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2014年3月 9日 (日)

コンドルは飛んで行く

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞・唄:サイモン&ガーファンクル、
作曲:D.A.ロブレス、日本語詞:麻生ひろし

もしも できることなら
空を飛べる すずめなら 楽しい

かたつむりみたいに
野暮な生き方なんて
今日かぎりで 終りさ

空高く飛ぶことが
もしも できたら
悲しみの歌と 明日(あした)
恐れることもないさ

この世に生まれたのは
愛を より深くわかるためさ

この手のひらの中に
いつも あふれる愛を
見つめていたいの
Hum...... Hum...... Hum......

       El Cóndor Pasa

I'd rather be a sparrow than a snail.
Yes, I would.
If I could,
I surely would......hmm.

I'd rather be a hammer than a nail.
Yes, I would.
If I only could,
I surely would......hmm.

Away, I'd rather sail away,
Like a swan that's here and gone.
A man gets tied up to the ground,
He gives the world its saddest sound,
Its saddest sound......hmm.

I'd rather be a forest than a street.
Yes, I would.
If I could,
I surely would......hmm.

I'd rather feel the earth beneath my feet.
Yes, I would.
If I only could,
I surely would.

《蛇足》 アメリカのフォークロック・デュオ、サイモン&ガーファンクルが歌って、世界的に知られるようになりました。

 原曲はペルーのアンデス地方で歌われていた民謡で、歌詞は次のようなものだったそうです。

Oh majestuoso Cóndor de los Andes,
llévame a mi hogar, en los Andes,
Oh Cóndor.
Quiero volver a mi tierra querida y vivir
Con mis hermanos Incas, que es lo que más adoro
Oh Cóndor.

En el Cusco, en la plaza principal,
Espérame
Para que a Machu Picchu y Huayna Picchu
Vayamos a pasear.

おお、堂々たるアンデスのコンドルよ
アンデスの我が家へ連れていっておくれ
おお、コンドルよ
最愛の土地へ戻って暮らしたい
大好きなインカの兄弟たちとともに
おお、コンドルよ

クスコの中央広場で
待っていてくれ
マチュピチュとウアイナピチュへ行くためさ
さあ出かけようぜ

 ペルーの作曲家で民俗音楽研究家のダニエル・アロミア・ロブレス(Daniel Alomia Robles) が、1913年にこの民謡を採譜・編曲して自作のサルスエラ(オペラの一種)の序曲として取り込みました。序曲のため、歌詞はついていませんでした。

 この序曲を現在もよく演奏されている3部構成に編曲したのは、アルゼンチン出身でフランスで活動していたフォルクローレ・バンドのリーダー、ホルヘ・ミルチベルグ(Jorge Milchberg)でした。
 ただし、それよりかなり前に現在のスタイルに近い演奏が行われていた、とする説があります。

 3部構成の第1部は郷愁を誘うような静かな演奏で、第2部はハイテンポの行進曲風、第3部は華やかなダンス・ミュージックになっています。

 サイモン&ガーファンクルが歌詞をつけてカヴァーしたのは、このうちの第1部だけ。カタツムリより雀になりたい、釘よりハンマーになりたい、街路より森になりたい……といった歌詞で、コンドルは全然出てきません。
 『スカボロ・フェア』と同じく、寓意に満ちたフレーズの連続で、難解ですが、訴えたいことはなんとなく伝わってきます。

 この曲はよくケーナで演奏されますが、上のmp3ではオカリナを使いました。後奏の部分はオルガンです。

(二木紘三) 

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コメント

 この曲はいつも聴いてばかりでしたが、流れているのがオカリナとのことでいまオカリナのAC管を取り出して ~ シ ミ bレ ミ #ファ ソ #ファ ソ ラ シ レレシ ミレミレシ シ ラ ソ ラソミ ・・・と、まだここまでですがとても温かい気持ちになりました。
自分が知っている曲は全ていい曲だから頭に心に残っているのですね。

投稿: 尾谷光紀 | 2014年3月10日 (月) 11時11分

私が小学校の頃、「アンデス少年ペペロの冒険」というアニメーションを放送していました。
おそらく再放送版を、学校から帰って夕方の時間帯に見ていたと思いますが、この主題歌が、この曲の歌い出しの部分をそのまま使用していて、その後の歌の部分は違うメロディーですがしかしとても良くできた曲で、詩の内容も雄大な大地を少年が旅するというようなもので、大好きでした。
物語のラストは、少年時代特有の甘酸っぱい気持ちになった事を今でも覚えています。
私にとっての懐メロですね。

投稿: pyon | 2015年8月22日 (土) 13時08分

 二木楽団のオカリナでの演奏、ケーナーとはまた違った暖かみのある音色でいいですね。昔、NHKの「シルクロード」のテーマ曲を「宗次郎」のオカリナで演奏されていました。素朴で心に沁みてくる音色でした。

 私もコンドルをオカリナで吹いてみたく、ただそれだけでオカリナを購入しました。そして頭の中では宗次郎の「コンドルは飛んでいく」の如くにと練習を重ねたのですが、うまくいかず諦めてしまった思い出があります。

 さすが尾谷さま、オカリナ演奏をなさったのですね。「花祭り」もオカリナで吹かれましたか。

 さて、先の「東京の人」のコメントの中で、You Tubeでのコンドルの映像を紹介させていただきました。この映像の中のコンドルの飛行している姿、また枝に止まっている時の凛とした面構えや姿勢(鳥に姿勢などというのはおかしいかも、笑)惚れ惚れしてしまいます。それこそ孤高を心情にしている感があります。(これも大袈裟ですね)

 願わくば、このコンドルのような姿勢を保ちつつ、ゆったりと大気に任せた生き方をしたいものです。(勿論、盃を片手にしてです。)

投稿: konoha | 2017年9月 8日 (金) 16時29分

konoha様

「願わくば、このコンドルの様な姿勢~生きたいものです」諸手をあげて大賛成!!

但し当方は手にするのはお茶ですが・・・。

素敵な映像をご紹介下さいまして有難うございました。

早速お気に入りに入れさせていただきました。

投稿: fumippe | 2017年9月10日 (日) 06時28分

オカリナの包み込まれるような温かいメロディに酔いました。数年前 練馬文化センターの指笛発表会で はじめてこの曲を聴きました。
素晴しい曲ですね。また みなさんの素敵なコメントを読み返しています。

麻生ひろしさんの日本語詞もいいですね。

    この世に生まれたのは
    愛を より深くわかるためさ

    この手のひらの中に
    いつも あふれる愛を
    見つめていたいの
   Hum...... Hum...... Hum......

管理人さんの写真のような青く広い大空でコンドルの背中に乗せてもらい ユッタリと人生を過ごしたいものです。

投稿: けん | 2017年9月10日 (日) 08時56分

コンドルの羽を広げて大空に舞い上がる雄姿、素晴らしいですね。また、静かに佇んでいる目の鋭さにも惹かれます。男の面構えってかくありたいものですね。あこがれの高倉健さんが思い出されます。また、風林火山も彷彿とされます。

疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し

またオカリナの調べも良いですね。容姿、形に関わらず大空に吸い込まれるようなおおらかな癒しが感ぜられます。

ところで私はその正反対な男でした。親を安心させるため勉強しているふりをして夜遅くまで電気はつけていたのですが、クラスの集合写真をじっと見つめていました。高1のとき自分の姿のみじめさに悲しくなって破り捨てました。今に至るまで自身の写真はほとんど持っていません。

大学の入学式が終わり会館をでると、クラブやサークルの勧誘員がたくさん出迎えていました。新入生一人一人を数人でとり囲んで入部を誘っていました。私にも一人駆け寄って来ました。しかし私に数歩前まで近づくとギョッとして立ちすくみました。去りゆく私の後ろから「あれじゃぁなあ、こちらからお断りだよな~」と、数人のささやきが聞こえました。

ともあれ、私はそのときコンドルになれた気分でした。盛装した両親や知人に取り囲まれて騒然とした喜びに包まれてている中、私はやっとこれから一人でやって行けるぞ、というさわやかな気分に浸っていました。

投稿: yoko | 2017年9月10日 (日) 10時58分

 訂正です。シルクロードは「喜多郎」でした。

投稿: konoha | 2017年9月10日 (日) 16時29分

konoha さま
素敵な映像のご紹介ありがとうございます。
この曲を聞く時いつも心は天翔ける鳥になっています。
一時でも日々の煩いを忘れさせてくれます。
私もこの曲を吹きたくてオカリナを習いました。初期投資もむなしく腱鞘炎の為に挫折。「やや上達した段階の手の動きが苦痛であった」


けん様
指笛の「コンドルは飛んで行く」もいいですね。
ご自分そのものが楽器とは!!羨ましいですね。

雄大な「コンドルは飛んで行く」のあとに
クールダウン?
岸洋子「アンデスの風になりたい」を聴きます。
やなせたかしさん主催の「詩とメルヘン」に寄せられた
とべあきよさんの歌詞にも魅かれます。

投稿: りんご | 2017年9月10日 (日) 18時28分

りんご様

 雄大な「コンドルは飛んで行く」のあとにクールダウンした 岸洋子「アンデスの風になりたい」のご紹介 有難うございます。
  早速 検索し何度も聴いています。
 
 やなせたかしさん主催の「詩とメルヘン」に寄せられた
女性とべあきよさんの歌詞も魅力的ですね。
「はるかな草原・・、一度だけの人生なら・・、見知らぬ国をたずね 愛するひとに出逢いたい」などの歌詞。

 シャンソン歌手の「石井好子」さんが、岸洋子さんは歌ったあと死んでもいいと、それくらい気持ち を込めて歌っていると・・ というコメントを読みました。

 私は草笛を演奏して2年ぐらいです。草笛の音色に興味をもたれた方のクチコミで 町内会、敬老会、小学校等から演奏依頼が来ています。この「コンドルは飛んで行く」や「アンデスの風になりたい」をく草笛で練習したいと思います。有難うございました。

投稿: けん | 2017年9月11日 (月) 17時21分

「コンドルは飛んで行く」を聴き~岸洋子の「アンデスの風になりたい」でクールダウン。

けん様の共感を得て「平和とはいいものだ」という思いが
湧いてきます。平和でなかったら 二木先生主催の
音楽ブログでの交流はあり得ません。
草笛 いいですね。草笛いう文字を見ただけで抒情を感じます。うた物語に集う皆様方の入魂のコメントを読むのが楽しみです。
追記
実に「アンデスの風になりたい」を聴いてから40年になります。詩の意味がよく理解できる年になりました。諸々の思いが込み上げます。
秋の夜長皆様、それぞれ好みの音楽を聴いて心の栄養にいたしましょう。

投稿: りんご | 2017年9月11日 (月) 18時49分

「土の音」の名で活動している陶芸愛好グループに入会させていただいたのは10年ほども前になります。「土の音」と名づけたのはオカリナを陶器でつくり、目指すはグループみんなで演奏することだったと聞かされました。小生が入会したときはオカリナ作りは立ち消えていて通常の焼き物づくりの会でした。アンデスの民謡はスラブ・ロシア民謡とつながりがあるのでしょうか。民族の移動ルートの大河はアフリカの地溝帯を発してアジアからベーリングを超え北アメリカから南へと移動した民族、そこには我が日本民族の血が織り込まれていたのでしょうか。こころの安らぎを満たしてくれるメロディです。このところ、北アンデス・ボリビアの太陽神?の仮面を模して陶土で焼き上げています。太陽神?の頭上の二本の角は大きく宙に伸び、コンドルが広げた羽根を暗示しているかのようです。

投稿: 亜浪沙(山口 功) | 2022年1月18日 (火) 14時30分

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