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2007年9月16日 (日)

サン・トワ・マミー

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:サルバトーレ・アダモ
日本語詞:岩谷時子、唄:越路吹雪

1 二人の恋は 終わったのね
  許してさえ くれないあなた
  さようならと 顔も見ないで
  去っていった 男の心
  たのしい 夢のような
  あのころを 思い出せば
  サン・トワ・マミー
  悲しくて 目の前が暗くなる
  サン・トワ・マミー

2 街に出れば 男が誘い
  ただ意味なく つきまとうけど
  このあたしが 行きつくとこは
  あなたの胸 ほかにないのよ
  サン・トワ・マミー
  風のように 大空をさまよう恋
  サン・トワ・マミー
  さびしくて 目の前が暗くなる
  サン・トワ・マミー

 Sans Toi Mamie

Je sais tout est fini
J'ai perdu ta confiance
Néanmoins je te prie
De m'accorder ma chance
Si devant mon remord
Tu restes indifférente
On ne peut te donner tort
Mais sois donc indulgente

Au nom des joies
Que nous avons vécues
Au nom de l'amour
Que nous croyons perdu
Sans toi Mamie
Le temps est si lourd
Les heures et les jours
Sombrent sans espoir
Sans toi Mamie

Sans toi Mamie
Je vogue sans but
Je vogue perdu
Sous un ciel tout noir
Comprends que dans les rues
Tant de filles nous tentent
Et leur air ingénu
Nous torture et nous hante
Aussi je viens vers toi
Pour te confier ma voile
Toi tu me guideras
Tu est ma bonne étoile

Sans toi Mamie
Le temps est si lourd
Les heures et les jours
Sombrent sans espoir
Sans toi Mamie

《蛇足》 アダモ(写真)は、1943年11月1日、イタリアのシチリア島で、炭坑夫の長男として生まれました。3歳のとき、一家はベルギーに移住。13歳のとき、歌のコンクールに次々と優勝し、歌手になる決心をしました。

 19歳になった1962年11月に発表した『サン・トワ・マミー』が翌年大ヒット、一躍、ベルギーの国民的歌手となりました。以後の活躍は周知のとおりです。

(二木紘三)

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コメント

二木さん、楽しいPCカラオケ有難うございます。末短い老人には楽しませて頂いております。越路吹雪のフアンの私は彼女のLPを沢山集めまして、楽しんでいましたが、最近プレーヤーが駄目になり、聴けなくなり、がっかりしています。私のカラオケのオハコはこのサントワマミーで皆さんに大変好評です。しかしひとつ残念なことがあります。結婚式の披露宴で是非皆さんに聴かせたいのですが、この歌詞では歌えないのです。なにか良い方法がありましたら、教えて下さい。                歌好きじいさん

投稿: 歌好きじいさん | 2008年5月18日 (日) 14時32分

原詩が違っています。

Je sais tout est fini,
J’ai perdu ta confiance,
Néanmoins je te pris,
De m'accorder ma chance,
Si devant mon remords,
Tu restes indifférente,
On ne peut te donner tors,
Mais soit donc indulgente,
Au long des joies que nous avons vécues,
Au nom de l’amour
Que nous croyons perdu,
Sans toi mamie,
Le temps est si lourd,
Les heures et les jours, sombre sans espoir,
Sans toi mamie

投稿: 野村芳朗 | 2008年5月31日 (土) 13時36分

野村芳朗様
 お知らせありがとうございました。『サン・トワ・マミー』は最初の頃(たぶん8年前)に作ったもので、フランス語詞をどこから採ったか忘れました。そこで、あらためて調べ直しました。日本語の検索サイトでは見つからなかったので、
Google FranceとYahoo! Franceでやっと探し当てました。たぶん下記のサイトから採ったと思われます。
http://lyrics.umka.org/lyrics-adamo/sans-toi-mamie.html

 しかし、今見直してみると、このサイトは相当いいかげんで、de ma corder ma chanceやvécuなど、明らかな綴りまちがいが何カ所もありました。
 その一方で、まちがいかどうか判然としない箇所もいくつかありました。たとえば、
Au nom des joies que nous avons vécu,
Au nom de l’amour
 の最初のnomは、あなたのお調べではlongとなっています。たしかにlongとなっているサイトもいくつかありますが、
http://www.muzikum.eu/int/en/375/9286/4/adamo-sans_toi_mamie-lyric.html
 などでは両方ともnomになっています。
 念のために印刷物でも確かめました。松山祐士編『Best100 from Chanson & Canzone』(ドレミ楽譜出版社)でも、両方ともnomになっていました。ただし、歌詞のほかの部分に明らかな綴りまちがいが何カ所もあり、この本は十分信頼できる文献とは言えません。

 そのほか、お知らせいただいた歌詞では、3行目の最後はprisとなっていますが、ほかのいくつかのサイトではprieとなっています。
 そんなふうで、せっかくお知らせくださった「正しい原詞」ですが、それがほんとうに正しい原詞なのかどうか、私には確認できません。せめて出典をお教えくだされば検討できるのですが……。

 このように多種のヴァリアントが現れるのは、アダモがベルギーのフランス語圏で育ったため、だれかがフランスのフランス語に直したか、あるいはアダモ自身が歌詞を何回か書き換えたかしたためでしょう。

 私には、どのテクストに従えば「正しい」原詩になるのか、判断できません。
 で、結局、正しい原詩かどうかはわかりませんが、新しく探し当てた歌詞のうち、最も長いものに差し替えることにしました。
 これが絶対正しい原詩だというものをご存じの方は、その根拠とともにご教示いただければ幸いです。(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2008年5月31日 (土) 17時50分

 東京オリンピックの年の秋、K子と同伴旅館(当時はラブホテルという言葉は無かった)のベッドで一緒にサントワマミーを歌いました。
 私は翌春に卒業を控え、彼女もOLを辞めて田舎に帰ることになっており、別れの予感がする中で岩谷さんの訳詩が身につまされました。
 10年程前に、彼女のご主人はY県庁の部長になったと風の便りに聞きました。
 K子さん、お元気でしょうか?よく二人で行った「さぼうる」で先日コーヒーを飲んできましたよ。

投稿: mituo | 2008年7月15日 (火) 00時04分

 「雪が降る」と共にサルバト-レ・アダモの代表する歌と言っても過言ではないと思います。
 わたしも、若かりし頃、雪が降るを歌い、それがあまり出気が良くなかったりすると、次には必ずこの曲をリクエストしたものです。場末のスナックの思い出の曲ですが、アダモ氏には失礼かも知れませんネ。でもよく唄いました。

投稿: Hikoさん | 2008年7月31日 (木) 16時30分

こんにちは。
2番の歌詞の中の「青空」は、
「大空」が正しいと思います。

投稿: kemukemu | 2008年12月30日 (火) 20時09分

教えてください・・・「サン・トワ・マミー」の訳を

この歌が流行っている頃卒業し、就職しました。その会社の部長が、サン・トワー・マミーは「聖なるお母さん」の意だと言っていました。歌詞の内容から少しちがうのではないかと思いながら、誰かに質すこともなく今日に至りました。

ネットの辞書では、sans 外で toi あなた mamie おばあさんとありました。

投稿: 広島 親 | 2009年11月14日 (土) 11時23分

広島 親様
sansは前置詞で「~なしで」の意味、toiは二人称単数の人称代名詞(強勢形)で「あなた、君、おまえ」の意味、Mamieはマリーまたはマーガレットの愛称です。
英語で言うと、without you Mamie(お前なしではマミー)となります。(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2009年11月14日 (土) 12時06分

管理人様
 お教え、ありがとうございます。「聖なるお母さん」と墓場へ行くところでした。

 迷訳の部長は、北海道の出張で、当時まだ知られてなかった森繁久弥の「知床旅情」を憶えて帰り、みんなに披露していました。「札幌ラーメン」の東京進出に力添えしたような人でした。

投稿: 広島 親 | 2009年11月14日 (土) 21時48分

Tu est ma bonne étoileは文法的にTu es bonne étoileですね。
また、Que nous avons vécues
は文法的にQue nous avons vécuですね。

以前私が書いた正しいと思った綴りですが、以下のように訂正いたします。全く恥ずかしい。
①On ne peut te donner torsはOn ne peut te donner tortでした。
②Néanmoins je te prisはNéanmoins je te prie
でした。
③Les heures et les jours, sombre sans espoir,はLes heures et les jours
Sombrent sans espoirでした。

投稿: 野村芳朗 | 2009年11月14日 (土) 22時32分

ゴチャゴチャ書きまして、お目ざわりかも知れませんが、フランス語の詩の最終版を書いてみます。

Sans Toi Mamie

Je sais tout est fini
J'ai perdu ta confiance
Néanmoins je te prie
De m'accorder ma chance
Si devant mon remords
Tu restes indifférente
On ne peut te donner tort
Mais sois donc indulgente
Au nom des joies
Que nous avons vécu
Au nom de l'amour
Que nous croyons perdu
Sans toi Mamie
Le temps est si lourd
Les heures et les jours
Sombrent sans espoir
Sans toi Mamie

Sans toi Mamie
Je vogue sans but
Je vogue perdu
Sous un ciel tout noir
Comprends que dans les rues
Tant de filles nous tentent
Et leur air ingénu
Nous torture et nous hante
Aussi je viens vers toi
Pour te confier ma voile
Toi tu me guideras
Tu es ma bonne étoile

Sans toi Mamie
Le temps est si lourd
Les heures et les jours
Sombrent sans espoir
Sans toi Mamie

投稿: 野村芳朗 | 2009年11月14日 (土) 23時11分

かってトワエモアというグループがあり、テレビで昭和の女大歌手に「トワ エ モアってどんな意味?」と聞かれた。男性が緊張した顔で答えると、すかさず「そう。で、トワさんはどちら?」と聞かれた。そのときの若い二人の困惑しきった顔と女大歌手の傲慢な顔は40年たった今も忘れられない。見ていた私は心に誓った。「こんな大人にだけはなるまい」 しかしその誓いは無駄だった。出世はしなかったから。 仁和寺の法師

投稿: なとりがおか | 2009年11月15日 (日) 13時39分

歌詞の間違いを指摘した人に対して、管理人氏は根拠を示して欲しい、とおっしゃっています。

投稿: 前田 幸蔵 | 2010年1月 7日 (木) 03時28分

二木様
2番の歌詞の「青空」は「大空」が正しいのではないですか?

投稿: 矢嶋武弘 | 2012年1月12日 (木) 17時42分

   Bonsoir

サン・トワ・マミは、なんたってコウちゃんね。

彼女の独特の歌唱法で、とっても情感があって大好き。

アダモのはテンポが速すぎて、情感がイマイチ
  
クレモンテーヌはソフトですが、さらっと流しすぎ

マリーラフォレなんか歌ったらいいのにね、でも、無いものねだりよね

 やっぱり、コウちゃんが最高!

     またね


      Au revoir

投稿: トッコ | 2012年11月22日 (木) 23時02分

トッコちゃんの「またね」がいい。
今でも、夜の街を歩くと、犬のふんを、ふんづけたりするのかな?   オバー マダム。

投稿: MEDA | 2012年11月22日 (木) 23時57分

MEDA様

あたしは延陽伯の家系ですので、夜の外出など想いもよらぬことでございます。

悪しからず。
      トッコ

蛇足 

延陽伯とは落語「たらちね」のヒロインのことでございます。

投稿: トッコ | 2012年11月23日 (金) 09時18分

歌詞・作曲ともすばらしい。越路吹雪さんの歌を聞いてみたい。

投稿: 三瓶 | 2012年12月 9日 (日) 21時23分

ウクレレで、コード4つの繰り返しで、なんとか弾けるようになりました。歌詞を覚えたくて このサイトに、再び、お邪魔しました。弾き語りで、しんみり。。。有難うございます。

投稿: taka-shiz | 2014年10月14日 (火) 04時09分

ベルギー連邦の現首相ディ・ルポはアダモに次ぐ移民イタリア系の有名人です。ラウク(仏名;リィージェ)付近の炭鉱労働に従事した彼ら父親のワロニア語(フランス語の一方言)は、きっとイタリア語風になまったと思われます。書き言葉になると、もっと難しくなりますね。それが、このスレッド話題の`正しいオリジナル歌詞?`の背景になっていると思います。

たまたまベルギーのフラームス音楽サイトで歌詞を見つけました。Mamieが小文字分かち書きma mieになっているのを除き、蛇足欄のテキストと同じです。これと、2009年11月14日付けの野村芳朗さん最終版とを比べると、綴りや語彙が所々異なっています。ヒット直後からこんにちまでのベルギーポピュラーソングのクラシックとして歌われてきた経緯に於いて、そのような差異が生じたと考えられます。理由として、年若いアダモ自身が完全なワロニア語を話し且つ書いた可能性は低いから、と私は推理します。

この旋律が昨日ラジオから流れ、触発されてコメント致します。フラームス女性特有のチャーミングな低音かすれ声DJさん曰く、21世紀初めに連邦政府の最高勲章がアダモ業績にたいし贈られたと。時のアルベルト国王もサントワマミーに聞き惚れたと、授与式で述べたそうです。


投稿: minatoya | 2014年11月 8日 (土) 11時20分

「サン・トワ・マミー」は、自分で歌うことはありませんが、聴いていて明るく楽しく、同じアダモさんの作になる「ろくでなし」('64)とともに、好きなシャンソンです。

この歌の題名については、二木先生が解説されているように(’09-11-14)、ずっと、”マミー(女性の名前)、君なしでは”(生きて行けない)というふうに、理解しておりましたが、アダモさんの歌声を聴くたびに(CDで)、”マミー”ではなく、”マ・ミー”と”マ”と”ミー”の間に一呼吸あるように聞こえていて、どうしてなんだろうと、僅かながら違和感を感じていました。

そして、本日、皆様のコメントを眺めているうち、minatoya様のコメント(’14-11-8)に、”たまたまベルギーのフラームス音楽サイトで歌詞を見つけました。Mamieが小文字分かち書きma mieになっている…”との記述を見つけました。
これをきっかけに、ネット検索したところ、Wikipediaでは「Sans toi ma mie」とありました。また、他の記事では、「Sans toi m’amie」とされているものも見られました。
これなら、”マ・ミー”と”マ”と”ミー”の間に一呼吸あるように聞こえていることの説明がつくように思います。この場合、意味合いは、”私の女友達よ、君なしでは”となるでしょう。
私にとって、違和感が解消されたようで、新たな発見をした気分です。

投稿: yasushi | 2020年2月24日 (月) 13時19分

ma mie  について

手元の クラウン仏和 第5版に
mie 女 [古・文] 女友だち, 愛する女(=amie). -ma mie わがいとしの女(ひと)
また Hachetteにも
mie n.f. Vx ou Litt Femme aimée
とあります。

多分これでしょう。

なお、「私の」は母音で始まる女性名詞につく時は mon となります。   

投稿: hurry | 2020年2月24日 (月) 21時53分

hurryさんのおっしゃるとおり、単数女性名詞につく所有形容詞はmaですが、母音で始まる単数女性名詞にはmonを使います。50数年前に少しばかりかじったフランス語なので、すっかり忘れていました。確かめもせず、お恥ずかしいことです。mon amie モナミ。
amie(女友達or恋人)、ami(男友達or恋人)で、発音はどちらもアミ。
単数の男性名詞につく所有形容詞はmonですから、「私の男友達」はmon amiで、発音は女友達と同じモナミ。
これから考えても、Mamieは女性の名前と考えるのが妥当なようです。

hurry様
mieは現代語では「屑」とか「パン屑」という意味になるようです。

投稿: 二木紘三 | 2020年2月24日 (月) 23時35分

このページ、なにやらフランス語の教室みたいな感じですが、私の拙いフランス語の知識ですが一筆もだしがたく。

Mamie のところが問題のようですが、確かに現代フランス語の文法では、母音で始まる女性名詞の先に来る所有格はma ではなく、mon です。 つまり、ma amie ではなく、mon amie となります。 (ami は男性形、amie は女性形)。

しかし、古いフランス語では、amie にも mon は使わずma のままとし、m'amie もしくは ma mie というふうに使われていたようです。 ですから、前出の二木先生のコメント欄の記述も決して間違いではないと思われます。

イタリア系ベルギー人アダモの育ったベルギーでは、この古い言い回しが残っていたのではないかと思われるのです。 もしくは、古語を雅語として詩文に取り入れたのかもしれません。
Mamie と大文字で始まっているのは、これは固有名詞ではなく、単に愛しさを強調しているものだと私は思っています。

一つの言語でも、時代、地方、個人によって、いろいろな表現の仕方があると思います。 まあ、イタリア系ベルギー人が使う、もともと地方語であるベルギー系フランス語です。あんまり細かいことをいうのはやめましょうよ。
この歌詞自体は、実に素晴らしい詩なのですから。

投稿: 田主丸 | 2020年2月25日 (火) 09時12分

二木先生、hurry様、田主丸様の、懇切丁寧な解説によって、”サン・トワ・マミー”に対する理解が一層深まったように思います。有難うございました。
大いに勉強になりました。

投稿: yasushi | 2020年2月25日 (火) 11時51分

もう随分前、まだ勤務していたころのことですが、私の職場の近くにモナミさんという女性が入社されてきました。清楚で洗練された上品さが漂っている女性でした。しばらくして人づてに彼女の名前、フランス語で”私の恋人”っていう意味なのだそうだ、お父様が名付けられたのだそうだ、と聞きました。そうなのか、いい名前だなぁ、と感心しました。皆様のコメントを拝読しながらモナミさんのことを思い出しました。

投稿: yoko | 2020年2月25日 (火) 20時11分

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