« シベリア大地の歌 | トップページ | 湯島の白梅 »

2010年2月12日 (金)

大きな栗の木の下で

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:不詳、日本語詞:1番-不詳、2・3番-阪田寛夫

1 大きな栗の木の下で
  あなたとわたし
  なかよく(*)遊びましょう
  大きな栗の木の下で

2 大きな栗の木の下で
  お話しましょう
  みんなで輪になって
  大きな栗の木の下で

3 大きな栗の木の下で
  大きな夢を
  大きく育てましょう
  大きな栗の木の下で

  (*1番の「なかよく」は「楽しく」
   と歌われる場合もある)

Under The Spreading Chestnut Tree

(原詞1)
Under the spreading chestnut tree.
There we sit both you and me,
Oh, how happy we would be.
Under the spreading chestnut tree.

(原詞2)
Under the spreading chestnut tree,
Where I knelt upon my knee,
We were as happy as could be,
Under the spreading chestnut tree.

《蛇足》 幼稚園や保育園でよく歌われる手遊び歌。手遊び歌とは、『げんこつ山のタヌキさん』のように、振りのついた歌です。

 日本の童謡と思われていますが、もともとはイギリスの古い民謡で、ダンスミュージック(昔のことですから、フォークダンスのたぐいですが)として演奏されたといわれています。
 いつ頃かわかりませんが、それがアメリカに伝わり、ボーイスカウトなど子どもの手遊び歌として歌われるようになりました。

 1939年、チェコ系アメリカ人の作曲家J.ワインバーガー(チェコ名としてはヤロミール・ヴァインベルゲル)がこの歌をベースとした同名のオーケストラ曲を発表しました。この作品は7つの主題から成るフーガ付き変奏曲で、これにより、このメロディはおとなたちにも親しまれるようになりました。

 日本で歌われるようになったのは、敗戦後、米軍兵士たちが口ずさんでいるのを聞き伝えたのがきっかけとされています。

 ところで、この歌は日本でもアメリカでも子どもの歌ということになっていますが、私は、もとは軽いラブソングではなかったかと思っています。
 原詞1ではあまりはっきりしませんが、原詞2の
I knelt upon my kneeから、そんな感じがするのです。片膝をつくのは、昔は求婚の姿勢でしたから。考えすぎでしょうか。

(二木紘三)

« シベリア大地の歌 | トップページ | 湯島の白梅 »

コメント

この歌も『むすんでひらいて』同様、日本で作られた童謡ではなかったんですね。今では大人からこどもまで誰もが知っていますが、この歌が進駐軍(米軍)の兵隊から広まったなんて、古きよき時代のアメリカ文化の名残りだったように思います。今でもアメリカでは、歌われているんでしょうか。日本では、ご存知のように幼稚園や保育園での定番曲になっていますが。
 さて、二木様は、この歌はもともとラブソングではなかったか、と疑問を投げかけておられますが、そのような目で原詩を見ると、確かになぞかけみたいな歌詞ですね。わたしの貧しい英語力では断定はできかねますが、1番の we sit both you and me(あなたとわたしは座っている) といい、2番の I knelt upon my knee(sはつかないんでしょうか。わたしはひざまずいた)といい、意味深長ですね。どなたかなぞ解きをお願いします。
 蛇足ですが、英語を新しく導入した小学校では、この歌を英語の授業の教材として使用しているところが多いそうですが、もしこどもや保護者から原詩を訳してくださいと言われたら、先生方は困るんじゃないかと思うんですが。いえ、ラブソングだったらということではなく、かなり意訳されていますからね。先生方はこどもたちにどう説明されるんでしょう。
 

投稿: ひろし | 2010年2月16日 (火) 15時37分

ひろし様
kneeが単数なのは、片膝をつき、他方の膝は立てている姿勢を示しているのだと思います。(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2010年2月16日 (火) 17時25分

二木様
 なるほど片膝を立てている動作を指しているのですか。とすると、これは求愛の姿勢と受け取るのが自然ですね。そうすると、この歌はもともと民謡のダンス曲なんですから、ラブソングと解釈してもおかしくないですね。
 余談ですが、イギリスには樹齢300~400年の栗の木が結構あるそうです。日本では、そんな巨木の傍で求愛したり、愛情表現をするなどということは、神聖な場所を汚すものとして敬遠されがちですが、お国が違うとそういう場所がかえって愛情表現には適しているのかも知れませんね。ご教示いただきありがとうございました。

投稿: ひろし | 2010年2月16日 (火) 20時38分

私も日本の歌詞からしてラブソングとも受け取れる気がしました。英語でそんな意味合いあるんですね。私は〽︎あなたと私〜。という歌詞からして男女関係の歌っぽいな。あと性別がはっきりしないから同性愛者にも当てはまるある意味すごい歌詞かな?と思いました。

最近は他に真っ赤な秋も〽︎君と僕〜。と言う歌詞からラブソングとしても受け取れると私なりに感じております。想像力次第ですが童謡って奥深いなと感じております。

確かに原詩の意味を教えたら学校現場で困るかもしれませんが、学校で正しい恋愛のステップアップや文化を音楽通じて教えるのは逆に健全育成だと思います。男女の絆と言うと昼間からなんだと言われそうですが、なかよく遊びましょうと言い換えるだけで健康的になるのだから(でも意味深ですが)奥深いものです。

投稿: つるや食堂 | 2018年1月24日 (水) 11時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« シベリア大地の歌 | トップページ | 湯島の白梅 »