丘にのぼりて
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1 丘にのぼりて 黄昏の |
《蛇足》 昭和32年(1957)9月に、若原一郎の歌でキングレコードから発売されました。
この年は神武景気と呼ばれた好景気の絶頂期で、多くの働き手が地方から都会へとやってきました。とりわけ東京への人口集中が激しく、この年の8月1日には人口は851万8622人に達し、ロンドンを抜いて世界一の大都市となりました。
地方出身者が増えた分、懐郷の思いに駆られる人が多くなったわけで、この年には『帰る故郷もない俺さ』『柿の木坂の家』など、翌年には『ふるさと列車』『赤い夕陽の故郷』などがヒットしました。この歌もそうした望郷歌の1つです。
望郷の念というのは、何でもないような景色やできごと、人の言葉などをきっかけとして急に生じることが多いようです。
私にはこんな経験があります。都会生活になじみ、すっかり東京人のつもりになっていたころ、住宅地の一角に残っていた畑で、風に揺れる青い麦の穂を見たとき、啄木ではありませんが、思郷のこころが"病のごと"わき上がってきたのです。
(二木紘三)
コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 株の勉強 | 2012年12月 6日 (木) 12時23分
二木先生 「丘にのぼりて」掲載up有り難うございました。
メロディを聴いてると心が和んできます。高椅掬太郎の、故郷を懐かしむ思い、昔思いを寄せた女性への淡い慕情、「ああ ああ…。」の詠嘆詞で気持ちが極まるようです。Youtuveで若原一郎の歌声で堪能し、それからこちらでお勉強。いい歌ですねー。飯田三郎さん!うまい!!
投稿: かせい | 2012年12月 7日 (金) 00時30分
望郷に駆られもしない小~中の狭間で、初めて知る歌です。12月6日はミラ生まれニコラス聖人(トルコ南部MyraのNikolaos)誕生日。彼の前夜祭を子供/孫らと祝い、フーッと一息入れている時、透き通った青い空を背景にするススキを拝見。アナトリアの遙か数千kmキロ向うの列島がうかび、つい望郷に念に襲われます。
背丈を遙かに超えるススキ草原の踏み道を抜けたこと。日本海にそそぐ河口に近い地点。川蟹仕掛けを夕方に漬け、翌朝に回収。濃緑灰のカニたちが元気にうごめいています。空腹感が先にあって、興味深く観察などできない…。どんな味だった?全く覚えていません。
ススキのそよぐ方向から白い雲が射し流れてくる。ススキ景色が素晴らしいです。 蟹獲りに ススキ踏みわけ 郷ある也
投稿: TangoMinato | 2012年12月 7日 (金) 03時14分
何とも言えず良い歌です。若原一郎さんと言えば、まず「オーイ中村君」を思い出しますが、こういうしみじみとした歌も唄われていたのですね。
歌詞2番3行目の「ああ ああ 嫁ぐと聞いた」が、私にとっては「ああ ああ 嫁いだと聞いた」のが、今から38年前のことでした。
何とも言えない気持ちになります。
投稿: アイゼンバーン | 2012年12月 8日 (土) 18時16分
2月19日は、地域福祉ひろばの「カラオケ大会」です。参加される方は概ね65歳以上。演歌が中心の大会ですが、
一人ぐらい変わった歌もいいのではと「丘にのぼりて」を
選曲しました。歌はともあれ、サラダみたいなさっぱりした歌、抒情的な歌が歌われなくなった昨今、「本当の歌」のよさを示そうと思います。 73歳の男
投稿: 櫻井 修 | 2016年2月 4日 (木) 20時45分
素晴らしい歌ありがとうございます。
昭和32年と言えば私は少し前に『ゆき』と『リンゴ村から』でコメントしました小学三年生でした。夏、家から登って行く丘の畑は一面の麦畑でした。その一角に私の家の畑もありました。7月の土日は家の手伝いで麦刈をしていました。麓から何人かの子供たちが登ってきて私のそばを通り過ぎました。クラスの級友たちでした。翌週、教室で「お友達の良いところをほめましょう」という授業があり、S君が「○○君は、日曜日に家の手伝いをしていたので偉いです。」と発言していたが思い出されます。
すすきの穂、よく噛みましたよ。まだ穂が開いていず葉の中に閉じ込められているのを取り出して噛むのです。苦くはなかったです。しっとりとしていてほんのりと甘かったように思います。
丘の上は見晴らしも良く、遠くの山並みを見晴らして、あの山の向こう、そのまた向こう、ずっとずっと向こうに東京がある。東京に行ってみたい。と思っていました。
今は東京の喧騒ただなかのマンションに住んでいます。故郷が懐かしいです。またあの丘で家族と仲良く麦刈をしてみたいです。
投稿: yoko | 2016年2月 5日 (金) 10時49分
何度聴いても良い曲だなぁと思います。若原一郎の張りのある歌声も好きです。「山陰の道」共に大好きで、甲乙付け難いですね。故郷への思いとしては、この「丘にのぼりて」の方が強いかな。
櫻井様 「カラオケ大会」では存分に唄いきって、「本当の歌」の素晴しさを「丘にのぼりて」で皆様にお示し下されますよう願っております。 Take it easy!
投稿: かせい | 2016年2月 6日 (土) 00時58分
現在、明るい綺麗な声で歌っている歌手がいませんし、しみじみと心が洗われるような歌もなくなってしまいましたね。櫻井様 どうぞ聴く人の気持ちが綺麗になれると思って歌って下さいね。近ければ拝聴したいのに聴かれないのが残念です。遠くから応援しています。
投稿: ハコベの花 | 2016年2月 6日 (土) 10時19分
久しぶりにロマンチックな気分に浸りたくなって、この歌を口ずさんでいます。
私がこの歌に入れ込んで、ことある毎に歌っていたのは、昭和34~35年頃だったと思います。
なんと叙情的な素晴らしい歌だろう と、憧れの遠い信州の山並みを背景に白樺の林の中を、まだ見ぬ素敵な恋人と手をとり合って歩いている情景を思い描きながら、思わず目頭を熱くしながら歌ったものです。
あれからウン十年経た今歌っても、本当にそんな夢のような懐かしい情景を思い起こさせるような、素晴らしい叙情的な詩とメロデイーですね。
ああ~ あ~あ~ と、高音のところは、お得意のファルセットでごまかしますが、なんとか歌えます。
今夜 カラオケ行こうかな !??
投稿: あこがれ | 2019年2月 7日 (木) 10時32分