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2007年9月21日 (金)

トロイカ

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


ロシア民謡、日本語詞:東大音感合唱研究会

1 走るトロイカ一つ 雪のヴォルガに沿い
  はやる馬の手綱(たづな)とる 馭者(ぎょしゃ)の歌悲し
  はやる馬の手綱とる 馭者の歌悲し

2 何を嘆く若者 尋ねる年寄り
  なぜお前は悲しむ 悩みはいずこに
  なぜお前は悲しむ 悩みはいずこに

3 去年のことだよおやじ 好きになったのは
  そこへ地主の奴めが 横槍を入れた
  そこへ地主の奴めが 横槍を入れた

4 クリスマスも近いが あの娘(こ)は嫁に行く
  金につられて行くなら ろくな目にあわぬ
  金につられて行くなら ろくな目にあわぬ

5 鞭もつ手で涙を 馭者はおしかくし
  これでは世も末だと 悲しくつぶやく
  これでは世も末だと 悲しくつぶやく

《蛇足》 ロシアの古い民謡です。地主に恋人を奪われたトロイカの馭者の嘆きを歌った歌で、原曲はメロディも哀調を帯びています。トロイカはロシアの3頭立ての馬そり、または馬車。
 上の歌詞は、原詞をほぼ忠実に訳していますが、歌声喫茶以外ではあまり歌われませんでした。

 訳詞には、ほかに下記の劇団カチューシャによるものがあります。こちらは、敗戦後のすさんだ日本に明るく健康な歌を広めたいという気持ちから、歌詞を明るい内容に変え、テンポも速くして楽しい雰囲気に変えています。そのせいか、戦後、全国で歌われました。

 楽団カチューシャの日本語詞にあるバイヤンは、アコーディオンに似たロシアの民族楽器です。

(日本語詞:楽団カチューシャ)

1 雪の白樺並木 夕陽が映える
  走れトロイカ朗らかに 鈴の音高く
  走れトロイカ朗らかに 鈴の音高く

2 響け若人の歌 高鳴れバイヤン
  走れトロイカ軽やかに 粉雪けって
  走れトロイカ軽やかに 粉雪けって

3 黒い瞳が待つよ あの森越せば
  走れトロイカ今宵は 楽しい宴(うたげ)
  走れトロイカ今宵は 楽しい宴

(二木紘三)

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コメント

 青年の頃によく唄った曲です。懐かしく聴いていたところ、家内が脇から「出来たよ~ 」「ラ-メン」「まるたいラ-メン」・・・・・
 めったに無いことです。しかもこの暑い中・・・・・
 「まるたい?」と聞いて、若い頃の会社勤めだった頃の事を思い出しました。
 残業の時には決まって、このまるたい棒ラ-メンが夜食でした。当時は中の具は「まるはのソ-セ-ジ」が定番でした。
 ゆ~きのしらかば な~みきと共に40年、いやそれ以上、一気にタイムスリップした思いです。
 ラ-メンの味も、中に入った具こそ違いは有るものの、味はなつかしく歌も懐かしい・・・・・
 思わずラ-メン完食、ス-プまで・・・・・

投稿: Hikoさん | 2008年8月 4日 (月) 19時45分

典型的なロシア民謡ですね。歌詞は楽団カチューシャのほうが歌いやすくていい。

投稿: 三瓶 | 2008年12月30日 (火) 20時42分

昨日「乾杯の歌」にコメントを投稿した者です。私はロシア民謡も大好きで、ロシア民謡をロシア語で歌うために第二外国語にロシア語を選びました。「トロイカ」は勿論、「バイカル湖のほとり」、「バルカンの星の下に」などをよく歌いましたね。会社勤めを始めた頃、歌声喫茶が流行っていましたが、私はそちらには行かず、今度は専らドイツ酒場でドイツの歌を歌ったものでした。ちょっとへそ曲がりです。今、団地住いをしていますが、夏になると団地内の高齢者が集まって歌声喫茶を開き、毎年50人は参加します。最高齢者は94才のシベリア抑留帰りの方ですが、とてもお元気。今でもロシア語で歌ってくれます。

投稿: 大門坊 | 2009年5月 9日 (土) 22時59分

現曲のメロディはこんなに明るいものではありません。ダークダックスが歌った歌詞はまったく違うものでロシアのトロイカの御者の悲恋の歌です。歌詞は最初のがほぼ正確です。
ただロシアで歌われていたのを聞くと違うメロディです。一度原曲を聞いていただきたい。もっと緩やかで悲しく聞こえるでしょう。
トロイカに乗る老人が何故悲しむのかと尋ねると、御者がタタ-ルの地主に奪われた婚約者とのはかない現実を歌うものですから悲痛なメロディーになっています。この歌によく似たものに「郵便馬車の御者だったころ」がありますが、どちらも当時の御者の労働がいかにきつかったかが感じられます。

投稿: 小田継雄 | 2010年12月13日 (月) 11時59分

ウィキペディアによれば、楽団「カチューシャ」は間違えてブラーホフ作曲の「トロイカ」を訳詞したため、こんなに明るい歌に変わったそうですね。
歌いなれているせいか、楽団「カチューシャ」の方が良い感じがします。
外国の明るい歌も日本に入ってくると、だいたい切なくてやるせないものに変わるのが多いので、たまには逆も良いではないですか(笑)。

投稿: 矢嶋武弘 | 2011年12月13日 (火) 10時07分

こんな歌詞の曲を探しています。
外国の曲だそうです。歌詞は日本語です。ところどころしか知りません。

ーー遠い山の向こうの知らない街よ。いつか馬車に乗っていきたい街ーー

歌詞はあやふやな記憶ですが、曲は記憶しています。

うた物語でさがすにも、曲名をしりませんので、みつけることができません。
ご存知の方、教えてください。

投稿: 麻友子 | 2012年7月31日 (火) 22時04分

麻友子様 (「遠くの町」ボヘミア民謡)をキーワードに検索してみてください。ヒットすると思います。作詞作曲 小林淳一。
 小学校4年生の頃音楽の時間に習ったような…。
 「飾り窓の店あろという町 ポプラ並木のあるという町」

   子供心にも、憧れと夢が膨らむ歌ですね。 

投稿: かせい | 2012年8月 1日 (水) 00時42分

上記の訂正と追加です。 訂正ー訳詞小林純一氏

 「遠い雲の下の 知らない町よ 楽しいことが ありそうな町よ」です

投稿: かせい | 2012年8月 1日 (水) 01時04分

かせいさま さっそくご返事をいただき、感動しました。
いい詩ですね。田舎に住む少女が描いた、あこがれの町を想像しているような・・・そんなふうに感じました。詩の最後まで知って、わたくしも、少女と同じ気分になりました。歌詞にすぐ、たどり着くことができましたが、曲が聴けないのが残念です。ありがとうございました。


投稿: 麻友子 | 2012年8月 1日 (水) 01時45分

麻友子さま、私もこの詩、歌は好きです。
キャンプファイヤーで歌う「燃えろよ 燃えろよ 炎よ燃えろ」の曲で、かせいさんの言う通り「遠くの町」という曲名ですね。自分で口ずさんでも心が温かくなります。

投稿: ゆでたまご | 2012年8月 1日 (水) 09時15分

麻友子さま 追加です。
曲は「燃えろよ 燃えろ」か「ひと日の終わり」で検索すると聞くことができます。

投稿: ゆでたまご | 2012年8月 1日 (水) 09時21分

かさいさま、ゆでたまごさま、ユーチュ―ブで曲にたどりつけました。歌詞と曲の取り合わせって不思議なものだと思いました。燃えろよ、燃えろの歌詞ならば力強く感じますし、遠い町なら、やさしく、ロマンチックに感じました。
わたくしは、遠い町にこの曲が好きです。お顔も、どこの方かも知らないおふたりに、うた物語の中で、とても身近に感じています。この場所は、とてもいいですね。二木先生は、良い曲を聴かせてくださるだけではなく、こうして、心のつながりをつくってくださっているんですね。やさしい心になるひと時です。二木先生、かさいさま、ゆでたまごさま、心からありがとうございます。

投稿: 麻友子 | 2012年8月 1日 (水) 10時17分

ハーモニカの試験の課題曲が「トロイカ」と発表されましたので、調べていたら、これまでの「雪の白樺~」が原曲とは異なった歌詞であること初めて知りました。ありがとうございます。原曲を聴きこれまでとは違った曲想を学びました。

投稿: MARI | 2016年6月11日 (土) 14時22分

同好の皆様寒中お見舞い申し上げます。

深々と冷え込む寒中の夕暮れ時にこの歌が懐かしくなりま。二木先生の蛇足でわだかまりが解けました。
「雪の白樺並木~」明るい歌詞とは裏腹な哀調を帯びたメロディーの由来を今ごろ知りました。哀調の故に心惹かれた歌です。「ともしび」と双璧の思春期の愛唱歌でした。白樺に憧れたのもこの歌の故です。

投稿: りんご | 2018年1月21日 (日) 18時55分

そうですね

 懐かしい曲です
 
 りんごさま同様 曲にある背景を考えもせず 単に 歌っていた時代 
 それはそれで 元気で向こう見ずで 良い時代だったのでしょうね

 復活 を歌った カチューシャの唄も同じような 時代背景でしょうか  
 ロシアの貴族・地主 対 農奴 のことが歌い継がれていくーーー


 今日 評論家・西部邁さんの自死が報じられています

 僕は 西部邁氏の学生時代 その運動がどうだったか 知りません
  しかし この二三十年の西部氏のテレビ マスコミでの活躍には 感動し なるべく聞く機会をもっておりました 
 正義 公平 公正な方であったと記憶しております  ご冥福を祈ります

アメリカのT  日本のA のため 人の差別化がはかられ 富の非平等化が規定路線となってしまっています
 また フランス スウェーデンでの徴兵制度の復活
 軍備増強・増悪   どうなっていくのでしょうか この 二十一世紀は 

 西部氏の死からいろいろ思っています


投稿: 能勢の赤ひげ | 2018年1月21日 (日) 22時45分

こんにちは
いつもお世話になっています。

さて、最近下記の文章を見ました。

 この歌は古いロシア民謡です。
日本では1952年、ハバロフスクの日本人捕虜で構成された楽団「カチューシャ」の宮尾長治と富山友正が歌唱指導用曲につくった日本語詞がよく知られています。
 もともとは恋人をお金持ちの地主にとられてしまったトロイカの馭者の悲しい恋の歌です。
 美しいメロディに惹かれた宮尾と富山は、敗戦後のすさんだ日本を元気づけたいと、陽気なロシア青年が登場する明るく楽しい内容に変え、テンポ良くリズミカルに演奏しました。
  (ハーストーリー12月号 ノートルモンド社発行)

私は、宮尾長治氏の息子さんとは知り合いです。

若き日の宮尾長治氏はシベリア抑留の体験がありました。
しかし、ロシア人たちから可愛がられ、捕虜生活は苦しいことより楽しいことのほうが多かったと家族に話していたそうです。

私も中学生の頃一度だけ楽団「カチューシャ」の舞台を見たことがあります。

投稿: みやもと | 2018年12月26日 (水) 06時58分

二木先生が掲げた東大音感合唱研究会の歌詞は知りませんでした。私はやはり「雪の白樺並木夕日が映える…」で始まる歌が懐かしいです。
 
この歌は昔の「歌声喫茶」ではマストの曲でしたね。必ず歌いました。「カチューシャ丼何かと見ればトロとイカ」という戯れ句がありますが「走れトロイカ朗らかに」から付けた丼だそうです。おいしそうですね。

最近、ロシアに対して批判的な考えが広まっていますが、私は一方でロシア民謡には、日本の抒情性と似たものが色濃くあるような気がしています。ロシアは広いですからね。以前、日本人ですがロシア(又は今は周辺の国?)の方で「…コフスキー」さんがこのサイトでそのようなことをおっしゃっていましたね。

投稿: 吟二 | 2022年11月29日 (火) 23時02分

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