青年の樹
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作詞:石原慎太郎、作曲:山本直純、唄:三浦洸一
1 雲が流れる 丘の上 2 嵐すさぶ 日もあらむ 3 多感の友よ 思わずや |
《蛇足》 昭和36年(1961)6月19日から翌年12月24日まで、TBS系列で放送された同名のドラマの主題曲。
原作は『週刊明星』に連載された石原慎太郎の小説で、『青春とはなんだ』など、その後の青春ドラマの先駆けとなった作品です。放送に耐えるビデオテープがまだなかったため、モノクロの30分番組。
坂木武馬(勝呂誉)と和久宏(寺島達夫)、山形明子(小林哲子)の友情とそれぞれの悩みを描いて、多くの若者たちに支持されました。3人は東大の同級生で、和久宏はやくざ組織和久組の跡取り息子という設定が、ちょっと変わっていました。
木の苗が急速に生長し、画面いっぱいに枝を拡げていくというオープニング映像と、小林哲子の知的な美貌が印象的でした。小林哲子は、病気のため、途中降板し、香山美子に替わりました。
寺島達夫は、東映フライヤーズのピッチャーから映画界入りした変わり種。球界という枠を超えて国民的人気のあった長嶋茂雄と容貌が似ているというので、番組の後半では、勝呂誉をしのぐ人気を得ました。
主題歌では、3番に、のちに国家主義者の大物になるシンタローさんのメンタリティが表れていて、興味深いですな。
1つ、どうしても分からないことがあります。このドラマの放送期間は、私の大学1年次・2年次と重なりますが、どこで視たのか、どうしても思い出せないのです。オープニング映像や主題歌、ドラマのなかのいくつかの場面は覚えているので、視たことは確かなのですが。
私はもちろん、下宿住まいの友人たちは、だれもテレビをもっていませんでした。喫茶店で視たのかもしれませんが、毎週金曜日のプロレス中継以外、喫茶店でテレビを視た記憶がありません。
ナゾというより、記憶の空白域が拡大したという感じです。皆様もどうぞお大事に。
(二木紘三)
コメント
この歌はラジオから知った好きな歌ですが、家にはその頃テレビがありませんでした。
高校からの下校時に友達が「テレビドラマの主題歌」と教えて呉れました。
今でもラジオから流れて来ますが、ドラマの内容はあまり知りませんでした。
管理人さんの「どうしても分からないこと・・」
1年半も放映されたのですから、きっと帰省された時でしょう。
管理人さんの過去は調べても分かりませんでした。皆様どうぞお大事に。
投稿: なち | 2019年9月21日 (土) 12時19分
私もこのドラマは毎週見ておりました。ヒロイン役の小林哲子さんが学校の一年先輩だった、ということもありましてね。
それと脇を固める役者が揃っていまして、勝呂誉の父親役が森繁久彌、和久組の頭(かしら)役を山茶花究、他にも何の役だったかは覚えていないんですが、伊志井寛や飯田蝶子もでていたような。この人たちの練達の芸を見るのも楽しみでした。
投稿: boriron | 2019年9月22日 (日) 23時16分
管理人さんと同じように、私の記憶も確かではありませんが、勝呂誉のきれいな顔と寺島達夫の髭跡が青々したスポーツマンタイプの顔を思い出します。そして、三浦洸一が唄ったこの歌が好きでした。慎太郎は熱血漢が好きなんだと感じました。話は変わりますが、舟木一夫の青春の歌シリーズは遠藤実が軍歌調に作ったと聞いていますが、この歌を作曲した山本直純もやはり軍歌調を意識したのでしょうか。作詞の慎太郎もきっと好きそうですから相談したのでしょうね。
投稿: 吟二 | 2019年10月 4日 (金) 16時51分
嬉しい歌ですね。丁度県立旧川本高校農業科在学中の林業課で、この歌を歌いながら原野や山に行き主に杉や檜を植えていました。
また杉や檜の種を植え育てる苗圃でアルバイトをしたリ・・・
当校入学時にお祝いとしていただいたメタセコイヤ2本は実家の麓で幹回り5~6mになっています。
日本中のみんながもっとこの歌を愛していたなら、先般の関東一帯の超大洪水被害はかなり少なかったのではと悔しい思いです。。
投稿: 尾谷光紀 | 2019年10月14日 (月) 11時27分
「青年の樹」私はこの曲をここで初めて知りましたが、この唄の歌詞には、若者の日本への強い愛国心が表現されており、また、作者自身のその想いの深さを感じさせるものがあります!
そして、この詩の作者が石原慎太郎というのも、今、私には理解できるような気がしています。
それは、2011年、あの未曾有の大惨事・東日本大震災関連のテレビニュースを観ていた時でした。それまでは、石原裕次郎の兄で、芥川賞作家で著名人でもあり、都知事も四期めを務める実力者だとの私の認識でした。
それが、東日本大震災での福島原発に於ける、危険を伴う任務「燃料棒冷却作戦」の作業を終えて無事に帰還された、東京消防庁の緊急援助隊の方々のその活動をたたえ、涙声で隊員の方たちにねぎらいの言葉と感謝の念を持って出迎えた、都知事石原慎太郎の姿をテレビ映像で観た時、一瞬、この方の真の愛国心が垣間見えた気がして、その姿勢に私は好感を持った覚えがあります。
1 空に伸びろ 青年の樹よ
2 森に育て 青年の樹よ
3 国を興せ 青年の樹よ
「青年の樹」今思えば1961年、石原慎太郎が30歳を前にして、この歌詞を書いたこと、そして、特に番末の上記の詩には、石原慎太郎のグローバルな視点による、日本への強い愛国心を持つ強い気質が根本から備わっていたのでは、この唄を聴きながら私はそんなことを感じました。
投稿: 芳勝 | 2020年2月 8日 (土) 13時36分
ありがとうございます。テレビの一時期しか見ませんでしたが、勝呂誉と小林哲子がハッピーエンドになりそうだった(原作ではそこでおしまい)ところで本当の小林さんがご病気になり、止むを得ずか、こともあろうに交通事故で死亡したことにしてしまい、入れ代わりとして、寺島達夫を追い回すちょっと変わったヒロインとして、香山美子さんが初登場したと記憶しております。唄とともに懐かしいです。
投稿: しのあ | 2020年2月11日 (火) 07時26分
高校生になった頃かと思いますが、この「青年の樹」のドラマの主題歌が流れると何故かしゃっきとした気分になりました。「空に伸びろ青年の樹よ」が最高でした。「木」でなく「樹」であったことに特別の思いがあったのかもしれません。勇気づけられる良い歌として忘れられません。
ドラマでは途中降板した知的な美しさを感じていた小林哲子さんへの憧憬がその後のドラマ視聴から遠ざかる原因ともなりました。
原作者石原慎太郎については政治家としては良くも悪くもいろいろありましたが、この歌詞あっての「青年の樹」だと確信しています。最高の応援歌だと思います。
投稿: 伊勢の茜雲 | 2020年11月19日 (木) 17時41分