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2013年9月23日 (月)

明日は明日の風が吹く

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:井上梅次、作曲:大森盛太郎、唄:石原裕次郎

1 風はきままに 吹いている
  鳥はきままに 鳴いている
  どうせ男と 生まれたからにゃ
  胸の炎は きままに燃やそ
  意地と度胸の 人生だ
  ままよなげくな いとしいお前
  明日は 明日の風が吹く

2 雲はきままに 飛んでいる
  月はきままに 笑ってる
  後へはひけぬ 男の意地だ
  濡れた瞳は 夜霧のせいよ
  別れ惜しんで いる内に
  男心に 傷がつく
  明日は 明日の風が吹かァ

《蛇足》 昭和33年(1958)に公開された同名の日活映画の主題歌。監督の井上梅次が作詞しました。

 映画は、やくざ映画に裕次郎流青春映画をミックスしたような内容。ナイトクラブだかキャバレーだかで裕次郎がこの歌を歌います。
 夜の酒場で歌を歌ったり乱闘したりするのは、この頃の裕次郎映画や小林旭映画の定番でしたね。

 裕次郎主演の青春映画やアクション映画は、彼の魅力におんぶに抱っこしたものがほとんどで、作品自体はまことにぬるいというか、はっきりいえばB級映画ばかりでした。

 裕次郎の出演映画で私がおもしろいと思ったのは、『幕末太陽傳』『戦争と人間(裕次郎出演は第一部のみ)』『人斬り』くらいですが、いずれも裕次郎主演ではありません。
 主演作品では、実話に基づいた『黒部の太陽』『富士山頂』がまあまあ。
 彼が松竹や東宝専属だったら、どんな作品が作られただろうかと、ときどき考えます。

 内田有紀が同タイトルの歌を歌っているようですが、私は聞いたことがありません。

(二木紘三)

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コメント

 「明日は明日の風が吹く」、カッコいい歌ですね。歌詞に「後へはひけぬ 男の意地だ」とあります。若い人の歌ですね、ちょっと無鉄砲なように思いますが、そこがいいのです。
 この映画が製作された年、私は小学校3,4年でした。隣の家の中学3年のお姉さんが裕ちゃんの熱烈なファンで、映画もいろいろ見ていました。しかし、その親父さんが、裕次郎なんか見ると不良になるといって心配して、時に叱っていました。
映画を見るだけで不良になるといわれた、なんともなつかしい時代でした。

 昔のフイルムで裕次郎をみても、確かにカッコいい。どこが、カッコいいかというと、不良役を演じても、裕次郎には、どことなく育ちのよさが感じられ、悪いヤツにはけっしてみえないところです。良家のお坊ちゃん然としています。
 そこを見て、裕次郎をしょせんは資産家の息子と冷ややかにみるむきもあるようですが、経済的な余裕がなければ、遊び心などはでてこないわけで、それはちょっと了見が狭いように思います。

 「明日は明日の風が吹く」ですが、例えば、結婚して住宅ローンなどを組んでみると、その返済のために、もはや、風まかせの生活などはありえないわけです。いわば、これは気楽な独り者の処世訓です。 しかし昨今の就職難、雇用の不安定さをみる時、「明日は明日の風が吹く」は、おおらかな生き方として、再評価されるかもしれません。
一方「人生、備えあれば憂いなし」といっても、ハプニング(お金だけではなく、病や、身内の死なども)が襲ってくるが、私の経験則からいえば、そのハプニングのほとんどが、想定外の規模ですから、備えが役に立たないのが実情です。人生、しょせんは風まかせに生きざるをえないのではないでしょうか。


投稿: 浮舟 | 2013年9月24日 (火) 15時10分

「世界一、脚の長い男」と言う裕次郎の広告看板が映画館街に並んでいました。中学の頃、お年玉をもらい、正月裕次郎映画を2度ほど観に行きました。そう言う文句に魅せられる世代と時代だった…、何となく覚えているこの旋律につられ、あの頃が懐かしく浮かび上がります。

投稿: minatoya | 2013年9月26日 (木) 00時58分

1956年、映画「知りすぎた男」の主題歌『ケセラセラ』をドリスデイが歌いました。ペギー葉山が日本語で歌い大ヒットし、一世を風靡しましたね。ケセラセラという言葉も当時流行しましたね。「なるようになるさ」とか「明日は明日の風が吹くさ」の意味で「ケセラセラだよ」と私もよく使いました。

この歌が発売されたのも1958年ですから、まだその流行語の余韻が残っていた時期ですね。裕次郎はまだ若くて細身長身あし長でカッコよかった頃でした。映画はいつものパターンでお決まりのキャバレーシーンがあり、恋あり歌ありの娯楽作品ですが、裕ちゃんはこの頃の時代の匂いと憧れを発散していました。私が18歳のころでした。

投稿: 吟二 | 2013年11月 8日 (金) 09時53分

「明日は明日の風が吹く」という言葉が昔からある日本語の言い回しなのか、外国語の表現の翻訳なのか知りませんが、英語に似た表現があって、Tomorrow is another dayと言います。この「明日は明日の風が吹く」という言葉を聞くと、昔見たアメリカ映画「風と共に去りぬ」を思い出すのです。南北戦争のあと故郷のタラに戻った主人公の、ヴィヴィアン・リー演じるスカーレット・オハラが夕焼けを背景に"Tomorrow is another day"と叫ぶのです。私の記憶が正しければ、字幕には「明日は明日の風が吹く」とあり、ここで映画の前半が終わり、インターミッションにはいりました。

投稿: KeiichiKoda | 2013年11月 9日 (土) 11時03分

 「明日の風」と'another day'考。
日本語の成句の意味合いは「そのうち何とかなるだろう」的で、ミッチェルの紡いだ'another day'は「今の思いは明日になって駄目(実現不可能)になるかも知れない」という悲観的な響きを含んでいるように思います。

投稿: 槃特の呟き | 2013年11月11日 (月) 00時01分

槃特の呟き様

DVDを借りてもう一度「風と共に去りぬ」を見てみました。私の記憶がすり替わっているところがありましたので、訂正します。スカーレットがつぶやく"Tomorrow is another day”という言葉は南部が戦争に負けてスカーレットが故郷のタラに戻ったときではなく、この映画の一番最後にあらわれます。レット・バトラー(クラークゲブル)がスカーレットのもとを去って悲しみにくれていたときに、そうだ私には故郷のタラがある、タラに帰って彼を取り戻す方法考えよう、"After all tomorrow is another day."と叫んで、映画が終わるのです。このDVDバージョンの字幕には、この言葉の訳として「明日に希望を託すのよ」とありました。いずれにせよ、今は悲しみに打ちひしがれているけれど、いつまでもこの悲しみが続くはずはない、私には明日(将来)があるのだ、という希望の言葉をあらわしています。

投稿: KeiichiKoda | 2013年11月11日 (月) 18時04分

KeiichiKoda様
 映画を見もせずに勝手な一般論を綴ったことを恥じている次第です。文頭の'After all,'の前が苦しい状況の描写なら、後続の意味は反対の状況を期待したものになるのは仰る通りです。私の粗忽でした。

投稿: 槃特の呟き | 2013年11月12日 (火) 00時20分

「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花・・」(菅原道真)
「きたかぜ ぴいぷう ふいてくる」(たき火)
「朝は西風 夜は南風」(島育ち)
 吹いてくる風をただ受け容れるほかはない我々。風に対する歌の作り方にもそういう姿勢があります。
大げさにいえば、モンスーン気候、台風の影響下にある日本民族の伝統的情操です。しかし、この歌は、風のように自由に生きたいと歌います。ううむ、斬新ではないですか!
 風や鳥が自由であるとは、創造主である神の領域であります。それに対峙するような観点に、気張ったものを感じます。若者の傲慢さというか、それはそれで魅力を感じます。
 しかし「どうせ男と生まれたからにゃ」、これは残念!、めっちゃ軽すぎます。女を意識しすぎだろ、いいカッコしたいだけなのか、といいたくなる。
そこを「どうせ人間とうまれたからにゃ」(字余りですが)、歌詞がこう続けば、一度きりの人生をどう生きるかという哲学的な問いかけが、でてきます。
「どうせ男と生まれたからにゃ」は、どうも商業主義のように思います。「どうせ人間と生まれたからにゃ」では、集客力がないだろうという計算があるように・・
 人生の深淵(いいところ)を衝いていながら、いまひとつを感じる歌詞です。

投稿: 紅孔雀 | 2014年1月 6日 (月) 00時01分

上で、映画「風と共に去りぬ」のことを書きましたが、もう一言。本年(2014年)は、「風と共に去りぬ」が上映されてから、75年だそうです。本日のNHK7時のニュースによれば、アメリカのジョージア州アトランタではこれを記念する行事が行われたようです。75年前の映画ですからこの映画に登場した俳優・女優はすべて故人ですが、映画の中で7歳の子役で出ていた男性が今でも健在で、ニュースに登場したのには驚きました。今でも自分が映画の中でしゃべったセリフは昨日のことのように覚えているそうです。映画の最後の場面で、スカーレットが"Tomorrow is another day."とつぶやくところも、出ていましたよ!

投稿: KeiichiKoda | 2014年6月 7日 (土) 20時04分

「明日は明日の風が吹く」にもう一言。友人が「アメリカ映画名セリフベスト100」というサイトがあることを教えてくれました。映画「風とともに去りぬ」のスカーレット・オハラがこの映画最後の場面で発する言葉"After all, tomorrow is another day."は31位にランクされていて、「明日は明日の風が吹くわ」と訳がついていました。スカーレットが戦乱の中タラに戻って夕焼けをバックに叫ぶ"As God is witness, I'll never be hungry again"(神よ、ごらんください。二度と飢えはしません。)は59位。ちなみに、アメリカ映画#1の名セリフに選ばれているのは、やはり「風とともに去りぬ」からで、レッド・バトラーの"Frankly, dear, I don't give a damn."(正直いって、俺には関係ない)です。

投稿: KeiichiKoda | 2015年3月15日 (日) 10時57分

私の記憶に残る英語の名セリフは、中学校の英語の教科書、一ページにあった、

  I am Tom Brown.
  You are Betty Smith. です。

Keiichi さん, すいませんね、英語にはうとくて、こんなことしか言えなくて。

投稿: 田主丸 | 2020年8月25日 (火) 20時01分

田主丸様
交流掲示板の1775番をご覧ください。

投稿: ジャック・ジョーンズ | 2020年8月25日 (火) 23時11分

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