君は心の妻だから
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
唄:鶴岡雅義と東京ロマンチカ
1 愛しながらも 運命(さだめ)に敗けて |
《蛇足》 昭和44年(1969)3月にシングル発売。
鶴岡雅義と東京ロマンチカとしては、この2年前に発売した『小樽のひとよ』に次ぐ大ヒットで、50万枚以上が売れました。
この年は前年から続く大学紛争が激化し、1月18日には東大・安田講堂を占拠した全共闘系の学生を排除するため、機動隊が導入され、激しい攻防戦が繰り広げられました。
その一方で、人びとは“昭和元禄”と呼ばれる奢侈・安逸を享受していました。同年の『読売年鑑』世相の項に次のような記述があります。
「政・官界は汚職につつまれ、国民は政党に失望し…(中略)…カラーヌードと露骨なセックスを売り物の娯楽、漫画雑誌はぞくぞくと巷に登場し、若い人達の服装は派手になり……」
41年後の現在は、経済低迷で奢侈・安逸を貪れる人は少なくなり、雑誌も売れなくなりましたが、政党への失望感だけは変わっていません。
(二木紘三)
コメント
随分と前スキーバスの中であるお喋りなお嬢さんがこの
唄を歌った。そうしたらその上司が「お前は話のつまに
は成っても心の妻には成れないな」と言っていた見事な
タイミングで大笑いになった。
投稿: 海道 | 2010年12月 7日 (火) 17時16分
先生、この曲を待っていました。
ありがとうございます。
今での三條正人の哀切に満ちた歌い方にほろりと来ます。
「僕にすがって胸をたたいて・・・」もうここでは堪らない気持ちになります。
とても難しい歌だと思いますが三條以上の歌い方を聞いたことがないような気がします。
今一度ありがとうございます。
投稿: おばさま@北海道 | 2010年12月11日 (土) 22時18分
「君は心の妻だから」
「愛しながらも 運命にまけて 別れたけれど 心はひとつ 僕の小指を 口にくわえて 涙ぐんでた 君よ ああ今でも 愛している 君は心の妻だから」
これを聞く時、歌う時、何故か、訳もなく心が寂しく、切なくなる。過ぎていった懐かしい遠い昔を思い出しながら今日も好きな歌を涙ぐみながらながら口ずさむ,「故郷の話をしよう」、「白い花の咲く頃」、「別れた人と」、「いつまでもいつまでも」などあの人に聴いてもらいたい歌の一つである。
投稿: ナツメロ太郎 | 2011年2月21日 (月) 12時03分
間違った結婚もあれば正しい不倫もあるでしう。
正しい結婚をされた方は幸せだが、残念ながら不幸にしてこの歌の心情は分らないかも知れない。これは正しい不倫をされてる方の為の賛美歌でしょう
投稿: パウロ | 2011年4月11日 (月) 23時40分
「林檎さんが言いました。愛、愛とは齧られる事なんですよ。ねずみさんが言いました。愛、愛とは齧る事なんですよ。そのとき屋根裏に差し込んだ月の光が、やさしく嗜めるように言いました。愛とは祈る事なんですよ?」
学生時代失恋の痛みに打ちひしがれていた時、聞いた詩、何時も泣きながら口ずさんだ。
昭和40年代前半、うろ覚えの詩、作者、詩の題などわかりません。もし。ご存知の人がおられましたら、教えてください。よろしくお願いします。
ナツメロ太郎。
投稿: ナツメロ太郎 | 2011年7月22日 (金) 10時36分
好きで添えなかった友人の事ですが
彼は71歳 愛しながら反対され 生木を裂かれる思いで
他の人と結婚したそうです・・・
その彼女の旦那さんが先日亡くなったと知り会いたい、会いたいそうです。
彼女のことを、いつも心の妻と思ってたんでしょうね。
悲しい結婚生活だったんかな・・・
君は心の妻だからをいつも聞いてるそうです。
投稿: 暇な婆さん | 2012年8月25日 (土) 22時46分
上記投稿を拝見して、ある古い物語を思い出しました。平重盛の郎党、斉藤時頼は、建礼門院に仕える、横笛と二世を契る仲となりますが、父は許しません。悩みに悩んだ時頼は、すべてを捨てて出家し、山中にこもります。それを知った横笛は、あとを追い、やっとの思いでたどり着きます。しかし時頼は会おうとしません。世を儚んだ横笛は、「恋しきひとと後の世は、おなじ台に迎え給え」と書置きして、近くの淵に身を投じます。
変わり果てた横笛を掻き抱き、時頼は泣くより外ありません。その後、高野山に上り、横笛の後生を弔いつつ一生を終えたということです。
投稿: MAEDA | 2012年8月27日 (月) 02時28分
なかにし礼さんは、実にいろんな傾向の歌詞を書いておられますが、なかでも石狩挽歌とこの歌が好きです。特に三番の「強く生きるよ 生きてることが いつかは君に幸せ運ぶ」というところに共感し、この人は本当の詩人だなあと思うのです。
投稿: 三流詩人 | 2015年7月24日 (金) 00時45分
「君は心の妻だから」結婚して42年が過ぎようとしている今、この曲を聴いていると、愚かだったのかなと思えるような若かりしそのころの自分を想い出してしまいます!
愛しながらも運命に敗けて 別れたけれど心はひとつ・・・
上記の詩から私が想像するのは、この唄の主人公は最愛の人、そしてそのご家族のことをひたすら思いやることで、断腸の思いで泣く泣く別れるということを選択したのではないかと捉えています。ある意味で主人公の度量の大きさと男らしさを感じることがあります。
自分に置き換えてみると、私達二人が猛烈に結婚に反対された当時、20代前半だった私は上記の詩のような選択肢があったとしても、私は妻とは別れることができずに、その挙句には駆け落ちを選択してしまいました。今、改めて自分の当時の才覚のなさと無力さを痛感することが多々あります。
結婚前に何度かお会いした妻のご家族は、私が尊敬できる羨むほどの素晴らしいご家族でした。一時だけにしてもそんな妻のご家族に悲しい思いをさせた私の罪の深さ、そんな思いが長年を経た今でも頭から離れません。
幸いなことに、妻のご家族のご理解を得られた日は来ましたが、その時にはすでに3年以上の月日が経っていました。私達二人のことを許して下さったご家族との再会できた日の喜びはひとしおで、私にとって生涯忘れることができません。
また、「いつの日か二人のことをご家族には必ず解ってもらう」と言った私の言葉を一途に信じ、最も尊い愛してやまないご家族と離れることを選択してくれた妻には、ただ感謝しかありません。
あれから長年が経ちましたが、私は時々当時のことを一人で振り返ることがありますが、そのころの私には度量のなさそして何よりも自分に重きを置いた視野の狭い愚かな決断だったのではという、その思いが今も私の脳裏に浮かんでは消えたりしてます。
「君は心の妻だから」この唄は詩もメロディも私の大好きな作品です。妻と一緒になってからの42年の間には色々ありましたが、現実でも心でも私の妻はただ一人と想える。そして妻のご家族には今も尚深い感謝の念を抱けている今日を思うと、ある意味で私は強運の持ち主なのかも知れません。
投稿: 芳勝 | 2020年5月17日 (日) 16時09分
「運命とは人の意志や想いをこえて人に幸・不幸を与える力だそうです」ある女性を愛してしまったが、運命に敗けて「別れたけれど心はひとつ」。「今でも愛しているよ」「めぐり逢えたらはなしはしない」心の中を想い出や未来の想像が駆け巡る「君はやっぱり今でも心の妻だ」他人の妻になる前に(後だったら不倫?)運命によって別れたが忘れられない。深く読めば難しい内容ですね。あなたならどうする(なかにし礼の義姉いしだあゆみ)
作詞家の宮澤一誠さんいわく「歌詞の解釈は十人十色。一筋縄ではいかない。聴き手が都合よく解釈できる詞だからヒットするのかもしれない。女性が怒ってしまうような歌詞が多いのも魅力」
投稿: 海道 | 2021年6月 4日 (金) 06時18分
私もこの曲にはよく耳を傾けました。三条正人さんの切々と歌う歌唱法に惹かれたものと思います。
しかし中西礼さんの詞をじっくり読むと、なんだこれはと思ようになりました。深く愛し合った二人が、事情があったのだろうが、なぜこんな別れをしたのか、これと比べて、2020年に投稿のあった芳勝様が駆け落ち同然の道を選ばれたと聞かされ、よくやったものだと感動すら覚えました。たとえ一時的に、周囲に迷惑をかけようと二人には最善の道だったことでしょう。この詞は結ばれなかったことを嘆く男の自己中心主義的なものにしか見えません。
多分別れた女性は、意気地ない男のことは忘れ、ほどなく幸せな家庭を持ったことと思います。
しかし、それでいいのです。
3番の歌詞など、哀れな男の独りよがりの何物でもありません。中西さんの詞を貶めるものではありませんが、独りよがりの男を美化するのには同調できません。50年前だからこそ受け入れられた歌詞かと思います。何だか、夢をぶち壊す話となり申し訳ありません。これも私の独りよがりかもしれませんが。
投稿: 伊勢の茜雲 | 2021年6月 5日 (土) 15時41分
私は伊勢の茜雲様のお考えに異を唱えるとかは毛頭無く、ただ、なかにし礼さんの歌詞に敬服しました者として一言です。私は「胸をたたいてきっと泣くだろ君は」をなぜか「胸をたたいてむせび泣くだろ君は」と思い込んでいました。比べると「きっと」の方が、抑えも効きしんみりして思いやりもあり、ずっといいです。私は作詩に志したしたことがあり才能がなくダメだったのですが、こういう小さい部分にも天才と凡人の違いが出るのだと思いました。Wikipedia を見るとなかにし礼さんは大変な人生を送られた人のようで、そういう経験がこういう所にも出るのかなあと思いました。なお知り合いの女性に歌詞について確かめましたら、「そんなこと言ってないで早く迎えに行けよ」とのことで、伊勢の茜雲様と全く同じ意見でした。
投稿: kazu | 2021年6月 6日 (日) 09時18分
なかにし礼さんの歌詞に敬服する者としてもう一言です。この二人の事情が何であれ、たとえややこしい事情の無いふつうのカップルにおいても、女性が見せる(過去の)「ぼくの小指を口にくわえて」(未来の)「胸をたたいてきっと泣くだろ」の思いつめた姿は、強く愛しあう男女の間で女の人が見せてくれる、男にとって宝物のような愛おしい姿であり、それを美しい歌詞で描いたなかにし礼さんの力に敬服いたします。対する男の方に意気地が無さすぎるとの批判は当たっているかもしれないですが。
投稿: kazu | 2021年6月 7日 (月) 09時16分