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2014年9月 4日 (木)

折り鶴

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:安井かずみ、作曲:浜 圭介、唄:千葉紘子

1 誰が教えて くれたのか
  忘れたけれど 折り鶴を
  無邪気だったあの頃 今は願いごと
  折ってたたんで 裏がえし
  まだおぼえてた 折り鶴を
  今あの人の胸に とばす夕暮れどき
  「わたしは待っています」と伝えて
  いつでも きれいな夢を
  いろんなことが あるけれど
  それは誰でも そうだけど
  悔いのない青春を 詩(うた)って歩きたい

2 誰に教ったわけじゃなく
  忘れられない面影を
  これが恋と気づいた そよ風の季節
  会って別れて 会いたくて
  白い指先 折り鶴に
  人に言えない想い 託す夕暮れどき
  「わたしは大好きです」と伝えて
  小さな夢が 燃えてる
  泣いて笑って 明日(あした)また
  それはいつでも そうだけど
  青い空の心で あなたを愛したい

《蛇足》 昭和47年(1972)8月25日発売。オリコンチャートで最高9位までいきました。

 千葉紘子には、ほかに『宗谷岬』というヒット曲があります。こちらは、発売当初はあまり注目されませんでしたが、じりじりと人気を上げて、今では北海道をテーマとしたフォーク系スタンダードナンバーの1つになっています。

 それにしても、「待つ」というのは、女性の宿命なのでしょうか。洋の東西を問わず、去っていった人、あるいは帰らぬ人を待つ女性をテーマとした歌はいくつもあります。

 『池上線』では「待っていますとつぶやいたら/突然抱いてくれたわ」、『北の旅人』では「いまでもあなたを待ってると/いとしいおまえの呼ぶ声が」、『ソルヴェイグの歌』では「きみが帰りをただわれは/ただわれは誓いしままに待ちわぶる」といったふうです。

 恋人ではありませんが、『帰らぬひとを…』では、出征した夫を「帰らぬ人を待ち今日も暮れる/帰らぬ人を待ち窓辺に寄る/帰らぬ人を待ちひとりで泣く」と待ち続ける妻が歌われ、『ロンドンデリーの歌(の最もよく歌われる歌詞)ダニー・ボーイ』では、たぶん戦争のために帰れない息子を待ち続ける母親がテーマになっています。

 男が女(母親も含めて)を待たせている理由はさまざまで、それによって女性の辛さ・悲しさも変わってきます。『折り鶴』の女性が待たされている理由はわかりませんが、彼を振り向かせたい思いがひたひたと伝わってきて、愁いよりむしろ爽やかさのほうが強く感じられます。

(二木紘三)

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コメント

こんばんは、寝る前に何気なく、ふと又、うた物語に訪れました。「折鶴」が完成したばかりのようです。

二木先生の「管理人への連絡」の受蓋が動いておりました。こんな遅くまで有難う御座います。「折鶴」を2,3回聞いてから休ませて戴きます、おやすみなさいませ。

投稿: 権兵衛 | 2014年9月 4日 (木) 23時26分

「待つのも、待たせるのも、大嫌い」なんて言うと 歌にならないのですね。待たされ、待ち続けたのは昔の話。今は、誰を待つこともなく、おひとり様とは。。。

投稿: taka-shiz | 2014年9月 5日 (金) 04時15分

 非常に抒情的な歌詞です。こんな詩を読む、つつましやかな若い女性はもういなくなってしまったように思えます。
 “待つ”という行為はある意味、最も激しい恋の形ではないかとさだまさしさんが言っていました。I will wait for you は映画シェルブールの雨傘の主要テーマに英語歌詞を付けたものですが、如何せん仏語の出来ない私はこの詩で原語の歌詞を偲ぶしかありません。以下に少しだけ紹介します。この映画は、初めて観た時より、結末を知っている2回目以降の方が、別れの場面で涙を誘われます。

If it takes forever I will wait for you
For a thousand summers I will wait for you
Till you're back beside me, till I'm holding you
Till I hear you sigh here in my arms

Anywhere you wander, anywhere you go
Every day remember how I love you so
In your heart believe what in my heart I know
That forevermore I'll wait for you

投稿: Yoshi | 2014年9月 5日 (金) 10時53分

私のカラオケ18番の曲を有難うございます。この曲の男性の様な人は沢山いますね。好きとか嫌いとかはっきり言わない。女性からサインを送られてもきずかない。何十年か前の自分に重なります。

投稿: 海道 | 2014年9月 5日 (金) 15時04分

折鶴に魅せられて、折り紙を始めたオランダ人が、来日。去年から、公園の向かいに 日本人の若い奥さんとカフェ☕をオープン。店内で「折り紙教室」を開き、日本人に 折り鶴や くすだまの折り方を教えています。彼に 折り鶴にまつわるこの曲を聞かせてあげたいです。

投稿: taka-shiz | 2015年1月20日 (火) 11時37分

歌手の千葉紘子さんは楚々とした素敵な方でしたね。
赤い糸で結ばれていたのか「元東京地検特捜部長の川上和夫氏」と2008年に結婚。
心に沁みる名曲ですね。

投稿: りんごちゃん | 2015年1月22日 (木) 09時06分

本曲のヒット当時、『宗右衛門町ブルース』等を聴いていた演歌愛好者には、『折り鶴』にも歌手にも全く無関心でしたが、それから幾星霜、清楚系美女を後妻にした故ヤメ検氏は果報者でした(自分が後妻にしたかったと言ったらカミさんに三行半を叩きつけられるかと…)。
本曲は、A(誰が…願いごと)、A´(折って…夕暮れどき)、B(「わたし…夢を)、A"(いろんな…歩きたい)から構成され、Bを挟んでAとほとんど同じ曲調のA´、A"が繰り返される曲でないかと音楽ド素人的に独断する終戦直前年寄りです。

投稿: 焼酎百代 | 2016年7月24日 (日) 19時20分

「折り鶴」この曲がヒットした昭和47年は私が定時制高校夜間に通う3年生の時でした!

その当時、私の僅かな小使いの中から、この年に慎重に選んで購入したレコードは全部で3枚でした。三善英二の「雨」牧村三枝子の「少女は大人になりました」を同時に買い、そしてその後日に買った「折り鶴」の3枚ですが、よく考えてみると、偶然ですが作曲者は三曲とも「浜圭介」でした。後年もやはり私は彼のメロディが好きだったようで、由紀さおりの「挽歌」や八代亜紀の「舟唄」のレコードなどを含め、今では彼の手掛けた曲のレコードを数多く持っています。

1、いろんなことがあるけれど それはいつでもそうだけど♪♬

2、泣いて笑って明日(あした)また それは誰でもそうだけど♪♬ 

安井かずみの何気ないようなシンプルに表現された上記の歌詞も私は気に入っています。
そして「折り鶴」この歌のメロディを改めてよく聴いてみると、確かに曲の構成は焼酎様がご説明されたとおりですね!

投稿: 芳勝 | 2018年10月29日 (月) 19時24分

私はこの歌が大好きですがそれなりに歌えても所詮男には女性が持って生まれた情感は本物の女性には勝てないと歌好きの仲間に言われた事があります。またカラオケ大会で智恵子抄を歌った時「こぶし」が無いとも審査員に言われました。これも演歌好きの仲間に歌って貰ったら「こぶし」コロコロだった。女性(の歌)が好きで何が悪い。

投稿: 海道 | 2021年4月25日 (日) 16時13分

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