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2013年4月17日 (水)

聞かせてよ愛の言葉を

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・作曲:ジャン・ルノワール、日本語詞:あらかはひろし

1 愛のその言葉を 繰りかえし
  甘くこの胸に 囁いてよ
  愛のあの言葉を 心からわたしに
  わたしの好きな あの言葉
  この胸で聞かせて たとえ嘘でもいい
  あなたの言葉が 甘い蜜のように
  わたしの魂を 優しくゆすぶる

2 愛のその言葉を 繰りかえし
  甘くこの胸に 囁いてよ
  愛のあの言葉を 心からわたしに
  わたしの大事な あのひと
  この胸で信じて たとえ夢でもいい
  愛のそのくちづけ 誓いの言葉に
  恋に傷ついた胸も いやされる

  愛のその言葉を 繰りかえし
  甘くこの胸に 囁いてよ
  愛のあの言葉を 心からわたしに


  Parlez-moi d'Amour

1.Parlez-moi d'amour
  Redites-moi des choses tendres
  Votre beau discours
  Mon coeur n'est pas las de l'entendre
  Pourvu que toujours
  Vous répétiez ces mots suprêmes:
  "Je vous aime"
  Vous savez bien
  Que dans le fond je n'en crois rien
  Mais cependant je veux encore
  Écouter ce mot que j'adore
  Votre voix aux sons caressants
  Qui le murmure en frémissant
  Me berce de sa belle histoire
  Et malgré moi je veux y croire

2.Parlez-moi d'amour
  Redites-moi des choses tendres
  Votre beau discours
  Mon coeur n'est pas las de l'entendre
  Pourvu que toujours
  Vous répétiez ces mots suprêmes:
  "Je vous aime"
  Il est si doux
  Mon cher trésor, d'être un peu fou
  La vie est parfois trop amère
  Si l'on ne croit pas aux chimères
  Le chagrin est vite apaisé
  Et se console d'un baiser
  Du coeur on guérit la blessure
  Par un serment qui le rassure

  Parlez-moi d'amour
  Redites-moi des choses tendres
  Votre beau discours
  Mon coeur n'est pas las de l'entendre
  Pourvu que toujours
  Vous répétiez ces mots suprêmes:
  "Je vous aime"

《蛇足》 1930年に発表され、リュシエンヌ・ボワイエ(写真)が創唱しました。

 リュシエンヌ・ボワイエは藤田嗣治の絵のモデルとして有名。家計を支えるためにキャバレーなどの小舞台に立ち、やがて歌の才能が認められて歌うようになります。たまたま歌ったこの1曲が世界的な大ヒットとなり、一挙にスターダムに昇りました。

 ジャン・ルノワールは筆名で、本名はジャン=ベルナール・ダニエル・ニュビュルジ。パリ市内で生まれ、郊外のオー・ドゥ・セーヌで亡くなりました(1891~1976)
 
映画の主題歌や挿入曲を含め、生涯に4000曲を作ったといわれる多作家です。『大いなる幻影』などを作った映画監督のジャン・ルノワール(画家オーギュスト・ルノワールの息子)とは別人。

 この歌が発表された1930年は、前年に起こったニューヨーク市場の株価大暴落に始まった大恐慌が深刻化し、各国とも社会情勢が暗くなりだした時期です。そんな時期でしたから、この明るく甘い恋の歌が多くの人の安らぎになったのでしょう。
 フランスではジュリエット・グレコなど、日本では淡谷のり子、越路吹雪、石井好子、金子由香利、高英男、岸洋子など、非常に多くの歌手がカバーしています。

 日本語詞としては、上記のほかに、 音羽たかし、菅美沙緒、岩谷時子によるものがあります。

 あらかはひろしの日本語詞でも原詞でも、1番と2番の前半、および最後の繰り返し部分は歌詞が同じです。

(二木紘三)
 

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コメント

  Bonsoir

あたしのシャンソンは 

パルレーモワ ダムールに始まって

そのまんま

心地いいの、うっとり!

ただひたすら囁いて!

好きよ!って

理屈はいらないの

あたしにその気があれば

何遍聞いても

飽きないわ

シャンソンって素敵
 
大好き 

アングロ系の騒音は

嫌い キライ

ロック系は

イヤ、いや


   Au revoir

投稿: トッコ | 2013年5月22日 (水) 21時02分

友人から教えられました。
素敵な音楽をありがとうございます。

投稿: かとう | 2013年6月 3日 (月) 18時43分

二木紘三うた物語…

ここで聴く曲は 懐かしく

ホッとしますね~

ありがとう^

投稿: painn | 2013年8月 7日 (水) 15時26分

 映画音楽を拾っています。昔、心を奪われた曲の数々、ありがとうございます。偶然、「うた物語」のサイトに出会ったのですが、感謝で一杯です。ありがとうございます。

投稿: konoha | 2017年2月23日 (木) 16時04分

とても好きな曲です。konoha様の投稿があって目につきましたので思い切って積年の疑問を教えて頂きたくコメント欄を利用することをお許しください。疑問とは「なぜジュテームでなくジュヴゼームなのか」ということです。duとsieほどの差はないのでしょうか。

投稿: しょうちゃん | 2017年2月23日 (木) 20時30分

しょうちゃん様
Je t'aimeにしていないのは、ほかの箇所で敬称vousを使っているので、それに合わせたのではないでしょうか。
詩を読むと、すでに相思相愛の仲のように思えますが、敬称を使っているので、相手との関係がまだ親称tuを使う段階まで進んでいないのかもしれません。
あと、韻律(meter)が関係しているかもしれませんが、これについては仏語詩に詳しい人のコメントを待ちましょう。
(二木紘三)

投稿: 管理人 | 2017年2月24日 (金) 18時22分

二木先生 解説有難うございました。仰ることはなるほどと理解することが出来ました。歌として口に出してみるとVOUSの方が適当なのと、2人の仲の微妙な段階を示しているかとのご指摘は新鮮です。なんか奥が深く感じます。

投稿: しょうちゃん | 2017年2月25日 (土) 08時29分

最近、シャンソンで、割合よく聴いているのは、『ラスト・ダンスは私に』(ダニエル・ダリュー 唄)、 『フル・フル』(Catherine Maisse 唄、中原美沙緒 唄)、『河は呼んでる』(中原美沙緒 唄)、そして、この『聞かせてよ愛の言葉を』(木佐貫裕珠 唄)です。

木佐貫裕珠さんが歌う『聞かせてよ愛の言葉を』は、佐伯孝夫さん訳詞によるもので、愛の歌として、大変心地よく感じます。
   聞かせてよ 好きな甘い言葉
   話してね いつものお話を
   何度でも いいのよこの言葉
   ジュ・ヴ・ゼーム
   ……

因みに、手許にあります『フランス民謡集』(飯塚書店 1958年)に記載されている『聞かせてよ愛の言葉を』は、菅 美沙緒さん訳詞とあります。
   聞かせてよ きみが甘きことば
   聞かせてよ きみがやさしことば
   私の心に ささやく君
   愛すと
   ……

両訳詞とも、出だしが、タイトル” 聞かせてよ愛の言葉を”と同じようなフレーズで始まっていて、すーっと歌の世界に入っていけるようで、しっくりきます。

投稿: yasushi | 2021年9月25日 (土) 14時28分

 手元に1966年に発売された、「愛のデュエット」なるLP盤があります。歌っているのは若き日の立川澄人さんと、宝塚歌劇史上にその名を残すプリマ、加茂さくらさんのコンビであります。収録曲は「愛情物語」「慕情」「インディアン・ラブコール」「恋人と呼ばせて」「ラノビア」等々11曲で、うち本曲を含めた8曲がデュエットで歌われています。お二人による「聞かせてよ愛の言葉」、まことに素敵であります…。


投稿: ジーン | 2024年12月15日 (日) 12時36分

 加茂さくらさん、本月21日に黄泉の国へ旅立たれました。今夜、ワインを飲みながらLP盤を聞いて追悼します…

投稿: ジーン | 2024年12月24日 (火) 14時54分

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