マロニエに降る雨
(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo
作詞:白鳥省吾、作曲:古関裕而、唄:坂元芳子/安藤まり子
1 きみ見しや |
《蛇足》 昭和28年(1953)1月に放送されたNHKラジオ歌謡。
叙景歌の傑作ですが、少しあとに放送されてヒットした『雪の降る町を』の陰に隠れて、あまり注目されませんでした。知っている人は少ないと思います。
雨音を表現する分散和音が印象的。
雨音を聞きながら景色を眺めるというのも、たまにはいいものです。静かに降る雨の音には、心を落ち着かせる効果があります。
2番から、皇居のあたりを歌った曲と思われますが、お濠端には今もマロニエ(セイヨウトチノキ)は植わっているのでしょうか。
白鳥省吾は宮城県生まれ(明治23年〈1890〉-昭和48年〈1973〉)。旧制中学時代から詩を書き始め、早稲田大学在学中に詩集を出版して、詩壇・文壇にデビューしました。
アメリカの詩人・ホイットマンに傾倒し、その作品を多数翻訳したことでも知られています。自然や人間愛を歌った作品を多く書き、"民衆派詩人"と呼ばれました。
『星影のワルツ』を作詞した詩人の白鳥園枝は次女。
(二木紘三)
コメント
植物について少しは興味を持っていましたが、あの大型の葉っぱで落葉樹のセイヨウトチノキとは知りませんでした。(また勉強になりました。)
松島詩子の「マロニエの木陰」「マロニエの並木道」「マロニエの花咲く頃」等のロマンチックな歌詞での想像は、もっと小さい葉と花を勝手に思い浮かべていましたが・・・
それにしても二木先生演出・演奏の雨音をイメージした素晴らしい分散和音を聴きながら、好きなさつきの鉢植え群に今雨が降り注いでいる情景は、私にとって濃い至福の時間となりました。
投稿: 尾谷光紀 | 2017年6月28日 (水) 10時16分
マロニエの歌はいくつか聴き知ってはいましたが、木も花もまったく知りません。雨に煙るマロニエの花を見ながら喫茶店で憧れの人を待つなんて、若い時に経験しておきたかったですね。想像が膨らみます。いつの日にかマロニエの花には出会いたいと思っています。ところで尾谷様、今年はつつじやさつきがあまりきれいに咲いていませんでした。我が家のつつじも5輪しか咲きませんでした。近所のつつじもだめでした。花を咲かせるのは恋と同じで難しいものですね。
投稿: ハコベの花 | 2017年6月29日 (木) 15時24分
冬枯れのマロニエに降る雨――マロニエ以外では駄目かしらとは野暮な疑問でしょうか。
『待つ人の音無く、刻む雨の雫』(「君待てども」平野愛子唄)は語彙による雨音の表現ですが、本曲の右手による和音の連打には思わず耳が傾きます。
追記:尾谷光紀様、「マロニエの木陰」の最後にある投稿minatoyaさまのコメントにマロニエの本格的な説明が有ります、ご参考までに。
投稿: 槃特の呟き | 2017年6月29日 (木) 23時40分
槃特の呟きさまの投稿を呼んで、「君待てども」を見てみました。「待つ人の音無く 刻む雨の雫」淋しいけれど、美しい情景が目に浮かびます。こんな哀しいロマンに浸って見たくなりました。私は日常の雑駁な生活に疲れてしまっています。たまには日常を離れることも必要ですね。それにしても何と歌詞の美しい事か!何回も読み返しています。
投稿: ハコベの花 | 2017年7月 1日 (土) 14時30分
ハコベの花 様、そういえば例年と比べなんとなくサツキの花つきが良くなかったようですが、「第56回豊中市民さつき展」をFBでご覧ください。
槃特の呟き 様、あのトチノキにアカ色もあることがまた勉強になりました。
「マロニエ~」の歌詞のイメージとは冬と夏や追憶と未来ともに全く逆ですが、なぜか「栄冠は君に輝く」3.~ みどり濃き棕櫚の葉かざす感激をまぶたに描け ~ が脳裏をかすめます。
これらメロディも歌詞も素晴らしく、他方NHK朝ドラのテーマソングで桑田佳祐歌の「若い広場」~ あの娘今ごろどうしてる さなぎは今 蝶になって きっと誰かの腕の中~ のフレーズに拍手したい! 久しぶりのいい歌ですが楽譜は8月頃出版のようです。
投稿: 尾谷光紀 | 2017年7月 1日 (土) 16時26分
マロニエは私の町にも咲くようです。マロニエ通りという道もあり、街路樹があります。中央駅の近くの公園に咲いていた花を市の公園緑地課に聞きましたら、マロニエだと返信がありました。近くの別な公園にもあり、また行こうかなと思っています。味のある堂々とした花ですね。
投稿: 今でも青春 | 2017年7月 5日 (水) 20時42分
マロニエ という語感が情感を醸していると思うのですが?栃ノ木 栃の花では ?
上向いて咲く大ぶりな花 は別名「森の篝火」と言われ
むしろ凛とした感じを受けます。
同じく 語感の醸す 植物に
エルム(ハルニレ)がありますね。
~エルムの梢 時計台永久に輝く北斗星~」
橋幸夫の「明日会う人」
エルムの語感のゆえに心ひかれた歌です。
以下は本来のコメントから逸脱
エルムより和名の ハルニレの方が良いと譲らない
友人がいてイライラしました。
この彼女は 50年前に 二人で観た小劇場(名画を上映)の「穢れ亡きいたずら」で一粒の涙も流さない感性の持ち主。私は瞼の腫れあがるほど泣きました。
彼女は私のことを「気が小さい」と揶揄、自己評価の高さが羨ましく思える私なのです。
投稿: りんご | 2017年7月 5日 (水) 21時26分
訂正
あした逢うひと
惹かれたはずです~佐伯孝夫作詞、吉田正作、編曲。
「明日会う人」では会議などを連想なさる方もおられるかもしれませんね。
念のため 検索したら「語感」という言葉もなくはっとしました。この場合 何と表現すればいいのでしょう。
語彙の雰囲気?どなたか教えてください。
投稿: りんご | 2017年7月 7日 (金) 07時46分
山荘の玄関先に白い小さな花が咲き、雨に濡れて散っていきます。名前は知りませんし、誰に聞いても分かりません。多分、卯の花かな?と、勝手に思いながら、田宮虎彦の「卯の花腐し」を思いだし、ここのところご無沙汰の哲学の道を偲んでいます。
六甲山は、今の時期は紫陽花が満開して薄紅色や薄紫の花束が目に鮮やかです。。
山を下りて久しぶりに皆さんのリクエスト曲を、1曲づつ静かに聞きながら味わうコーヒーに心癒されます。
投稿: あこがれ | 2017年7月12日 (水) 08時18分
般若のつぶやき様
この場合は どの樹に降る雨でも
構わないとは思いますが?
やはり「 マロニエ」という優しい響きが
合っているのではないでしょうか。
仮に アカシヤ、さくら、ハナミズキを配置すれば
花のイメージが邪魔をして情趣が損なわるれと思いませんか。フランス語の響きが浪漫を醸していると思います。
早朝の小学校での読み聞かせを終えて
そのまま所要の為に県都 山形へ。
帰宅して戸をあけ放ち
「マロニエに降る雨」を聴き
しみじみと胸に染みる名曲との感想です。
歌詞も よく読めば マロニエの花に降る雨ではなく
おおかたの葉は散って冬を待つばかりの樹に降る雨なのですね。大人の歌ですね。
投稿: りんご | 2017年7月12日 (水) 11時41分
りんごさま
僕が 云うことではないですがーーー
お手つきですよ
はんどくのつぶやき さまです
投稿: 能勢の赤ひげ | 2017年7月12日 (水) 12時11分
槃特の呟き 様
申しわけありません
無教養にて恥じ入ります。
槃特が愚痴も文殊の知恵に由来するのですね。
能勢の赤ひげ様
ありがとうございます。
随分変わったハンドルネームと今の今まで
般若と見えてました。
これも無知のなせる業。
感謝、深謝のりんごです。
投稿: りんご | 2017年7月12日 (水) 12時49分
能勢の赤ひげ様
槃特のつぶやき様
「槃特が愚痴も文殊が知恵に訂正」
訂正に次ぐ訂正で面目ありません。
恥ずかしながら初めて知った言葉です。
投稿: りんご | 2017年7月12日 (水) 20時46分
りんごさま
僕などが 言うべきことではなかったと 反省しております
実は僕も この言葉に遭遇したのは この二木先生のサイトがはじめてでした
何時だったでしょう ひろしさまが 槃特のつぶやきさまに 間違った認識をしていた と謝っておられたコメントに接したときです
そのときに 槃特という言葉とその関連を調べて そういう意味だったのかと 腑に落ちたしだいです
一般常識の欠落している でんでんーー とか
みぞゆうーー とは異なりますよ
こんなことをいうと お叱りをうけるかもしれませんが
ひろし先輩でも 間違い謝っておられたのですから
安藤まり子さんの 曲は まりもの歌しか知りませんでした この マロニエに降る雨 もいい曲ですね
投稿: 能勢の赤ひげ | 2017年7月12日 (水) 21時44分
老境にぴったりの叙景歌ですな。和みます。
投稿: 五鉄 | 2017年12月24日 (日) 02時40分