ラ・メール
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作曲:Charles Trenet & Albert Lasry
日本語詞:菅美沙緒
ラ・メール La Mer La mer |
《蛇足》 "Boum!"などと並ぶシャルル・トレネの代表曲。1943年に友人と旅行していたとき、列車のなかで作曲されたといわれます。
レコーディングされたのは1946年。
フランス語地域では最もよく知られた曲の1つで、多くの有名歌手が歌っており、レコードの種類は400以上の及んでいます。
英語でも、"Beyond the Sea" や "Sailing"といったタイトルで、1960年代と1980年代に大ヒットしました。
2003年公開の映画『ドリーマーズ(The Dreamers)』(ベルナルド・ベルトリッチ監督)など、いくつかの名画のテーマソングとして使われています。
シャルル・トレネは1913年5月18日、南仏の地中海にほど近いナルボンヌで生まれました。少年時代は詩人を志し、15歳のとき、最初の詩集を発表しています。
やがて歌うことに興味をもち、プロの歌手を目指してパリに出ます。戦前はジョニー・ヘスとデュオを組んで歌っていましたが、第二次大戦後はソロとして活動しました。
トレネの作品は、その大半が恋やパリ、少年時代や青春時代の思い出がテーマになっています。『ラ・メール』も、ナルボンヌにいたころ何度か地中海に行った思い出が結実したものでしょう。
トレネの歌唱の特徴は、なんといってもそのソフトで包み込むような歌声と、言葉を丁寧かつオーソドックスに発音すること。この生真面目さが保守層にも気に入られて、フランス語圏で不動の人気を維持してきました。
2001年2月19日、パリ南郊のクレティーユで亡くなりました。87歳でした。
(二木紘三)
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コメント
今、冬の真っ最中ですが、この歌を聴くと無性に夏の海が恋しくなり、遠い日の海水浴場の制限外の沖で、背泳ぎしながら青い深い海と青い空と雲を、旗照夫のこの歌と対比しながら口ずさんでいたことを思い出しました。
海 明るく広い海よ
風は波(われ?)を呼び 雲は飛びて散るよ
海 寄せては返す波に
我が胸の悩み のせては消え散る(去る?)よ・・・
あとは忘れてしまいましたが、確か中原淳一訳だったかと思います。そして高英男も歌っていたような記憶もあります。
二木先生の<蛇足>にあるように、フランスだけでなく日本でも複数の歌手が歌っているほど、“海”がテーマの歌の中で特にメロディがいいですね。
投稿: 尾谷 光紀 | 2009年1月17日 (土) 18時44分
私が、知っているラメールを歌っている歌手は、イヴ モンタンです。枯葉などラジオからよく流れていました。シャンソンとロシア民謡が歌われていた時代でした。イヴモンタンは俳優でも有名で、「恐怖の報酬」という映画にも出ていました。
投稿: 昔の少女 | 2009年11月 5日 (木) 22時16分
今、夏の真っ最中で海の歌を探していたらCD『魅惑のシャンソン』が出てきました。その中の№12岸洋子の「ラ・メール」にまた痺れました。
“1.ラ・メール~~~・・・我が胸に流れる”間奏12小節 → 2コーラス目のフランス語からがらりと4ビートのスイングに変わる瞬間の心地よさ、軽やかなピアノのバッキングに乗っての歌は、重苦しい暑さがスーと消えフーとため息が出るのは何故でしょうか?
序でに№20中原美紗緒の「夜は恋人(MEA CULPA)」は究極の失恋の歌ではと・・・。少なくとも失恋3回以上の経験がないと彼女の歌の極致を語れないのではと・・・自負しています。
投稿: 尾谷光紀 | 2011年8月 7日 (日) 22時51分