2022年5月28日 (土)

あの尾根遠く

(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:武井つたひ、作曲:土田啓四郎、唄:若山 彰

1 遥かな空よ 青空よ
  晴れゆく山の 想い出よ
  ああ 君ゆきし 頂きに
  青春の歌 こだまする
  いまアルプスの 山小屋に
  朝霧深く 秋が来る

2 連なる峰よ 雲が流れ
  友の名彫りし 岩肌よ
  ああ 面影は 空の果て
  虹の輪のように 浮かぶのだ
  いまアルプスに 雪白く
  遠い尾根道 風が吹く

3 山脈(やまなみ)静か 黄昏れて
  夕焼け空の 想い出よ
  ああ 歌声は 美しく
  青春の日の かなしさよ
  いま別れゆく 山小屋に
  灯(ともしび)ほのか 秋が来る

《蛇足》 NHKラジオ歌謡の1つで、昭和35年(1960)9月12日から1週間放送されました。
 3年前に『喜びも悲しみも幾歳月』という大ヒットを放った若山彰が、朗々と歌いました。

 日本コロムビアからレコードが発売されましたが、あまり売れなかったようです。歌詞・曲とも青春歌謡としてヒットしそうな条件を備えているのに、なぜ広まらなかったのでしょう。

 若山彰は、コロムビア合唱団とともに、『六甲おろし』の通称で知られる 『阪神タイガースの歌』を歌っています。作詞:佐藤惣之助作曲:古関裕而という無双のコンビで作られ、昭和36年1961)に発表されました。

 『あの尾根遠く』を作詞した武井つたひは、長野県出身の詩人で童話作家。
 作曲の土田啓四郎には、『わが愛を星に祈りて』(梶光夫・高田美和)、『愛と死をみつめて』(青山和子)、『ほんきかしら』(島倉千代子)などのヒット曲があります。

 3番の「青春の日の かなしさよ」は、作詞者がどう表記したかわかりませんが、私が見た歌集では、「かなしさよ」はひらがなになっていました。

 ひらがなだと、「悲しさよ/哀しさよ」がまず浮かびますが、「愛(かな)しさよ」とも取れます。
 この歳になると(「どの歳だ」って? あなたと同じ歳ですよ)、バカと失敗、苦渋に満ちた「青春の日々」が、なんとも愛おしくなってきます。まるで父親ができの悪い息子を見るかのように、青春時代の
自分を優しく見るようになるのです。あなたはどうですか。

(二木紘三)

YouTube版=https://youtu.be/rab9U50J1J0

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