.
C'est ainsi qu'en ce jour
La vainqueur, comm' toujours
Sous les toits de Paris fut l'amour !

Malgré les serments,
Hélas son amant
La quitta cruellement
La pauvre Nini
Pleura bien des nuits
Un soir... . on frapp'... c'était lui
Il supplia: "Ma chérie, j'ai eu tort,
Pardonn'-moi, tu sais je t'aim' encor' "

Sous les toits de Paris
Quelle joie pour Nini
De r'trouver un passé tant chéri
Quand il dit: "Maintenant
Tu sais c'est le moment,
Faut s'marier tous les deux gentiment
Car rien n'est cassé,
Tout est effacé,
Oublie le passé
Et viens m'embrasser"
Vit' Nini pardonna
Et l'bonheur s'installa
Sous les toits de Paris c'est comm' ça !

《蛇足》 フランス映画の巨匠ルネ・クレールは、音によって映画芸術が通俗化することを恐れて、安易なトーキー化に反対し続けました。

 そのルネ・クレールが、1930年、ついに撮ったトーキー映画第1作が『巴里の屋根の下』です。パリの下町で暮らす庶民の風俗と雰囲気を新鮮に描き出した傑作で、パリにおいてよりもベルリンで高く評価され、「デル・ドイッチュ」紙の世界優秀映画投票で、同じ年に公開された『西部戦線異状なし』を凌いで首位を占めました。
 上の写真は聴衆に楽譜を売る場面。

 この映画の主題歌として書かれたのがこの曲で、主役のA.プレジャンが創唱しました。

(二木紘三)

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コメント

二木さま、先日『故郷を離るる歌』を教えていただき、今回2回目よらせていただきました。今回もあるお芝居を観て劇中で使われていた曲について知りたくて、調べていたところこちらに辿り着きました。おかげさまでふたたび『巴里の屋根の下』を聴きながら舞台の余韻に浸ることができました。ありがとうございました!

投稿: ふう | 2008年8月 9日 (土) 15時16分

この歌を聴くと島根のど田舎の少年時代に、フランス語もわからず幻のようなフランスに思いをはせて聴いた「パリの空の下」と、やや現実味のある憧れの東京を歌った佐伯孝夫作詞・服部良一作曲・灰田勝彦唄の『東京の屋根の下』が切なく懐かしく思い出されます。
  
 2.東京の屋根の下に住む 若い僕等はしあわせもの
   銀座は宵のセレナーデ 新宿は夜のタンゴ
   なんにもなくてもよい 青い月の光に
   ギターをひき 甘い恋の唄 二人の夢の 東京

しかし、東京には縁がなくて大阪・豊中市で四十余年間無事に暮らさせて頂き、感謝とエールをとの思いで昨年作詞・作曲した自費出版の『豊中賛歌』のCDが4月上旬に出来る予定です。
私の終焉の際のバックミュージックの1曲として流そうと思っているのは聊か早すぎますか? 
 ひとつの歌から様々な広がりや忘れかけた思い等を呼び起こしてくれる<二木先生のうた物語>は、最高に心を癒されます。   

投稿: 尾谷 光紀 | 2009年3月11日 (水) 22時38分

『二木紘三のうた物語』の”ハ行の歌”を順番に眺めていましたら、『パリの屋根の下』が目に入りました。
シャンソンといえば、私がまだ学生だった頃、よく流行っていたなあと、思い出に浸っていましたら、何となく、
  ♪鐘は鳴る 鐘は鳴る マロニエの並木道…♪
と、この歌の一部分が、口を衝いて出てきました。

さて、歌詞の全貌はどうだったろうかと、”うた物語”の『パリの屋根の下』を開き、二木先生が挙げられました日本語詞を見ますと、このフレーズは見当たらず、別の訳詞であることが分かりました。
そこで、手許の、遠い昔に神戸で買い求めた『フランス民謡集』(飯塚書店 発行 1958-3-15)を調べたところ、それと思われる歌詞が見つかりました。
『パリの屋根の下』(渡部和夫 訳詞、ラウル・モレッティ 作曲)
  懐かしの想い出に
     さしぐむ涙
  懐かしの想い出に
     流るる涙
  マロニエの花咲けど
     恋しの君何処(いずこ)
  パリの屋根の下に住みて
     楽しかりし昔
  燃ゆる瞳 愛の言葉
     優しかりし君よ
  鐘は鳴る 鐘は鳴る 
     マロニエの並木道
  パリの空は青く晴れて 
     遠き夢をゆする

パリへは行ったことがありませんが、”マロニエ”に、異国情緒を呼び起こされます。
尤も、日本にも、私の愛唱歌である、♪たそがれの 鐘の音が 流れゆく 銀座裏…♪で始まる、『マロニエの並木路』(矢野亮 作詞、中野忠晴 作曲、松島詩子 唄 S28))という歌がありますが、…。
 

投稿: yasushi | 2022年3月 3日 (木) 16時56分

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