ある愛の詩(うた)
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作詞:Carl Sigman、作曲:Francis Lei、日本語詞:岩谷時子、唄:越路吹雪
海よりも 美しい愛があるのを いつかしら 最初に声かけてくれた 大きな その不思議な力で もうなにも この世で欲しいものはない LOVE STORY Where do I begin With her first hello She fills my heart with very special things How long does it last How long does it last |
《蛇足》 1970年にリリースされたアメリカ映画『ある愛の詩(うた)』(原題はLove Story)の主題歌。監督はアーサー・ヒラー、主演はライアン・オニールとアリ・マッグロー。
世界的な大ヒットとなり、1970年の『アカデミー賞』で音楽賞を受賞したほか、複数の部門でノミネートされました。
同年のゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)を受賞しています。
作詞のカール・シグマン(1909-2000)は、アメリカのポピュラー音楽史で最も成功したソングライターで、『引き潮』などで我が国でも有名。作詞のほか、作曲も行っています。
フランシス・レイ(1932-2018)は、『男と女』『パリのめぐり逢い』『個人教授』『白い恋人たち』『雨の訪問者』など数々の大ヒットを残した映画音楽の巨匠。
『ある愛の詩』は、この二人がタッグを組んだ作品ですから、ヒットしないわけがありません。1971年にアンディ・ウイリアムスの歌でシングルが発売され、Billboard Hot 100で最高9位を記録しました。
トニー・ベネット、ペリー・コモなど多くの歌手がカヴァーしています。
日本では、越路吹雪、尾崎紀世彦 、伊東ゆかり、前野曜子などが歌いました。
映画はごく簡単にいうと、次のようなストーリー。
ハイソな家庭出身の大学生オリバーとハイソ出身ではない女子大生ジェニーが恋に落ち、オリバーの父親の反対を押し切って結婚しますが、やがてジェニーが白血病にかかり、亡くなってしまいます。父親と和解したオリバーは、亡くなる前、ジェニーが「愛とはけっして後悔しないこと」という言葉を遺したと語ります。
愛する人を失ってしまうという歌は、日本にもいくつかあります。たとえば、 『会いたい』『さくら貝の歌』『小さな日記』『愛と死をみつめて』『北上夜曲』『絶唱』など。
いずれも名曲です。恋人との死に別れは、喪失感が普通の失恋より格段に深いので、残されたほうの悲しみ、苦しみが聞く人の胸を打つのでしょう。例に挙げたのは古い歌ばかりですが、今なお愛唱する人が少なくありません。
(タイトル下の絵は生成AIで描いたイメージ画で、映画の1シーンではありません)。
(二木紘三)
コメント
“Love Story”はエリック・シーガルによる同名の小説を原作とします。ただし、未完の小説を原作として映画の製作が始まり、小説と映画が同時進行で作られました。先に映画が完成し、映画の脚本を基に小説が執筆された部分もあるとされています。この映画は世界的にヒットしましたたが、同時期に上映された『ロミオとジュリエット』、『小さな恋のメロディ』などとともに我が国では『純愛もの』の一作とされました。
私がこの映画を観たのは高校2年生。青春を過ごした1970年代を象徴する、忘れられない映画の一作です。上映が終わり、場内が明るくなってもすすり泣く女性の声が絶えなかったのが印象に残っています。
映画の主人公のOliverはHarvard大学に通う裕福な法学部の学生、Jennyとの出会いは彼女がアルバイトをしていた図書館で出会うという設定です。父親の反対を押し切って、Jennyと結婚したOliverは仕送りを切られて苦学します。Oliverは卒業して弁護士になり、New Yorkの弁護士事務所に勤め、これからという時にJennyの白血病が発覚します……。
1978年に続編として“Oliver Story”『続・ある愛の詩』が公開されましたが、こちらはヒットしませんでした。内容は、Jennyの死後、Oliverが新たな恋愛を経験しますが、Jennyとの思い出を払拭できずに別れるという平凡なストーリーです。
投稿: Yoshi | 2025年5月31日 (土) 20時04分
先ずは御礼まで、ありがとうございました
昨年 8月以来、待ちに待った「ある愛の詩」が発表されました
謹んで御礼を申し上げます
綺麗な曲に仕上がっており大満足です、先ずは取り急ぎ御礼を申し上げます
投稿: 蓮胤 安宏 | 2025年6月 2日 (月) 19時56分
曲は確かに覚えています。由紀さおりさんだったような。
原作も読んだと思うのですが筋を全く思い出せないので勘違いかもしれません。
55年は長いです。
投稿: Hurry | 2025年6月 4日 (水) 00時17分
「ある愛の詩」ハーバード大学に通う名家の御曹司と片やイタリア系移民の娘の恋を描いた、この映画を私が観たのは17歳の時でした!
そして、この映画は私が生まれて初めて映画館で観た洋画でもありますが、そのきっかけとなったのは、我が家の姉の猛烈な推奨があったからでした。
当時、この映画をフィアンセと一緒に観た姉は、館内で何度も涙し、感情を抑えきれないほどの衝動を覚えたたらしく、この映画はあなたにも絶対に観て欲しいと、日頃の姉にしてはとてもめずらしく興奮ぎみにこの映画のことを話してくるので、私はいささか驚いた記憶があります。いずれにしても私がまだ思春期の頃に観たこの映画は、巨匠フランシス・レイのこの素晴らしいメロディとともに、長年にわたり忘れられない作品になったことは云うまでもありません。
そして、この映画でジェニーが遺した『~愛とは決して後悔しないこと~』というフレーズ、当時は巷でこの言葉が大流行していたことを私は今でも鮮明に憶えています。
この映画を観てからの私は、悲劇のヒロインを演じた女優・アリ・マッグローの大ファンになりましたが、しかし、その後は彼女の出演作があまりなかったので当時の私は少し残念に思ったものでした。
<蛇足欄>には『~恋人との別れは、喪失感が普通の失恋より格段に深いので、残されたほうの悲しみ、苦しみが聞く人の胸を打つのでしょう~』と記されていますが、まさにそのとおりで、この作品にもそのことを実感させられるものがあります。
「ある愛の詩」私はこの映画の名シーンの数々を懐かしく想い出しながらここでメロディを何度も聴いているとき、二木先生の『PC技術を駆使した』そのアレンジスキルがふんだんに活かされていることにより、この名曲がさらに一段と素晴らしいメロディ『最高傑作』になっていることにいつしか気づかされます。これはもう流石!という他、私には言葉が見つかりません。
投稿: 芳勝 | 2025年6月 7日 (土) 15時22分